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(回答先: Re: 異議があります 投稿者 鼻曲がり」 日時 2004 年 4 月 05 日 08:14:39)
鼻曲がりさん､はじめまして。
かなり長文になりますが､よろしくお願いします。
私はたいそうな人物でなく、宗教的な問いを考えながら生きている一人の人間です。
≪人が人を使って利潤を得ても良いという権利、人はそれを誰に貰ったのか≫
という問に対しては、最後の方に書いています。
私は、キリスト教の信者というわけでもなく、正確な知識もありません。
ですからいわゆる宗教家ではありません。
ただ、キリストという1人の人間を非常に身近な人間だと認識しており､彼の愛の思想は
とても素晴らしいと感じております。
何故私が宗教的なことに関心を抱くかという、とそれは私が社会的に弱い立場であり､
小さい頃から、持病のことでかなり苦労してきて、自分の限界を感じてきたからです。
周りは私の苦しさがなかなか理解できませんでした。だから,私はいつも孤独でした。
イシドリリバス神父の本「孤独を生き抜く」という本を読んで､深い共感を得ました。
http://homepage3.nifty.com/kansya/
イエスも孤独の人だったからです。
ブッタはかなりの個人主義者ですし、神道の神はかなり人間的に俗っぽいところが、あまり
共感できませんでした。
私のみならず､おそらくたいていの人の人生の最大のテーマまは、おそらく
死と老化にどう向き合うかではないかと思います。
これは本人が恐怖から考えたくないのですが、人生における隠れたテーマだと思います。
性欲､名誉欲あらゆる欲の根本に死への恐怖があると思います。
しかし､人間も自然の一つです。 春、夏、秋、冬と移ろいでいきます。
自然の流れに背くのは限界があります。また、
人間はどう足掻いても、孤独からそがれることは出来ません。
だから､安心する為に友人を作りますし､家族をつくりますが、
永遠不変の人間関係と言う保証はありません。だから私は不安になりました。
私は人間イエスの思想の真髄は、人間は弱い､孤独だ､だから(イエスも含めて)
お互いに愛しましょう、これに尽きると思います。
言い換えれば、神の愛のうちに、人間同士が、お互いの尊厳を確認し､
喜びも悲しみも分かち合いながら愛し合い、老いと死へ向き合って生きること
それが、人にとっての幸せではないかと思います。
イエスの望んだ事、それは、人々が愛し合う事です。
だから、他の宗教でも､無神論でも、何でもいいと思います。
イエスは、あなたが私ではないほかの誰かを、愛した事ことは、
私を愛した事と同じだと語っています。
以上が私の、キリスト教の解釈です。
制度宗教は、世俗化され、権力者の道具になった印象がぬぐえません。
加えて、伝統を護るだけであり、現代､現在の人間の苦悩を宗教者が
きちんと見ている様にも思えません。
宗教家は現代人の問いに対し､自分の考えを延べ､対話をする責務があると思います。
その点で瀬戸内寂聴などは尊敬しております。
我々の生きる空間には聖なる場所と、世俗の場所があると思います。
世俗の場所は、市場メカニズムが働くべき場所が、世俗の場所
だと思っています。聖なる場所とは、宗教的な場所がそうですが、それ以外に市場メカニズム
にふさわしくない場所が、そのような場所だと思っています。家庭もそれに含まれると思うのです。
聖なる場所では、愛することがメインテーマになってくると思います。
世俗の場所は働くがメインテーマになってくると思います。
愛することをせずに、消費の事ばかりを考え、楽しむことだけ
考えているから､辛くなるのではないでしょうか。この場合､人間の自然性、
儚さ、を忘れているから､虚無的になるのだと思います。
≪人が人を使って利潤を得ても良いという権利、人はそれを誰に貰ったのか≫
という問に対し、私はこう考えます。
現在の経済社会がこうなったのは、理由､根拠があるのかも知れません。
昔は宗教家が宗教的に答えを導きましたが
現在その問を答えるのは学者に委ねらねています。
昔なら､現在の経済社会の仕組みの合理性の根拠を、宗教的に導き、
神から、経済活動の自由を頂いたのだという答えがあると思いますが、
こういう問いは一つの正解がない問題です。
如何様にも考えられるからです。
考えても納得できる考えは出てこないと思います。
私は、世俗の仕組みに対し宗教的な見地から考え、
批判するのではなく、仕組みは仕組みでしかないことを認識し、
まず、肯定します。仕組みが人間性を脅かすものであれば､如何に制度改良するか、いかに自分の振る舞いを変えるかを、
学問の成果を参照し､世俗的に考えます。例えば、
建前上、人権思想は建前でしかないと言うこともできますが、
社会は建前で一応動いていることになっている以上
これは大きな味方になる考え方かもしれません。
司法改革が、私たちの社会を住みやすくするかしないかは、
国民一人一人の努力次第だと思います。
悪知恵を働かすのが､上手なのが､いわゆる悪魔崇拝者です。
なにもしていないと、いいようにやられます。
世の中の動きについて、自分に直接関係のない事でも、
関心を持ち、向き合う姿勢を持つことで、社会は
すみやすくなると思います。
そして、宗教的にな問い、死、老いへの恐怖の問題
哲学の提示する根源的な問題、市場メカニズムでは解決すべきではない問題、
関与すべきではない問題は、聖なる場所、聖なる空間で適用されるべき
考え方、ルール、で対応､回答するべきだと思います。
その中でも一番大事なのは、愛しあう事と、個人の尊厳の尊重だと思います。
現代は、あまりにも、市場メカニズムに組み込まれ
世俗化された社会です。聖なるものまでも、
物的になってしまっています。性、臓器、信仰心、これらまでも
物あつかいです。理由なき殺人など、
現代の社会病理の大きな原因はこれだと思います。
現代の宗教家の役割は、
①聖なる場所､物と、世俗の場所､物の間に線を引く。
②前者の理念、ルール、実行のプランを明確にする。
③ささやかでも行動に移し、人が集う、安心できる場所
を再構築する。
④現代はあまりにも、世俗化し､変化のスピードが早いから､
そういう社会の中で、どう振舞えばいいか、瀬戸内寂聴さんのように
積極的に外を向けて情報発信する。
以上が私なりに考えた事で、これがいまのところの限界です。
回答はこのようなものです。
いかがでしょうか。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。