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(回答先: 2004年夏、新たなる9.11テロ勃発の可能性 No.20【2004年1月30日】[千葉邦雄のニュースの落とし穴] 投稿者 乃依 日時 2004 年 2 月 01 日 05:47:54)
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20040108.htm
パックス・アメリカーナの戦争 No.16【2004年1月8日】
「衝撃と恐怖」の地政学
最初に『オブザーバー』誌に書かれた記事の引用から始めたい。
(引用開始)
「9.11から 1年、我われはまだ、あの有名な火曜日についていったい誰から攻撃を受けたのか、その真の目的が何だったのかを知らされていない。だが自由を愛する多くの人々にとってきわめてハッキリしていることは、9.11が我われの脆弱な権利章典と自慢の政治システムを終わらせたということだ。それらはすでに前の年、致命的な打撃を受けている。連邦最高裁判所が一般選挙で大統領に選ばれたアルバート・ゴア候補者を、チェイニーとブッシュの石油政権に置き換えたときに。
今のところ、日々不可解さを増していく我われの政府は、世界中であらゆる企てを遂行している。だが我われ下々の国民がそれらを知らされることはない。それでも我われは、なぜ 9.11の前に警告を受けなかったのかという疑問について、いくつかの答えを得ている。警告はあった。ほぼ一年間我われは、2001年9月のあるとき上空に好ましくない訪問者があるだろうと告げられていた。メーデーにはプーチンとムバラク、そしてFBIの一部からも警告があったが、政府はその情報を我われに伝えることも、我われを守ることもしなかった。
とくにこの問題については、ナフェーズ・モサデク・アーメドのレポートがバランスの取れたものであろう。アーメドは政治学者であり、人権、平和、正義を促進するためのシンクタンク「政策研究開発協会」の会長を務めている。もちろんアーメドが政府系筋の一人だということは承知している。彼の著書『自由への戦い“The War on Freedom”』は先頃アメリカで、小さいが定評のある出版社から刊行された。そこに書かれているアフガン戦争に向かうことになった理由は、政府の説明とは一致していない。その情報源の多くは、進んで証言をしてくれたアメリカの密告者たちで、たとえばFBIの捜査官等から得られたものだったりしたようだ。
それによると彼らは、アルカイダがニューヨークとワシントンに「カミカゼ攻撃」を企てていると上官たちに進言したが、それをおおやけにすれば国家安全保障法を適用されるだろうと脅されて、くちをつぐんでいたのだった。それら捜査官のなかには、下院司法委員会の主席調査顧問デビッド・シッパーズに連絡を取った者もいた。シッパーズは下院において、クリントン大統領の弾劾に成功した堂々たる経歴をもっている。もしもイラク戦争が悪く転んでいたら、ブッシュに対して同じ勤めを果たしていたのは彼だったかもしれない。罪状は、タリバンに軍事攻撃を仕掛けるために、我われの2つの都市に対する差し迫った攻撃について、国民にそれを警告しなかったことだ」
(引用終了)
上記の記事は、アメリカの最も影響力のある作家ゴア・ヴィダル氏が、2002年10月27日付け『オブザーバー』紙に書いた記事からの抜粋である。2000年9月9日、ブッシュは国の安全保障に関する大統領指針の草稿を提示されていた。それはアルカイダをターゲットとする軍事、情報に関する世界戦略のアウトラインで、戦争の脅威を≪武器≫としたものだった。
NBCニュースによると、「ブッシュ大統領はアルカイダに対する世界戦略戦争について詳細なプランの承認を求められていた。だがそのテロ攻撃以前には、承認の機会がなかった」と伝えている。ということは、ブッシュには承認するつもりがまるでなかったのだろうか。それともその指針は前々からあらかじめ用意されていたけれど、アメリカ国民に抵抗なく受け入れさせるためには、何かの衝撃的な事件が必要だと考えられていたのだろうか。そしてまったく偶然にも9・11世界貿易センター同時多発テロが起きて、結果的に最高のタイミングになる状況が出来上がったにすぎないということなのか。たまたまNBCニュースが伝えた戦争プランは、9月11日以降実施されたプランと本質的に瓜二つである。だから政府があれほど迅速に対応できたのは、すでに出来上がっていたものをただ実行するだけでよかったからである。まるで身内に神様の親戚でもいるみたいに、あまりにも話がうまく出来すぎている。
