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<17>第2部 実態(6)迷走する汚染土壌処理 跡利用の影(下)[不平等の源流/琉球新報]
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/893.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 2 月 24 日 21:44:11:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: <16>第2部 実態(5)米軍対応に施設局苦悩 跡利用の影(中)[不平等の源流/琉球新報] 投稿者 なるほど 日時 2004 年 2 月 22 日 09:58:39)

4月に返還されたキャンプ桑江北側跡地。一部土壌から有害物質が検出され、地権者への引き渡しは果たされていない

昨年秋、与那城町にある産業廃棄物処分業者を、那覇防衛施設局の職員が訪れた。職員が同社に足を運ぶのは夏以来二度目だったが、同業者は「処分場が満杯に近い状態で、大量の搬入物の受け入れは困難」と、前回と同じ見解を繰り返すしかなかった。

 十トントラックで約百十八台分にも上る大量の汚染土壌が、処分先の見えないまま迷走を始めた。

 これに先立つ二〇〇三年四月、日米特別行動委員会(SACO)合意に基づく初の米軍専用施設の返還事例として、北谷町のキャンプ桑江北側が日本政府に返還された。町主体の跡地利用に期待が集まり、施設局は半年後の十月に地権者に跡地を引き渡す計画を示していた。

 日米地位協定四条は、米国が基地返還後の原状回復(基地提供時の状態に戻す)義務を負わないことを明記する。施設局は返還後すぐに跡地内の工作物撤去作業に取りかかるとともに、同年五月から土壌調査を並行して開始した。

 返還地三八・四ヘクタールのうち、調査範囲は12%弱の約四・五ヘクタール。返還前に基地内への立ち入り環境調査を実施できなかった施設局は、航空写真のほか基地関係者や古老からの聞き取りなどから「汚染のがい然性が高い地点」として調査範囲を確定した。

 十一月、施設局は調査結果を発表し、計六百八十立方メートルの土壌から土壌汚染対策法の基準値を超える鉛、六価クロム、ヒ素の特定有害物質が検出されたことを明らかにした。

 米軍使用による土壌汚染が明るみに出たことで、原状回復の責務を負った国の管理計画は大幅な狂いが生じた。

 既に地権者への引き渡し予定を過ぎていたが、「環境浄化は国が責任をもって行う」と述べるにとどまり、明確な期限が示されないまま国の管理期間は延長された。

 「有害物質を含んだ土壌は、県内の管理型処分場に搬出して埋め立て、適正に処理する」と明言した大沢和久施設部長だったが、水面下で進めていた処理業者や地元自治体との搬入交渉は難航していた。

 県内には、民間業者が運営する二カ所の管理型産業廃棄物処分場がある。沖縄市にある業者も「米軍が排出した危険物となれば、地域住民が納得しないのは明らか」と話す。

 県文化環境部幹部も「県内の処分場の残余容量が逼迫(ひっぱく)する中で、県内で処理できるとは思えない」と指摘する。

 施設局は「県内処理が困難になった場合の対応も検討しているところであり、できるだけ早期に土地を所有者に引き渡せるよう努める」と県外搬出を示唆する方向に態度を変化させる。

 しかし県外でも危険物の受け入れ先が現れるか交渉の行方は不透明な上、国は県外への搬出費など新たな経費の計上が必要だ。

 さらに調査範囲以外からも工作物撤去中に油臭があり、追加調査で二十五立方bの土壌で鉛汚染が確認される。町軍用地等地主会の喜友名朝昭会長は「次々と汚染が出てくることに懸念を抱いている」と憤る。

 関係者が喜びにわいた返還の日から一年近くが経過した今も、土中には汚染物が潜んだまま。地権者の前にフェンスが立ちはだかっている。

http://www.ryukyushimpo.co.jp/special/unequal/040223.html#040223

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