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【北京・上村幸治】中国の温家宝首相が5日に全国人民代表大会で行った政府活動報告は、経済のバランスのとれた「協調的発展」を強く呼びかけるものとなった。高度経済成長を続ける中、市場経済化に伴うひずみが出ているほか、経済過熱やその反動を懸念する声が出ているためだ。「安定したかじ取りで巨大経済を動かしたい」という温首相の意思が強くにじみ出た報告といえそうだ。
報告はとりわけ「全面的、協調的、持続可能な発展」の重要性を強調した。市場経済化に力点を置いた朱鎔基前首相が「改革」志向だったとしたら、温首相は「協調」「バランス」志向といって良いかもしれない。
今年の報告には、新たに東北振興が書き込まれた。老朽化した国有企業の集中する重工業地帯、東北(旧満州)を再活性化させようという計画だ。
同時に、貧しい西部地域の大開発、中部地域の発展や、すでに豊かな東部沿海地方にも触れながら、中国全土のバランスの取れた発展を目指すと述べている。
地域格差が拡大し、社会不安を招く懸念があるのを踏まえた措置で、段階的に「共同富裕(ともに豊かになる)」を実現させるとも述べている。トウ小平時代からの「先富論(一部の地域が先に豊かになって貧しい地域を引っ張る)」が軌道修正された形だ。
報告は、経済発展の中で出てきた社会の矛盾や、「人民大衆の切実な問題」の解決に取り組む意向を示した。例年に増して農村問題にスペースを割き、同問題を政府活動の「重要なものの中でもとくに重要なもの」だと強調した。
温首相は今年1月にも3農問題(農業の振興、農村の成長、農民の所得増と負担減)を取り上げ、今年の最重要課題に位置付けると発表している。
貧困を脱していない農村、農民が多く、農村から都市に流れ込む出稼ぎ労働者も1億人を超えている。貧富の格差が拡大する中、彼らの不満に火がつけば、中国全土が混乱する懸念もある。報告は、そうした事情も意識して書かれた模様だ。
[毎日新聞3月5日] ( 2004-03-05-14:29 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040305k0000e030064000c.html