おそらく世界貿易センターへの攻撃は十分に予測されていて、完全なアフガンへの報復の準備がなされていたにちがいない。それ故になおさらのこと、アメリカ国民に、その危機の真実だけは絶対に伝えるわけにはいかなかったのだ。こんなことが本当に許されていいのだろうか。ここで2001年9月18日のBBCニュースから引用してみたい。
「元パキスタン外相ニアズ・ナイク氏は7月中旬、アメリカの高官たちから、10月中旬までにはアフガンへの軍事作戦を開始すると告げられた。ナイク氏の見解によると、ワシントン政府は、たとえタリバンがただちにオサマ・ビンラディンの引渡しに応じても、アフガンへの攻撃を変更する予定まったくはなさそうだった」
2002年初夏『タイム』誌は表紙にオサマ・ビンラディンの写真を掲載して、「なぜ彼は見つからない?」とキャプションを付けた。確かに、それは世界中で誰もが不思議に思っていることだった。まったく霧のように地球上からとつぜん消滅してしまっていたからだ。もしかしたらオサマ・ビンラディンは魔法使いで、その魔法の杖をひとふりして、自分の姿を透明人間のように見えなくしてしまったのだろうか。
もちろんその気持ちはわかるけど、そんな筈はないのだ。とすると、考えられる結論はこういうことだ。要するに、見つけたくないのだ。オサマ・ビンラディンが見つかってしまうと、せっかくのテロに対するアメリカの世界規模での戦略が、すべて台無しになってしまうからだ。だから前にも触れたように、タリバンがオサマ・ビンラディンの引渡しをほのめかしたときに、アメリカはそれを無視したのだ。オサマ・ビンラディン逮捕は、あくまでも「テロ戦争」のスローガンであって、実際に彼を逮捕するつもりはまったくないのだ。少なくとも「テロ戦争」のキャンペーン中の今は。
オサマ・ビンラディンのおかげですべてのアメリカ人に恐怖を与えることができたために、合衆国憲法も権利章典も完璧に無視することが可能となったのだ。だがもしビンラディンが見つかってしまえば、「テロ戦争」の裏に隠されたアメリカの意図が見透かされてしまうことになる。ふむ、アメリカの「テロ戦争」の隠された意図?…
それについて国家安全保障担当元大統領補佐官ズビグニュー・ブレンジスキーは1997年、外交評議会のための論文『21世紀の地政学ゲーム“ Grand Chessboard American Primacy and its Geostrategic Imperatives”』(山岡洋一訳・日本経済新聞社刊)で語っている。簡単に要約すると、ブレジンスキーのマスタープランは、アメリカの軍事的覇権が中央アジアを通じて全ユーラシア大陸へと及び、それがしっかりと固められることを思い描いていた。もちろんチェイニー・ブッシュ石油政権からとくに強力な支持を得ていたことはまちがいない。
しかしそのためには最高度の軍国主義化と、それに対する前例のない国内支持とコンセンサスを創造しなければならなくなる。そのためには何が必要なのか……そして9・11同時多発テロが起きたのだ。
いったい9.11テロの起こされた目的は何だったのだろうか?元大統領補佐官であるブレジンスキーが唱える「ユーラシアを制するものは世界を制する」という理論に影響されたネオコンたちは、口癖のように「アフガニスタン(ユーラシア大陸)はすべての資源の入り口だ。我われはそこを制するために戦う」と言っていたようだ。どうやら、すべては その辺 にあるようだ。
イラク先制攻撃の真の意味
国連の資料によると、1996年12月から2003年3月までイラクが輸出した石油は34億バレルで、約650億ドルに相当している。その内の2.2%が国連経費、0.8%が国連の武器査察に割り当てたことになっている。共同通信によれば、開戦前に国連要員が撤収したことから業務が中断し、さらにフセイン政権崩壊で石油管理者が不在となったため、イラクへの輸送を待つ物資は100億ドル規模に上るとしている。また実施期限である2003年6月3日までに輸送される見通しが固まった物資は約5億5000万ドル相当にとどまっており、「国連が管理する口座」には使途が決まっていない資金32億ドルが保管されている上、70億ドル相当の石油売買契約がすでに認可されているとしている。
