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中国需要拡大が押し上げ 企業物価3年5ヶ月ぶり下げ止まり
http://www.asahi.com/money/topics/TKY200402130114.html
中国の需要拡大に引っ張られた国際的な原材料価格の高騰を受け、鉄鋼や非鉄金属、化学製品などの価格上昇が、国内でも鮮明になってきた。12日に日銀が発表した1月の企業物価も前年同月比で横ばいとなり、3年5カ月ぶりにマイナスを脱した。ただ、機械メーカーなどの「川下」分野では、製品価格への上乗せは難しい状況で、デフレ脱却につながるかはなお不透明との見方が多い。
鋼材では、建設業界向けの主力製品であるH形鋼の市中価格(東京地区)が約12年ぶりに1トンあたり6万円台に乗せた。
高炉メーカーが購入する鉄鉱石(粉鉱)は、主力の豪州産の04年度価格が今年度より18.6%高、コークスの原料となる原料炭も25%高で交渉が決着した。ともに過去最高水準だ。
船賃も含め「業界全体で年に5千億〜6千億円のコスト増」(三村明夫・日本鉄鋼連盟会長)といい、大手5社の04年3月期の経常利益予想額に匹敵する。「価格転嫁は避けられない」(数土文夫ール社長)といい、値上げの連鎖は続きそうだ。
電炉メーカーの原材料になるスクラップ価格も、1トンあたり2万800円(関東と関西、中部の3地区平均、日本鉄源協会調べ)と、2年半前につけた底値の6400円から3倍強になった。
中国などアジア向けを中心とする輸出はこの3年で2倍超に膨らんでいる。
非鉄金属では、ステンレスなどの原料になるニッケルが、基準となるロンドン金属取引所で今年1月に1ポンド=7ドルと1年前の2倍だ。
化学品も、アジア市況が昨春以降、ほぼ右肩上がりで上昇。水道パイプや建材に使われる塩化ビニル樹脂(塩ビ)の2月の価格は、昨年4月に比べて60%以上上がった。その他の石油化学製品も、基礎サ価格の高騰を背景に、各社は一斉に15〜20%の値上げを打ち出している。
価格上昇は、サービス分野にも及ぶ。
海運業界では、石炭や鉄鉱石などの原材料を運ぶバラ積み船の船賃が高騰中だ。中国の旺盛な製鉄需要が背景にあり、原産地のブラジルやオーストラリアで積み込みを待つ船が滞り、世界的にバラ積み船の稼働トン数が減って需給が逼迫(ひっぱく)している。現在の船賃の水準は1トン=25ドルで船賃を除く鉄鉱石価格とほぼ同水準になり、かつてない高水準だ。
ただ、こうした高騰がありながら、企業物価の水準自体はまだ横ばい。品質向上の激しいコンピューターを筆頭に、電気機器などの値下がりが激しい。1月の速報値を生産段階別にみると、最も「川上」の素材や原材料は前年比1.6%の上昇だが、中間財は横ばい、一番「川下」の最終需要にあてられる物は1.3%のマイナスだ。
電気機器などでもデジタル関連の需要増で下げ幅は縮小気味だが、反転までは展望できないとの見方が一般的だ。
「素材業種の一部では90年代後半以降のリストラで設備集約が進み、販売先に値上げをのませられるようになった。しかし、川下の分野は依然供給能力が過剰気味で、値上げができず、収益圧迫の要因になる」(UFJ総合研究所)という。
川上の値上げと川下の値下げの引っ張り合いが続くうちに、農産物価格上昇などの要因がはげ落ちれば、企業物価も再びマイナスになる、との見方もある。
(02/13)