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(回答先: チャラビ氏「主権移譲前の直接選挙は可能」 [日本経済新聞]【チャラビ氏のイラクでの政治基盤強化を狙った政治的発言?】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 1 月 24 日 14:57:49)
【バグダッド=鶴原徹也】イラクの主権移譲プロセスを巡って、直接選挙による暫定議会議員選出を要求するイスラム教シーア派最高権威の動きが台風の目となり、少数派スンニ派との政争が顕在化してきた。その一方で、混乱を恐れる穏健派を中心に妥協を探る動きも出てきている。6月末を期限とする主権移譲に向け、イラクの宗派や政治勢力間で主導権争いが浮上した形だ。
スンニ派ウラマー(イスラム法学者)の組織として最大で、影響力も強い「イラク・ウラマー委員会」は21日、「占領下の直接選挙は公正なものではありえない」とする声明を発表、シーア派の最高権威「大アヤトラ」アリ・シスタニ師の要求を拒否する姿勢を明らかにした。「(シスタニ師の)直接選挙要求には、占領当局との元来の良好な関係をテコに、選挙を自派に有利に仕組もうとする思惑がある」とまで糾弾した。
主権移譲プロセスについては、米国主導の占領当局と、「国民の各派・各層を代表する」統治評議会の間で昨年11月、全国18県ごとに政党や部族代表で構成される選出会議が暫定議会の議員を間接的に選ぶことで合意が成立している。
両派の対立は統治評議会の内部にも及んでいる。評議会に入っているスンニ派政党イラク・イスラム党の幹部は、「早期の主権移譲こそが最優先課題」と強調し、「外野が決めるべき問題ではない」と、シスタニ師の動きに不快感を示す。これに対し、シーア派政党のダアワ党とイラク・イスラム革命最高評議会は、シスタニ師の介入を「民主化への貢献」と歓迎し、大衆動員を支持することで党勢拡大を図っている。
一方、統治評議会の有力メンバーで、ダアワ党穏健派を代表するイブラヒム・ジャファリ氏は「直接選挙が望ましいが、選挙法制定や有権者登録などの技術的問題がある。早期主権移譲のためには、直接選挙の原則を反映させられる代案を見いだす必要がある」とし、「部分的な選挙実施も選択肢の1つ」と述べた。
「部分選挙」案はまだ、統治評議会で議論されてはいない。イラク・イスラム党幹部は「選挙を実施する地区と実施しない地区を考えているのであれば拒否する」と本紙に語っており、これが“落とし所”となるかどうかは分からない。
カギを握るのは、米国と統治評議会の双方から、直接選挙の可否についてゲタを預けられた形の国連の判断だ。近く派遣される国連調査団について、世俗政党のイラク国民会議幹部は「国連専門家の評価を尊重したい。国連は善意の第三者だからだ」と語っている。
(2004/1/24/01:32 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040123id29.htm