ここで問題になるのは「国連が管理する口座」である。国連発表によれば、やはり「国連が管理する口座」とは、パリ国立銀行(BNP)ニューヨーク支店であった。パリ国立銀行、つまり2000年5月にパリ国立銀行とパリバが合併して誕生したフランスを代表する大手銀行はBNPパリバが管理しているのである。しかも実際はドルではなく、なんと一部はユーロで管理されているという。
2001年10月、フセインは、原油代金をアメリカのドルではなくユーロで受け取ると言いはじめる。もし認めなければ原油輸出を止めると国連を脅したため、国連安保理のイラク制裁委員会はこれをやむをえず承認することになる。もちろんその背後にはドイツ・フランス等の欧州主要国の働きかけがあったらしく、ユーロ相場を拡大したい欧州勢と、その欧州勢を後ろ盾とすることでアメリカを牽制しようとするサダム・フセインの思惑が一致した結果の行動と思われる。
今まで原油取引はドル建てが既定事実となっていたのだ。ドルこそが世界の基軸通貨であり、基軸通貨であるからこそアメリカがどんなに赤字を垂れ流そうが、世界のすべてのマネーが最終的にアメリカに還流してきたのだ。それ故にソフトパワーとしての経済・金融戦略をアメリカの好きなように仕組むことで、世界からお金を強引に略奪してくることができたのだ。
だから、もしアメリカのドルが世界の基軸通貨でなくなる危機があるとしたら、どんな手段をとってもそれを阻止しなければならない。それがアメリカの国益であり、パックス・ロマーナの正当な継承国であるパックス・アメリカーナ(アメリカの支配によって保たれた平和)の存在意義そのものなのだ。
その体制に風穴を開けようとしたのがサダム・フセインなのだ。かつて日本の優れた政治家田中角栄が日本独自のエネルギー・ルートを持とうとしてその政治生命を謀略によって奪われたように、サダム・フセインもまたパックス・アメリカーナの虎の尾を踏んでしまったようだ。
もちろんフセインを裏で動かしたのは欧州のフランス・ドイツ等であり、もしかしたロシア・中国も絡んでいたかもしれない。
とはいえアメリカは、フランスやロシアや中国には沈黙している。なぜならイラクは『悪の枢軸』ということになっているが、本当はとるにたらないくらい弱い国であることは、専門家の間ではもはや常識である。大量破壊兵器どころか弱いことが証明されていたからこそ、アメリカは一気に攻め込んだのである。フランスやロシアや中国とはぜんぜん違うのである。真実は常にそういうものなのだ。
話を元に戻すと、フセインがメディアの言うようなテロリストではなく、パックス・アメリカーナに対するレジスタンスとして振舞うことで、ついに風穴をあけたユーロ決済によるドルへの挑戦は、その後サウジアラビア、インドネシア、マレーシア等にも波及することになる。国連の管理銀行がBNPパリバであったことを考えると、国連と欧州勢は、協調しながら≪ドル・ユーロ2極体制≫実現に向けたしたたかなエネルギー戦略として、やはりサダム・フセインの石油を利用した可能性が高いようだ。
「古い欧州」の逆襲
ブッシュ大統領の2002年の一般教書演説で、イラク・イラン北朝鮮を「悪の枢軸」と定義したが、ロシア、中国、日々拡大するEUに対して向けられた「ユーラシア封じ込め」的な牽制とも考えることができる。世界の運命を制する「ユーラシア・バルカン(カズフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア、アフガニスタン、トルコ、イラン)連合」の出現は、これまでのパックス・アメリカーナを揺るがしかねない。そんな事態だけは何としても避けなければならない。
それでブッシュ大統領による、時には先制攻撃も辞さないというブッシュ・ドクトリン(2002年9月に発表された新国家安全保障戦略)によって強い決意を世界に向かって表明し、「悪の枢軸」のひとつであるイラクに、日替わりメニューの戦争理由をかかげて攻撃を仕掛けたのである。
