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人はどこまでEgoの開示ができるのでしょうか。
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投稿者 如往 日時 2004 年 3 月 05 日 02:56:42:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: どうしましょう!!! 投稿者 ぷち熟女 日時 2004 年 3 月 04 日 09:04:17)


 プチ熟女さん、御心遣い溢れるレスを有り難うございます。
 ご心中はよく理解できましたので、どうかお気遣いをなさらないでくださいな。でも、今回の私自身の過剰反応や思いがけず独り善がりな感情移入をしてしまった経緯について少し語っておかねばならぬと思い当たりました。


 >『如往さまが、あっしら様がおっしゃるのとはまた違った観点から『セックスも究極的には自己愛である』と見ておられることについて、本当はその観点の違いにまで言及していただければ論議はより実り多いものになるとは思うのですが、それが強く乞えない種類のことであるのも、また存じております。』と書かせていただきましたが、その箇所は、本当に知りたいと思っていたところなのです。

 それは、Egoを介在にした観方です。私はセックスを含む恋愛の情況においてEgoを拠り処にしながら、Egoを開示しつつId(Es)を解放することに、人間の営為の素晴らしさがあると思っています。けれども、元々人間には他者に快楽を与えようなどという発想はなく、極々利己的な情動に導かれて自身が快楽に達することによって、自己愛を貫徹・確認するのだと見ているのですが、Egoの開示のプロセスには多くの問題が内在していると考えています。無防備にEgoを晒すことには解放感が伴ないますが、逆に無造作に扱われるならば憎悪の素にもなるでしょう。情念の所在として人を理解するとは、結局はその時々のEgoの状態を捉えIdの大いさを受けとめられるか否かに係っていると思うのですが、如何でしょうか。そして、恋人やパートナーを含む他者のEgoの状態を捉えていこうとする場合には、それなりの覚悟や愛情が必要であると思っています。
 私が投稿行為において心理分析をできる限り回避しているのは、そうした覚悟ができていないことが原因となっていますが、ことセックス談義に絡むものとしては、かつて非常に多感な頃に映画『反撥』のキャロル(主人公の役名です)に見られるような不確かで怒りを秘めたEgoに幻惑され続けたほろ苦い恋愛体験がフラッシュ・バックするために躊躇されるのです。それは今もなお未完了なままの蹉跌として在りし日の心象風景を形作り続けています。多分心図らずもそのような幻影をプチ熟女さんに投影し見てしまったのではないかと思われるのです。
 何時の頃からかEgoの開示にまで肉迫する心理分析や誘導は憚れるようになり、最近では専らMatrixとの関係性においてセックスや恋愛を捉える習性がすっかり身に着いてしまっています。だた、セックスや恋愛の魅力ないし価値はEgoの開示とそれを相互に受容することにこそあるとの認識に変るところはありません。

 >あたくしは、きっと哲学がご専門のお方になら、あたくしがこの前書いたようなことでもあまり負担じゃないだろうと勝手に思っていたのだと思います。芸術系では、作品の評を学生同士で互いにとことんやるので、(それはもう、あっしら様と現在進行している論議のレベルと同等以上のものです)哲学談義もそういったものなのかと思っていたところがあります。以後は気を付けます。

 時には書いている当人の意図や思惑に反して、読み手の琴線が爪弾かれてしまうことがあるのは至極自然な成り行きと受け止めています。その昔理論武装といった言葉が取りだたされたことがありましたように、私にとって哲学的言辞はEgoが纏う鎧であったり楯であったりするかも知れませんし、またEgoそれ自体の延長でもあるのかも知れません。私自身情念を語る言葉の豊かさに欠けるためなのか、無垢なる弾力性を羨ましく思うことがあります。だからこそ、プチ熟女さんを囲む会話を楽しみにしているので、お気遣いは無用ですよ。ただ、気がついたら想いの外深入りしていたというのは、それはそれで詮無きことに思います。
 さて、こんなところでどうかご勘弁を。

 また、会いましょう。

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