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ブッシュの一般教書演説でも、小泉の自衛隊イラク派兵(おっと、彼らは「派遣」と言っているんでしたな)でも、新聞の社説でも「テロに勝つ」ことが「自明の理」のように言われているが(毎日新聞の「時代を読む」というコラムでも東大の田中何とかという教授が同様の主張をしていたな)、良く考えると「テロに勝つ」とは何を意味しているのか、さっぱり分からない。
「テロに負ける」というのは、テロがゲリラに成長し、権力を奪取する、ということだろう。つまり「革命」だ。「テロに勝つ」を素朴に解釈すれば、世界中でテロ行為がなくなる、ということだろう。しかし、有史以来、そんなことは絶えてなかった。
もちろん、今、焦点となっているイスラム原理主義勢力が、中東でもどこでも、ひとつの国を支配する政治勢力に成長する、とはとても思えない。彼らには、現状を破壊するバワーはあるが、その先のビジョンを提示していないからだ(アラビア語やペルシャ語ができないので、未読のマニュフェストみたいなものに、そういうことが書いてある可能性はゼロではないが)。
となると、アルカイダやイラクのフセイン支持勢力、パレスチナのハマスやヒズボラの活動が当面、停止することを「テロに勝つ」と言っているのか。
しかし、パレスチナ問題で米英が「ダブルスタンダード」を辞めない限り、そんな事態も実現しそうにない。
テロに勝つ、と言うと、何となく、多くの人の支持を受けそう(まあ、誰も、新幹線爆破なんかに遭遇したくはないからね)だから、そう言うのだろうが、よく考えると、何も言ってないに等しい。こんなあいまいな概念をテコに世界中で戦争をされては、たまらない。テロの犠牲者より、「対テロ戦争」と称する戦闘の死者の方がずっと多いだろうからね。
それに「テロに勝つ」という作戦の一環として、イランのような、テロ勢力でなく、ひとつの国家を名指ししているのも訳が分からない。イランの問題は、テロとは関係なく、核兵器保有問題だ。テロと核兵器開発は無関係ではないが、本来、別の問題だ。この辺にも、ブッシュ政権とそれを支持する国の主張のあいまいさがある。