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(回答先: イラク派遣:「国家として当然」 施政方針演説で小泉首相 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 1 月 19 日 18:11:21)
小泉純一郎首相の19日の施政方針演説は、政権の浮沈をかけたイラクへの自衛隊派遣に示す強気さとは対照的に、「小泉改革」の方は低調という、最近の政権の状況を反映する。進展を強調する割に諸改革の具体像に踏みこまないのは、7月の参院選を控えての与党への配慮からのようだ。イラク問題に覆われる中での演説だが、後に振り返れば、世論の強い支持を背にした大統領型のリーダーが、協調型の「普通の首相」に変質する姿を象徴的に示すものかもしれない。
演説で首相の思いがもっとも込められるのは、結びで改めてイラク支援へ決意を示す部分だ。憲法前文と同時に、中国・春秋戦国時代の思想家、墨子の格言「義を為すは、毀(そしり)=非難=を避け、誉(ほまれ)に就くに非ず」を引用、毀誉褒貶(きよほうへん)を意識せずに政策を進めることは当然、と強調する。与党との調整を残すとは言え、陸上自衛隊の本隊派遣は既決事項。世論に根強い慎重論を抱える中、苦渋の決断の強調より、不退転の決意を示す方が得策と踏んだようだ。
「イラク」の割り切りぶりと対照的なのが、構造改革のくだりだ。郵政民営化を「改革の本丸」と意気込むが具体的イメージは触れずじまい。年金の財源問題、国と地方の「三位一体改革」の全体像など、参院選前に示し、国民に信を問うべき事項の説明に乏しい。
昨年の自民党総裁選、衆院選を境に、首相と抵抗勢力の対決構図は急速にかすみ、道路公団改革問題で両者は妥協した。演説であえて必要以上の刺激を避けたのも、総裁選で助けを受けた青木幹雄参院幹事長らの意をくんだ可能性が高い。やはり発言力を強める公明党にも、自公連立の「安定した基盤」との表現で配慮した。夏の参院選が終われば「選挙の顔」としての強みを失う首相だが、「郵政」一点突破以外の長期目標、戦略は演説から見えてこない。
ちなみに、さきの「墨子」は、対外戦争を強く否定した「非攻」論でも知られている。賛否が渦巻く自衛隊派遣の決意を語るにふさわしい引用と言えるかは別にして、首相がいろいろな意味で世論を2分しかねない判断を迫られる局面は、今後も外交、内政とも続く。首相の覚悟も問われている。【人羅格】
[毎日新聞1月19日] ( 2004-01-19-14:26 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040119k0000e010069002c.html