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綱領改定についての報告・第4章「民主主義革命と民主連合政府」(しんぶん赤旗) 
http://www.asyura2.com/0401/senkyo2/msg/174.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 1 月 16 日 08:29:27:eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: 綱領改定についての報告・第3章「世界情勢二〇世紀から二一世紀へ」(しんぶん赤旗)  投稿者 シジミ 日時 2004 年 1 月 16 日 08:27:18)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-01-15/00_03.html

民主主義革命と民主連合政府(第四章)

 つぎに「第四章 民主主義革命と民主連合政府」にすすみます。

 民主主義革命論は、綱領路線の核心をなす部分です。この綱領を決定した当時、世界の共産党の運動のなかでも、発達した資本主義国での民主主義革命という路線は、ほとんど他に例のない、独自のものでした。私たちはその路線を、四十三年間の活動のなかで、より豊かに発展させてきました。この章は、こうしてかちとってきた実践と理論の全成果を反映させながら、綱領路線をより現代的、合理的なものに仕上げたものであります。

民主主義革命の路線について
 この四十三年間、自民党政治がしがみつき、国民的利益との矛盾をいよいよ深めている路線は、対米従属と安保堅持、大企業・財界奉仕という二つの点をなによりの特徴とする路線でした。これにたいし、日本共産党は、綱領にもとづいて、従属国家から独立・主権の国家への転換、財界主役の政治から国民主役の政治への転換という、日本の進路を切り替え新しい未来を開く路線を対置してたたかってきました。

 日本の政党のなかで、自民党政治と対決して、日本の進路を切り替えるという方針を、この四十数年間、まとまった形で一貫して提起したというのは、日本共産党の民主主義革命の路線だけであります。野党といわれる政党のなかでも、「二大政党制づくり」の財界戦略を背景に、自民党流の路線の枠内での政権交代という流れが強まっている今日、民主主義革命というこの路線の持つ意義は、いよいよ大きくなっています。

 この路線は、日本共産党が日本の情勢の独自の分析から引き出した、日本独自の路線であります。しかしこの経験のなかには、世界的な目から見て、一般性を持つ側面も、ある程度はふくまれているように思います。

 たとえば、世界経済の「グローバル化(地球規模化)」にどう立ち向かうかが、いま、諸国民の国際的な運動のなかで大きな課題となっています。わが党はこの問題で、「民主的な国際経済秩序の確立」という目標を提起してきました。前大会では、「大会決議」のなかで、この問題のくわしい解明もおこないました。

 これにたいして、ヨーロッパの一部では、社会主義革命路線の立場から「資本主義的グローバル化反対」という目標を対置する流れもみられました。しかし、実際の状況をみますと、ヨーロッパでも、現実の運動は、覇権主義や多国籍企業の横暴を許さない民主的な国際秩序をめざす方向で発展しているようであります。

 これは、資本主義的な横暴や抑圧のさまざまな現れにたいして、民主的な改革のプログラムをもって対抗するという方針の有効性が、国際的な舞台で試されたものとみることもできるでしょう。

 私たちの経験でも、国際的な交流のなかで、多くの人々から、私たちの民主主義革命の路線に関心をよせているということを、よくうかがいます。それは、日本の運動のなかに、発達した資本主義の国で、民主主義的な段階をへて社会主義に接近してゆくという一つの形態をみての注目であるということも、ここで報告しておきたいと思います。

合理的、現実的な仕上げの特徴
 綱領の、この部分を仕上げるにあたっては、私たちは、

 革命の任務――民主主義革命が達成すべき任務が資本主義の枠内での民主的改革であることを明確にすること、

 政府目標――民主連合政府がこの民主的改革を実行する政府であり、国民の支持のもとに民主主義革命をやりとげる政府であることを明確に規定すること、

 この二つを基本点として、全体の整理をおこないました。

 現綱領には、「人民の政府」、「民族民主統一戦線のうえにたつ政府」、「アメリカ帝国主義と日本独占資本の支配を打破していくのに役だつ政府」、民主勢力がさしあたって一致できる目標の範囲での「統一戦線政府」、「革命の政府、革命権力」などなど、多様な政府規定がありました。

 改定案は、これらの政府規定を、「民主連合政府」と、そこに至る中間段階あるいは過渡的な段階での「統一戦線の政府」という、二つの政府規定に整理しました。これが、さきほどあげた、二つの基本点によって整理したということの一例であります。

 その結果、現在から将来にわたる見通しも、より見やすくなったという声が大きく聞かれるのは、うれしいことであります。

 しかも、そのことは、党の路線のうえで、一方では、今後に予想される複雑な事態に柔軟に対応できる弾力性を、他方では、社会進歩の事業のもつべき原則的な立場をどんな波乱のなかでも守りぬく確固性を、両面を合わせて保障する力となっていると、考えています。

