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★ 「日刊ゲンダイ」は、再生機構を利用したカネボウの再建劇を「再生機構:狙いはやはり「本命ダイエー」」と企業救済に意図があるかのように書いているが、「狙いはやはり銀行救済」というのが真相である。
デフレ・スパイラルが続く限り企業収益は回復せず、再生機構を使った“企業救済”は、たんに銀行の重荷である不良債権を税金で取っ払ってやるだけになる。
利払い前の経常利益がプラスの企業であれば過剰債務をなくしてもらうことで事業を継続できるが、竹中大臣をはじめとする「構造改革派」がいう“供給過剰”は解消されず、他の健全企業の足を引っ張ることになりかねない。
産業再生機構は、産業再生に名を借りた“銀行救済”である。
銀行は、デフレ下であっても、不良債権を買い取ってもらうことですっきりし、手にした現金で国債などの安定的な金融資産を手に入れ“再建”できる。
「日刊ゲンダイ2・19」の3面と7面より:
(3面)
見出し部:「カネボウ救済劇のナゾ」
「再生機構:狙いはやはり「本命ダイエー」」
「メーン銀行に「債権放棄求めず」が意味すること」
記事本体:(ポイントのみの引用)
『「再生機構による「カネボウ再建」が大騒ぎになっているが、最大のミソは、ハードルを一気に引き下げたことだ。メーンバンク三井住友銀に債権放棄を要請せず、債権を「額面」で買い取るというから仰天だ。従来の方針を変えた再生機構の狙いは何か。金融関係者は「最大懸案であるダイエーを受け入れる伏線」と口を揃える。
「これまで産業再生機構が不振企業の支援に乗り出す場合は、主力取引銀が債権を放棄することが前提でした。三井住友銀も、三井鉱山など過去3社のケースでは合計490億円の債権放棄を余儀なくされました。企業を税金で再生する以上は、銀行にも泣いてもらうということです。しかし、これが大きなネックになり、メガバンクは、問題企業を切り離したいが、債権放棄する余裕がなく、大物案件を再生機構に送り込めなかった。」」
「三井住友銀や再生機構に対しては批判がありますが、それは一時的。国民世論も市場も、“まあ、いいか”となれば、カネボウのケースが前例となって第2、第3の大型案件の再生機構入りが浮上する。やはり本命はダイエーです」(大手銀関係者)」
「産業再生機構の「再建資金枠」は10兆円。言うまでもなく、全額が政府保証で、焦げ付けば税金負担だ。カネボウで5000億円、ダイエーにも5000億円・・・。りそな銀救済に続く小泉政権の大モラルハザードがまた始まろうとしている。」』
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(7面)
見出し部:「作家江上剛激怒!!」
「再生機構の「カネボウ方式」は究極のモラルハザード」
記事本体:
「こんなのアリか!
「カネボウ方式」と呼ばれる産業再生機構による支援に批判が集中している。
「究極のモラルハザードと言わざるを得ません」
作家の江上剛氏は、カネボウ方式をバッサリ切り捨てる。再生機構、主力銀行、そしてカネボウそれぞれのやり方や対応に意義があるというのだ。まず再生機構について。
「支援を決める前に、試算査定を幻覚に行うのが本来のやり方です。ところが、再生機構は今回、試算査定をせずにカネボウを救済すると表明してしまった。これは明かにおかしい」
確かに、昨年の再生機構は案件を厳しく査定していた。三井鉱山には2度の査定を行い物議を醸したほど。大変な変わりようだ。
さらに見逃せないのは、化粧品事業を分離して設立する新会社の抱える債務を再生機構が額面で買い取ることや、銀行に債権放棄を求めないという異例のやり方だ。
「報道を見聞きする限り、カネボウ方式は機構が銀行の借金を丸々肩代わりしてやるとした考えられません。実際、銀行はやたら喜んでいるようですから、モラルハザードはここに極まれリです」
メーンバンクの三井住友銀行の対応にも苦言を呈している。
「カネボウの財務内容が悪く、債務者区分を引き下げざるを得ないのであればそうすればいい。貸倒引当金を積み増しすれば済むことですからね」
しかし、再生機構の救済に飛びついた。企業再建を銀行自ら放棄したことになると同時に、3月末決算を控えて。いまだ問題企業をいかに多く抱えているか自ら語っているようなものだ。
「カネボウ経営陣に対して、“当事者能力はどうなっているのか、危機感がない”という三井住友銀幹部の談話があったが、果たしてカネボウのことを言えるのか」
もちろん、カネボウの帆足社長が経営責任を取らず、居直っていることも非常識だ。
江上氏はこう総括する。
「銀行もカネボウ経営陣も、そして再生機構も大甘ですよ」
“甘えの構造”が招いたモラルハザード。このままでは国民の資産はまたまた食い潰されることになりかねない。」