★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > IT5 > 493.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
コンビニ、街頭、役所…あなたはここまで見られている [サンデー毎日]
http://www.asyura2.com/0401/it05/msg/493.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 5 月 10 日 20:43:04:dfhdU2/i2Qkk2
 

http://www.mainichi.co.jp/life/family/syuppan/sunday/2003/0119/tokusyu1.html

コンビニ、街頭、役所…あなたはここまで見られている
監視カメラが映し出す「完全管理社会」


この国に得体の知れない”怪物”が徘徊している。繁華街、コンビニ、駅構内、役所の窓口……。およそ人が集まるところに、その怪物は足をしのばせてやってくる。「防犯」を大義名分に増殖し続ける、監視カメラという名の「目」である。超監視社会がいよいよ始まろうとしている。
「ビッグ・ブラザー(偉大な兄弟)」をご存じだろうか。ジョージ・オーウェルの反ユートピア小説の古典的名作『1984年』に登場する絶対的支配者である。国民の一人一人を徹底して監視し、情報をコントロールすることで支配機構は圧倒的な強さを誇り、その前では個人の人間性など、いとも簡単に破壊される様がリアルに描かれている。小説の発表から半世紀余―。オーウェルの小説世界は現実のものになろうとしているようだ。日本国中にあふれる「防犯カメラ」という名のビッグ・ブラザーの登場である。

×  ×  ×

昨年12月、アメーバのように増殖し続ける防犯カメラに??異議あり?≠フ声が上がった。上智大学文学部新聞学科教授の田島泰彦氏らを共同代表とする、東京・中野の市民団体「監視社会を拒否する会」である。同会はあるコンビニ業界大手に対し、各店舗に設置されている「カメラ」に絡んで公開質問状を提出したのだ。その骨子は、▼カメラが記録した映像の運用基準▼映像を警察に提供しているかどうか―の2項目。そもそもなぜ、コンビニなのか。田島氏は話す。
「防犯対策の名の下に、コンビニには多数のカメラが設置されています。しかし、防犯とは関係なく、撮影された客の映像が警察などの公権力に提供される恐れがあるのです。つまり、プライバシーがいとも簡単に蹂躙される可能性があるということなんです」
しかし、コンビニの防犯カメラの多さは、この業界大手に限ったことではない。コンビニを狙った強盗事件が多発しているなか、その設置は当然とのムードもある。その点について、田島氏はこう指摘する。
「この業界大手を問題にしたのは、設置台数の多さもさることながら、店で管理しているカメラのほかに、どこで管理しているのかはっきりしないカメラがあるからなんです」

 実際に同区内の某店舗に行って天井を見上げれば、あるわ、あるわ……。ビデオカメラと同型の箱形が11台、それにドーム形が4台。狭い店内になんと15台である。田島氏らによると、箱形は店舗ごとに管理しているが、ドーム形カメラの管理状況が明確でないのだという。「警備会社が一括管理しているのではないか」という疑念も上がる。

 では、公開質問状を出されたこの業界大手はどう答えるのか。同社広報部が説明する。
「箱形は店舗のオーナーが設置していますが、ドーム形は店舗内にATMを置く金融機関が警備会社に委託して設置したものです。箱形の運用基準についての取り決めはありますが、具体的中身は防犯上の理由からすべてを明らかにはできません。ただし社員や店舗オーナーの教育研修で徹底しています。また警察から『捜査資料提出依頼書』の提示を受けた場合、その店舗で起きた事件捜査のみに限って防犯カメラの映像を提出します。あくまでも防犯カメラはお客様が安心して買い物をしたりATMを利用できるよう設置しています」

http://www.mainichi.co.jp/life/family/syuppan/sunday/2003/0119/tokusyu2.html


「顔認識システムが監視社会につながる」

 それにしても、この市民団体が指摘する問題点は根深い。というのも、街中にあふれる防犯カメラ≠ノ関して、その映像を誰がどう運用するかの基準やルールなどの法的根拠がまったくないからである。その意味で、「防犯」のためのカメラが「監視」目的に使われ、『1984年』で描かれた監視社会をつくり出す危険性をはらんでいるのである。それは決して根拠のない杞憂ではないのだ。

 愛知県警は01年10月、名古屋市内のコンビニのある一店舗に、警察署が24時間オンラインで管理する「防犯カメラ」3台を設置したが、プライバシー侵害の問題に詳しいフリージャーナリストの小谷洋之氏はこう警鐘を鳴らす。
「コンビニに警察が防犯カメラを置き、署とオンラインでつなげることは、実は監視社会に一歩踏み出したということなのです」

 どういうことか。
 小谷氏が注目しているのが、成田空港と関西国際空港の税関で使われている「顔認識システム」である。要注意人物の顔写真をあらかじめ入力しておけば、カメラに映し出される人物と自動的に照合できるという装置だ。再び小谷氏。
「県警が顔認識システムを導入すれば、どうなりますか? 犯罪者のみならず、一般の市民であっても『監視したい人物』の写真さえ入力すれば、その者が誰といつコンビニに来たのかが簡単に把握できる。そうなれば、立派なプライバシーの侵害ですよ」

