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(回答先: アジア全体で見れば鶏の大量感染が沈静化した「鳥インフルエンザ騒動」をどう考えるか 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 13 日 17:51:15)
http://www.asahi.com/science/update/0315/002.html
山口―大分―京都と続く鳥インフルエンザウイルスは、いったいどこから来たのか。専門家の間ではこのところ、強い毒性を持つウイルスが海外からもたらされたとする「一元」説が有力になりつつあり、韓国から感染した野鳥が飛来したとの見方も強まっている。
○伝播前変異、裏付け
今月3日、農林水産省は、京都で検出されたウイルス遺伝子の塩基配列が、山口や大分の感染鶏のものと、ほぼ一致したことを明らかにした。
その直後のことだ。鳥インフルエンザの専門家である北海道大獣医学部の喜田宏教授は「海外だね」と漏らした。山口県阿東町での発生直後は感染源について慎重だった喜田教授が、一歩踏み込んだのには訳がある。
シベリアから飛来するカモの腸管にいる弱毒性ウイルスが、野鳥や鶏の間で半年間ほど感染を繰り返すうち、強毒性の高病原性鳥インフルエンザに変異するといわれる。
日本に弱毒性ウイルスが入り、時間をかけて強毒性に変異したなら、3カ所のウイルスは別々の変異を遂げ、塩基配列も違ってくるはずだ。これが同じということは、すでに強毒性を持つウイルスが海外から入り伝播(でんぱ)したと考えた方が自然なのだそうだ。日本の感染は海外の強毒性ウイルスに「一元化」される、という考え方だ。
○野鳥関与の疑い濃く
では、どこから強毒性ウイルスはきたのか?
鳥取大農学部の大槻公一教授(家畜微生物学)は、韓国からの野鳥に注目する。韓国の鳥インフルエンザは、昨年12月初旬から下旬に、韓国中部から南部に広がった。南部から日本へは最短距離で約220キロほどだ。
大槻教授は、12月19日から21日にかけて、日本が覆われた強い冬型の気圧配置を挙げる。北西の強い風が日本列島に吹き込み、大雪を記録した。
韓国の冬は厳しく、養鶏場が野鳥の餌場になるという。そこで感染した野鳥が、この時期、強風に乗って日本に飛来したというのだ。
地図で見ると、韓国から北西の風に乗れば、延長線上に第1発生場所の山口や大分がある。「渡り鳥でなく、スズメほどの鳥でも上昇気流で舞い上がり、秒速数十メートルの風に乗れば、ほとんどはばたかなくても飛来してしまう」という。
気象庁の天気相談所に尋ねてみると、19日から20日にかけて1500メートル上空で秒速20メートル強の風が吹いていたという。山口の鶏に異変が起きたのは12月28日。潜伏期間は4〜5日とされるから、感染は23〜24日ごろのはず。時期は符合する。
2例目の大分県九重町での感染死は2月14日ごろ。山口のウイルスが運ばれたのか、韓国からかは、わからない。
専門家らの間では、京都で連続発生したケースを除き、「人やもので伝播した」との説は消えつつある。面的な感染の広がりがないからだ。野鳥が運ぶから、発生地が転々とするのだという。
日韓のウイルスは果たして同一なのか。農水省は動物衛生研究所(茨城県つくば市)を通じ、韓国政府の研究機関に対してウイルス提供を依頼し、解明を急いでいる。
すでに、感染が広がったベトナムや香港とは異なることが判明し、残る韓国やタイ、中国との比較が重要だが、韓国のウイルス入手は「調整に手間取った」と同省。
もし韓国とウイルスが一致すれば、感染経路の解明に役立つとの期待がある一方で、動物衛生研の山口成夫・感染病研究部長は「仮に韓国と山口が同系統だと判明しても、韓国以外の国から山口に来た可能性もあり、それだけで経路は確定できない」と慎重な見方だ。
より詳細な感染経路の解明には野鳥の調査が欠かせない。実際にウイルスを運んでいる鳥がいるのか、どのようなルートで飛来しているのかが、現時点でははっきりしないからだ。
動物衛生研や鳥取大、環境省などは、野鳥を捕獲してウイルスの有無を緊急に調べる一方、韓国に担当者を派遣し、鳥類の関与の有無や感染ルートに関する情報収集など調査の網を広げている。農水省も専門家による感染経路究明チームを設置し、国内3感染地域の感染原因や実態を調べる方針だ。 (03/15 14:02)