行動綱領ではなく、民主的改革の基本的な内容を規定した
 この章での綱領改定の大きな眼目の一つは、従来の行動綱領を、民主的改革の基本的な内容についての規定に変えたことであります。この改定の意味をよくつかんでほしいと思います。

 これまでの綱領では、民主主義革命によって実行される改革については、「真の独立と政治・経済・社会の民主主義的変革」という一般的な規定しか与えていませんでした。ここには、国民的な運動も、党自体の闘争も、まだこの改革を具体的に問題にするところまでは前進していなかったという、綱領制定当時の情勢の反映がありました。

 そして、そこで掲げられた「行動綱領」は、諸階層・諸階級の当面の要求、また、社会生活の各分野での当面の要求や課題などの一覧という内容のものでした。党がこれらの要求を支持してたたかうことに変わりありませんが、綱領の本来の役割は、どういう改革を達成することによってこれらの要求にこたえるか、という問題の解明にあります。

 改定案では、その見地から、革命によって実現すべき改革の内容を、「国の独立・安全保障・外交の分野」、「憲法と民主主義の分野」、「経済的民主主義の分野」という三つの分野に整理して提起しました。

 そして、この改革の内容を規定する際に、私たちが注意したのは、当面的な基準ではなく、改革の基本方向を示し、十年、二十年というものさしでその有効性を保ちうるもの、という気構えで、各分野の改革を定式化することにありました。ですからここには、そのときどきの情勢の変転や政府の政策の動きによって変わらない改革の基本点が、のべられています。

 よせられた修正意見のなかには、行動綱領的な意味あいで、“より充実を”と求めるものがかなり多くありました。そういう要望には、綱領にそれを書き込むことではなく、問題の性質にふさわしい別の方法での対応を考えたいと思います。

 改定案にのべられている民主的改革の内容は、政策活動の基本となるものであります。そこに、党の政策的一貫性の何よりの根拠があります。昨年の総選挙に先立つ時期に、多くの党組織が綱領改定案の内容を政策活動の旗印にしてたたかいました。これは、積極的な経験だったと思います。

 今後とも、綱領を武器に、日本共産党はどんな日本をつくろうとしているか、党の「日本改革」の政策を日常不断に宣伝していくことに、努力しようではありませんか。(拍手)

天皇制と自衛隊の問題
 天皇制と自衛隊の問題には、質問・意見がもっとも多くよせられました。「党の態度があいまいだ」、「国民の総意に転嫁するのは無責任だ」などの意見もありましたが、これは誤解にもとづくものであります。

 まず、どちらの問題でも、党の態度は明確であります。

 天皇制については、綱領改定案は「党は、一人の個人あるいは一つの家族が『国民統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく」と、その評価を明確にしております。また、今後についても、「国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだ」という方針を明示しています。

 自衛隊については、改定案は「憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)」と明記しています。“第九条違反”という認識と、“自衛隊の解消によって第九条の完全実施にすすむ”という目標とが、ここには、はっきりと書かれているわけであります。

 しかし、党の認識と態度を表現するだけでは、政党の綱領にはなりません。この認識にもとづいて、現状をどのようにして変革するのかの方法を明示してこそ、綱領としての責任ある方針になります。

 天皇制の問題でも、自衛隊の問題でも、国民の現在の多数意見はその存在を肯定する方向にあります。その状態が変わって、国民多数が廃止あるいは解消の立場で合意しない限り、この問題での改革は実現できません。

 その際、自衛隊の問題は、自衛隊の存在自体が憲法に違反しているという性格の問題であります。ですから、現憲法のもとで民主連合政府が成立したら、成立のその日から、政府は、自衛隊の存在と憲法との矛盾をどのように解決するかという問題に直面し、その態度が問われることになります。だから、そこに至る方途と道筋を、綱領で明記したわけであります。

 天皇制の問題は、その点で事情が違います。これは、この問題でなんらかの改変をおこなうこと自体が、憲法の改定を必要とする問題であります。一方、戦前のような、天皇制問題の解決を抜きにしては、平和の問題も、民主主義の問題もないという、絶対主義的天皇制の時代とは、問題の位置づけが根本から違っていることも、重視すべき点であります。

 私たちは、民主主義の原理的な立場からの党の考え方――については、今日でも大いに語る必要があります。

 しかし、いま、憲法をめぐる中心課題は、第九条の改悪を主目標に憲法を変えようとする改憲のくわだてに反対し、現憲法を擁護することにあります。わが党は、当面、部分的にもせよ、憲法の改定を提起する方針をもちません。だから、改定案では、天皇制の廃止の問題が将来、どのような時期に提起されるかということもふくめて、その解決については、「将来、情勢が熟したとき」の問題だということを規定するにとどめているのであります。

