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(回答先: 新生イラク軍にみる主権移譲のまやかし【東京新聞 こちら特報部】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 4 月 15 日 21:12:07)
イラク主権移譲 『堅持』も成算なし【東京新聞 核心】
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040415/mng_____kakushin000.shtml
やまぬ戦闘、増える死者、それに人質事件−。イラク情勢の緊迫化で、米ブッシュ政権のイラク政策は破たんがはっきりしてきた。13日の記者会見で、ブッシュ大統領は6月30日の主権移譲に変更はないと言明したが、主権を受け継ぐ暫定政権の骨格は固まっていない。「ベトナム戦争の泥沼再来」との声が日増しに高まっている。 (ワシントン・沢木範久)
■民衆を敵に
「イラクでは、つらい週が続いている」。ブッシュ大統領は十三日午後八時半(日本時間十四日午前九時半)、ホワイトハウス・イーストルームでこう切り出した。
大統領は記者会見嫌いで知られ、応接間ともいうべき同ルームでの正式な会見は、二〇〇一年一月の就任以来、三度目。イラク情勢の悪化などを受け、「沈黙を保つべきでない」と、側近から助言されたといわれる。現地の治安は、ファルージャの戦闘が激化した四月初め以降、一変した。
旧フセイン政権に近かったスンニ派だけでなく、シーア派も米軍への抵抗に立ち上がった。「旧政権残党+テロリスト」対「解放軍としての米軍」という図式は崩れ、「イラク民衆」対「米軍」の構図が鮮明化しつつあるのだ。
■結束に危機
治安悪化は、十一月の米大統領選をにらみ、イラクに新政権を誕生させ、戦後占領を終えようというブッシュ政権の「出口戦略」を、根底から揺さぶっている。
米軍は現在、一部兵士の帰国を遅らせ、総勢十三万五千人が駐留。現場からは、当初計画に比べ、一万人程度の増派が要請されており、帰国が延期された兵士の士気低下が懸念される。
米軍に代わるイラク人治安部隊の育成も遅れている。ファルージャの戦闘では、イラク人部隊が参加を拒否。アビザイド中央軍司令官は十二日の会見で、「命令違反、逃亡」の続出を認めた。
イラクに派兵した日本など「有志連合」諸国の結束にも、危機が迫っている。日本政府は邦人人質事件後も自衛隊の撤退を否定しているが、フィリピンは十四日、治安次第で部隊の撤退もあり得ると発表した。
今やブッシュ政権が頼みとする国連も、アナン事務総長が十三日「治安が大きな問題だ」と、大規模な要員派遣は困難との見方を示した。
大統領が「主権移譲を延期すればイラクの人々は裏切られたと思い、敵の思うつぼになる」と頑張ってみても、暫定政権発足の環境が整っているとは言い難い。
■ベトナム化
「イラクをベトナム戦争にたとえるのは、間違っている」
大統領は会見で強調した。
確かに、数万人の米兵が戦死したベトナム戦争に比べて、イラクの米兵死者は約六百八十人にとどまる。背後にソ連(当時)や中国といった、国家ぐるみの支援も、現在のイラク反米勢力にはない。
だが「内戦でも民衆蜂起でもなく、大部分のイラクは安定している」という大統領の主張は、説得力を失いつつある。
しかし、撤退はベトナム戦争以上に難しい。当時米国は、北ベトナム(当時)という明白な敵を前に撤退した。イラクからの撤退は後に無政府状態の混乱を残すことになる。
大統領は会見で、こうも言った。
「若者を無駄死にはさせないと、戦死した兵士の親に誓った。(混乱したままの)イラクからの撤退がそれにあたる。私の任期中には、あり得ない」
戦死者に報いるためにも、もはや引くに引けない。ブッシュ政権はまさに「泥沼」への道を進んでいる。