 まさか、そこまでは―と思うかもしれない。しかし、現にロンドン東部のニューハム地区では徹底した「監視網」が敷かれている。2年前、同地区を視察した「セキュリティ研究会」(カメラメーカーの社員で組織)を主宰する佐藤伸氏はこう振り返る。
「街頭やパブなどに数千台のカメラがあふれていました。そのうち約700台が自治体と警備会社が運営する警備センターの『顔認識システム』と直結し、あらかじめシステムに入力した容疑者の顔写真と監視カメラに映った人物の顔が似通っていればアラームが鳴るようになっていました。認識の精度は約85%。公道を歩いているすべての人をチェックしているわけですから、考えようによってはすさまじいことですよ」


ルールづくり進め 監視内容の開示を

 だが、それは日本の近未来を先取りしているだけかもしれない。右の表を見ていただきたい。全国の主な「防犯カメラ」の設置場所をまとめたものだ。警視庁が東京・新宿歌舞伎町に50台を置いてから動きが加速しているようだ。自治体が設置したものが多いなか、東京・歌舞伎町をはじめ警察が設置主体となっているところも3カ所ある。加えて、自治体が主体であっても東京都武蔵野市、長野県松本市、兵庫県小野市などは、その実、警察が運用しているのである

 しかも「防犯カメラ」はますます増殖しようとしている。例えば、北陸一の繁華街、金沢市片町では警察がモニタリングする「防犯カメラ」の導入を計画している。さらに警視庁も03年度に池袋と渋谷に導入する予定だ。列島挙げてのニューハム地区化≠ェ着々と進行しているのである。

 そうした動きに金沢大教育学部教授の大澤善信氏はこう警告する。
「私たちが知らないところで『顔認識システム』が使われ、市民生活が監視される恐れがある。問題なのは、撮影した映像を警察はどう使うのかはっきりしないうえ、モニターする側の警察を監視≠キるための仕組みがないことなのです」

 プライバシー・人権問題に詳しい弁護士の桜井光政氏はこう指摘する。
「人が人を監視する社会は決して健全な世の中ではない。カメラで撮った不特定多数の人物のプライバシーをどう守るかは、個人の尊重を規定した憲法13条にかかわってくる問題。早急にルールづくりを進めなければ、監視される側の不安はいつまでもぬぐえない」

 凶悪事件が増加傾向にあるなか、検挙率は低下の一途をたどり、2割を切ってしまった現実がある。そうしたなか、カメラが防犯に役立っていることは否めないかもしれない。

 しかし、である。「ビッグ・ブラザー」の悪夢を想起させるような、「監視社会」の到来が許されていいはずもない。そのリスクの担保として、一刻も早くルールをつくり、監視する側は対象の範囲や内容を開示すべきであろう。

本誌・石丸 整/中西 庸



http://www.asyura2.com/0403/nihon13/msg/153.html

小泉改革と監視社会 岩波ブックレット斎藤 貴男 (著)(2002/07)より
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000092731/

批判精神を喪失したマスメディア(P29〜30)
 さまざまな世論誘導が<中略>進められいる。<中略>大手の新聞やテレビは、決して“監視カメラ”と呼ばない。警察が好んで発表する“防犯カメラ”の用語を、そのまま伝えてくるのがご愛嬌ではある。
 彼らには“神の目”を握った警察の行動をチェックできるだけの意志も実力も備わっていない。犯罪対策が旗印に掲げられているとはいえ、権力にこうも易々と利用されてしまうマスメディアとはいったい何のために存在しているのか。やがて顔認識技術と連動した監視カメラが街のあちこちに据えられるようになったら、こんな悪夢も容易に現実になってしまう。
 ―プロ野球の開幕戦。試合開始前に日の丸が掲揚され、君が代が斉唱された。警察の監視カメラは瞬時に、五万五〇〇〇人の観客を次の三通りに分類した。@起立して歌った善良な市民、A起立したが口は開けなかった要注意人物、B起立しなかった危険分子。
 ―二〇〇×年、アメリカがイラクへの総攻撃を開始した。有事法制に基づき、日本政府も自衛隊をペルシャ湾に派遣する。会社からの帰り道、酔ったAさんが、つい毒ついた。「戦争なんか始めやがて。ブッシュの馬鹿野郎、小泉の忠犬野郎」。翌日の夕刻、彼は人事部に呼ばれ、解雇を言い渡された。明確な理由は教えてもらえなかった。
 あり得ないとは言わせない。防衛庁が情報公開請求をしてきた人々の身元を洗い出し、個人情報リストを作成。庁内LANで閲覧していた事実が明らかになっている。

 次へ  前へ

IT5掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。