アメリカのイラク先制攻撃と占領は、アメリカのドル・石油体制を保障する石油のメイン・ストリームである中東地域を、もう一度EU、中国、ロシア等のユーロ決済シフトから奪回することが目的であり、それと同時に、北朝鮮の核危機を過剰に演出することで、EUの中国、韓国、日本への拡大に楔を打とうと企んでいる。ビンラディンやフセインのように、北朝鮮の金正日にも「悪の枢軸」としての役割を演じてもらうことによる長期的な緊張の維持こそが、アメリカの北東アジア覇権戦略の要であり狙いなのだ。
ということは、日本の拉致問題や北朝鮮問題を解決するには、アメリカ主導では永遠に解決しないことになる。そのアメリカによるアジア分断戦略を意識しながらも、EUや国連をいかに巧みに引き込んでくるかが、日本の政治的ターニング・ポイントとなる。しかしそのことを理解するには、小泉首相の思考回路は、あまりにも幼稚すぎるようだ。
欧州連合は2004年5月、東欧諸国などを加えた25カ国体制により、ついに総人口約4億5000万人の大欧州に生まれ変わる。ラムズフェルド国防長官のあの有名な発言、フランス、ドイツ、ベルギー等を「古い欧州」と決めつけ、イラク戦時にアメリカ支持にまわった中東欧諸国を「新しい欧州」として贔屓した発言は、まさにアメリカによる前もっての大欧州連合プランの分断戦略に他ならない。「米国の力を凌駕しようとする潜在的な敵国は、思いとどまらせる」というブッシュ・ドクトリンの対象に、拡大するユーロ通貨圏欧州がしっかりと入っていたのだ。
BNPパリバの2002年度版アニュアル・レポートによれば、先ほども書いたように、国連が管理するイラク口座の管理銀行はフランス最大手のBNPパリバであり、フランス・ドイツ・ベルギーの連合体である石油メジャー・トタルとBNPパリバは、2人の人物が両方の会社の取締りを努めており、2件の取締役兼任で結合している。そして両社ともフランスを代表する企業である。さらにBNPパリバはドイツ・ドレスナーバンクや大手保険アクサとも結合している。
それとまったく同じ構図が、イランにもあてはまるようだ。2002年7月10日、総額5億ユーロ(約600億円)のユーロ建て国債を発行した。1979年のイスラム革命以来、初めての外貨建て国債の起債になり、このときの幹事銀行は、ドイツ・コメルツ銀行とBNPパリバが務めたのである。
もちろんこの計画を知ったブッシュ政権は、アメリカ格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスに圧力をかけ、6月にはイランが発行する国債への格付けを取りやめさせる事態となっており、イラン外務省は、ムーディーズに圧力をかけたとして、アメリカ政府を批難する声明も出している。
そして重要なのは2002年8月に、英ファイナンシャル・タイムズ紙が報じた「サウジマネー大流出」のあの衝撃的記事が全世界のメディアに流れたことである。サウジの個人投資家が、総額4000億から6000億ドルとされる対米投資の内、1000億から2000億ドルを引き揚げたと報じた。米国離れした資金は本国に回帰したが、その後かなりのマネーがユーロにシフトしたと思われる。
9.11同時多発テロの後、アフガニスタンが爆撃によって瓦礫にされた結果、ユニオン・オイル・オブ・カリフォルニア(ユノカル)は棚上げになっていたトルクメニスタンからアフガニスタン、パキスタン、そしてインド洋へ出るカラチ港へと続くパイプライン建設計画は、石油政権(ブッシュ=チェイニー)がユノカルのジョン・J・マラセカをその新しい民主主義国家に派遣したおかげで、決定事項となっている。そして、その国の新しい大統領ハミド・カルザイは、かつてユノカルの子会社で働いていたことはもはや有名である。
そんな具合にユノカルが思いを遂げると、ブッシュ=チェイニー石油政権は、アフガンニスタンでの政治的、軍事的インチキを何とか隠しおおせると、アメリカ人の心から9・11同時多発テロの記憶が消え始める前に、焦点をサダム・フセインに合わせた。ここでもう一度作家ゴア・ヴィダルの鋭い指摘を引用してみたい。
(引用開始)