 改定案が解決は「国民の合意」や「国民の総意」による、としていることについて、“先送り”などと批判する意見がごく一部にありましたが、こういう批判は、多数者革命に背を向け、主権在民の原則そのものを軽んじるものにほかならないということを、指摘しておきたいと思います。

 また、象徴天皇制という現制度を、「君主制」だとした現綱領の規定を改定案がやめたことについて、「君主制」の規定は残すべきだとする意見も一部にありました。しかし、七中総でのべたように、国民主権の原則が明確にされている国で、「国政に関する権能」をもたないものが「君主」ではありえないことは、憲法論のうえで明白であります。

 つけくわえていえば、天皇を「君主」扱いして、憲法が禁じている「国政に関する権能」を、部分的にもせよ、天皇にもたせようとしているのが反動派の復古主義的なたくらみであります。党の綱領に「君主制」という規定を残すべきだという議論は、実践的には、こういう復古主義者たちを喜ばせる性質のものとなることも、あわせて指摘するものであります。

 日本が「君主制」か「共和制」であるかはっきりさせろ、という声も聞かれました。日本は、国民主権という民主主義の原則を確立した国だが、現状では、「君主制」にも「共和制」にも属さない国であります。だから、七中総報告では、日本の憲法のこの特質を、「いろいろな歴史的な事情から、天皇制が形を変えて存続したが、そのもとで、国民主権の原則を日本独特の形で政治制度に具体化した」と記述しました。この特殊性を事実に沿ってリアルにとらえることが重要であります。

 どんなものごとにも中間的、過渡的な状況ということはあるものであります。それをのりこえるのは、将来、国民の意思にもとづいて、日本の国家制度が民主共和制に前進するときであります。改定案は、日本における社会進歩の、この大局の方向についても明記しているのであります。

人民的議会主義と多数者革命
 革命の路線についてのべている第十三節では、さきにのべた整理を、文章の全体にわたっておこないました。内容の問題で、補足的な説明を必要とすることはあまりありませんが、一点だけ、国会と政府にかかわる部分をとりあげておきます。

 国会活動では、一九七〇年の第十一回党大会で、人民的議会主義の路線を、つぎのように定式化したことが、綱領路線の具体化の重要な一歩となりました。大会決議では、

 「国会はたんに政治の実態を人民の前にあきらかにするだけでなく、国民のための改良の実現をはじめ、国民の要求を国政に反映させる闘争の舞台として重要な役割をはたす。さらに、今日の日本の政治制度のもとでは、国会の多数の獲得を基礎にして、民主的政府を合法的に樹立できる可能性がある」、

 こういう確認をおこないました。 この定式は、国会活動のつぎの三つの任務を明らかにした点に、大きな意義がありました。

 (1)政治の実態を国民の前に明らかにする。

 (2)国民のための改良の実現をはじめ、国民の要求を国政に反映させる舞台となる。

 (3)国会の多数の獲得を基礎にして、民主的政府を合法的に樹立する。

 今度の改定案では、これらの任務を全面的に綱領の規定として織(お)り込んであります。

 また改定案が、日本共産党が国会の多数の支持を基礎に民主連合政府の樹立をめざすことを、つぎのように、「国民が主人公」という日本共産党の信条と結びつけてのべていることも、重視してほしいと思います。

 「日本共産党は、『国民が主人公』を一貫した信条として活動してきた政党として、国会の多数の支持を得て民主連合政府をつくるために奮闘する」。

 ここにのべられているのは、国会の多数の支持を得て民主連合政府を樹立するという党の路線が、いわゆる戦略・戦術といった次元の問題ではなく、「国民が主人公」の立場を貫いてきた日本共産党の民主的な信条にもとづく路線だ、ということであります。この信条を革命運動の方針に具体化したものが、日本社会のどんな変革も、国民多数の支持がその前提になる、という「多数者革命」の考え方にほかなりません。

 この路線は「議会の多数を得ての革命の路線」と略称することもあります。それは、マルクス・エンゲルス以来の科学的社会主義の革命論のなかでも、明確な歴史的位置づけを持った路線であります。

 さきほど天皇制と自衛隊の問題でも若干ふれましたが、改定案が、「国民が主人公」の信条に裏打ちされた多数者革命の方針を、民主主義革命の段階から社会主義的変革の段階まで、社会発展の全段階で貫いていることを、深く読み取ってほしいと思います。(拍手)

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