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(回答先: 自己充足(=実現)度で人生における活動を捉えなおす 投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 4 月 07 日 20:33:14)
虚妄の成果主義…仕事の満足は「給与より達成感」--- ベストセラー「虚妄の成果主義」高橋伸夫氏が直言
新入社員の背広姿が目につくなか、企業が次々に導入している「成果主義」を痛烈に批判した『虚妄の成果主義』(日経BP社)が話題となっている。有名書店のビジネス書部門で1位になるなどベストセラーとなり、ビジネスマンの心をとらえているようだ。何が問題なのか。著者の高橋伸夫・東京大学教授を直撃した。
−−大きな問題は
「サラリーマンや経営者の調査をして10年になりますが、成功した成果主義を聞いたことがない。何より、仕事の成果を客観的に評価する点に無理がある。成果主義を導入した企業でも、人事が決まった後で評価が決まるケースが多い。『お前は今度異動になるから、今年の評価はこのぐらい』といった具合です」
−−社員のやる気を引き出す見方もあるが
「経営学では成果主義的な考えを100年近く研究した結果、『人間は給与より、達成感や周囲の評価が得られることで満足する』と分かっています。逆に成果主義のように成果と給与を結びつけると、いい仕事をして給与がアップしても、肝心の達成感が得られない結果もあります」
−−日本型の年功制に問題は
「年功制でも優秀な社員は出世するし、ダメな社員は出世できない。実力を評価する仕組みはある。社員の多くは『どんぐりの背比べ』ですから、無理やり差をつけることはない。年功制の方が不当に評価されない分、やる気をそぎません」
−−それでも成果主義を導入する企業は多い
「幻想を抱いているからです。優秀な人材が集まるといわれますが、間違い。就職活動でも、最初は給与水準も気にするでしょうが、最後は面接の雰囲気や会社のビジョンが決め手になる。サラリーマンの転職理由も人間関係や仕事内容への不満がほとんどで、給与は少ない。『給料が上がればいい』という思いもあるでしょうが、それは家庭内での小遣いアップ交渉の問題というケースも多いのではないか」
−−『高賃金が日本企業の国際競争力を損なっている』と話す経営者も多いが
「そういう考えをつきつめれば、本社が日本にあれば、仕事は全部低賃金の国でやればいいということになる。まともな経営者なら、従業員の生活を守ろうと思う。国際競争力が目的になるのはおかしい。それでも賃金が高いと言うならベースダウンも必要ですが、その際は経営者の責任も明確にすべきです」
−−給与制度の問題ではないと
「給与制度をいじるのは禁じ手。仕事内容や公平な評価で社員をやる気にできないと認めているようなもの。優秀な社員には、トップ自らが高級料亭ででもねぎらって、経営への意見や疑問を聞くだけで、社員は『期待されている』とやる気が出ます。実際、うまい会社は、トップが研修で『会社をこうしたい』とビジョンを話したり、社員の質問に直接答えたりしています。コンサルタントから導入を勧められた経営者は、『バカにするな!』と怒るべきです」
ZAKZAK 2004/04/10