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京都府丹波町の鶏舎を襲った鳥インフルエンザ。感染への不安と混乱は、地域や学校、流通、消費者に広がっていった。鶏の大量死から感染発覚まで、採卵養鶏場「浅田農産船井農場」では何が起きていたのか。なぜ大量死の鶏舎から鶏は出荷されたのか。「空白の一週間」を中心に、現場の証言を追った。
▽ついに来た
鶏舎に入って、異変に気づいた。両側のゲージに並ぶ鶏が、首をうなだれて死んでいった。苦しそうに羽をばたつかせ、首をカクッと落として、眠るように。数時間で30羽くらいだったか。
ある従業員の証言だ。船井農場で鶏の大量死を目のあたりにした。「とさかのはれや毛の逆立ちとか、外見上は鳥インフルエンザの症状は見られなかった。でも、数が増え出し、死ぬ様子を見て『ついに来た』と、がっくりした」
京都府は、1000羽以上の鶏が死に始めたのは2月20日としている。しかし、その前に従業員たちは異変の兆候に気付いていた。
▽何かに納得
「16日ごろの夕方」と、従業員は記憶をたどった。「8号鶏舎で鶏がようけ死んどるんや」「本社に報告したのか」と従業員同士で声をかけ合った。「鶏舎の1カ所で20羽ほどが死んでいた」と同僚から聞いた。「インフルエンザちゃうか」と感染を疑う話もした。別の従業員は、19日ごろ、本社の浅田秀明社長に電話した。「社長は『多いな、分かった』と答えた」という。
従業員によると、20日ごろ、姫路市の本社から社員が駆けつけた。「社員が5、6羽を解剖した。腸がただれているのを見た」という。22日ごろ、社長から「腸炎だ」と説明を受けた。「この業界でインフルエンザを疑わない人はいない。でも『そうか』と思った」と振り返った。
別の従業員は「腸炎は伝染しないはずなのにおかしいと思った」と話した。しかし「自分をごまかすというか、何かに納得してないと仕事ができなかった」。
▽1月中旬に指示
同じころ、鶏舎内の消毒が始まった。25、26日の鶏の出荷作業で、ほとんどの従業員が異変に気づいた。ゲージから出すときに鳴いたり、足をつっぱったり、暴れたりしない。死んだ鶏もいた。従業員は「なんなんこれ」「腸炎でこんなに死ぬんか」と声を上げた。浅田社長に説明を求める従業員もいた。
従業員たちは、浅田社長の指示を覚えていた。「場内で野鳥が死んだり、いつもより死鶏が多く出たら報告するように」。1月中旬、山口県で鳥インフルエンザ感染が確認された直後だった。
[3月18日11時0分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040318-00000028-kyt-l26