『アフガニスタン包囲網が完成したと見て取ると、石油政権はその外交と軍事が絡み合った企てをなんとか隠しきって、唐突にも、悪の権化をオサマからサダムに置き換えた。この置き換えを説明するのは難しかった。なぜならイラクと9.11とのつながりは何もなかったからだ。幸いにも、“証拠”は今作られている。それは骨の折れる仕事になるだろう。マスコミは「イラクの膨大な富は――自由世界のために――アメリカとヨーロッパの石油産業に再委託されるべきだ」と唱えて、その仕事をさらに難しくしている。 ブレジンスキーが予測したように、“大規模かつ直接的で広く認知されうる外的脅威”が、大統領が議会の前で戦争を正当化するのを可能にした。彼は嬉々として「長い戦争」と叫び、戦いの相手を「悪の枢軸」という不可解な名前で呼んだ。議会は宣戦布告して彼に戦争の許可を与えたわけではなかったが、彼はオサマを追跡する許可を与えられた。オサマは今、イラクに潜んでいるかもしれないという』
(引用終了)
こうした背景と身勝手な物語の創作によって始められたイラク攻撃は、フランス勢率いる「古い欧州」と国連が主導する中東地域での「ユーロ・ドミノ化」を、なんとしても阻止するために、アメリカが力ずくで行使したと考えられる。もちろん国連と「古い欧州」を敵とみなしたのは、ラムズフェルドをはじめとするネオコンと軍需ビジネスに多く存在するネオコン同調者たちなのだ。
ブッシュ・チェイニー石油政権の新たな犠牲者
世界的な英経済誌ファイナンシャル・タイムズは2003年6月26日、日本の企業連合が長年交渉を進めてきた総額20億ドル(2400億円)の大型プロジェクトであるイランのアザデガン油田開発計画で、アメリカ政府が日本に計画から撤退するように圧力をかけている、と報じた。アメリカ政府当局者らの話として伝えたもので、ライス大統領補佐官が日本政府高官と接触し、今月中旬にはカンボジアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(AFR)の際、パウエル国務長官が川口順子外相と会談し、見直しを持ちかけた。またアミテージ国務副長官もワシントンの駐米大使に同様のメッセージを届けたようだ。
さらに外務省筋の話として、「米国はこの問題を深刻に受け止めている。日本がアメリカの懸念表明を押し切って契約に踏み切れば、日米関係にも影響がでるかもしれない」と指摘したと報じている。これは明らかに脅しである。つまり、アメリカが、核開発やアルカイダへの支援が噂されるイランへの圧力を強めるなかで、いちばん最初の犠牲者に、イラク戦をいの一番で指示したポチ小泉首相の国日本が選ばれたのである。やはりそういうことなのだ。つまり、脅せばすぐに震え上がる相手こそ、なお更最初のターゲットに選ばれるのである。
イランは、世界5位の石油埋蔵量と世界第2位の天然ガス埋蔵量を有する資源大国である。日本は、輸入原油の約12%をイランから購入してきたし、またイランにとっても日本は最大の原油輸出先でもある。とくにイラク南西部にあるアザデガン油田は、イラン最大級の油田であり、確認埋蔵量は約260億バレルとされる。2000年のハタミ大統領訪日時に両国間で交渉開始に合意し、2001年7月、平沼赳夫経済産業相がテヘランでハタミ大統領と会談し、開発の早期契約に向けて合意した。( 参考記事 )
しかしイラクの核開発への疑惑をあおっている立場のアメリカ政府は、2003年6月25日、国際的な圧力を強める一環として、「イラン・リビア制裁強化法」の海外企業に対する適用を強化する方向で検討を開始した。イラン・リビア制裁強化法(通称ダマト法)は、イランとリビアの石油・ガス部門に年間2000万ドル以上投資する外国企業に制裁を科すアメリカの法律であり、1996年8月に成立した。
このイラン・リビア制裁強化法で動きの取れないアメリカ石油メジャーを尻目に、日欧企業がイランに投資攻勢をかけてきた。フランス・ベルギー・ドイツの連合体である石油メジャー・トタルは、カスピ海からイランの湾岸に抜けるガス・パイプラインの建設を検討、伊ENIも油田開発に調印している。また中国もイランでの資源開発に意欲的な姿勢を見せていて、アメリカメジャーはかなりヤキモキしていたようだ。
ただ現時点では、イランへの武力行使はまだ有り得そうもない。どちらかといえば、イラク占領やフセイン拘束を見せしめにしつつ、ブッシュ・チェイニー石油政権は、ライス大統領補佐官等がそのつど強行発言を繰り返しながら、イラン、あるいは北朝鮮への「封じ込め戦略」を強化しつつ、揺らぎはじめたパックス・アメリカーナの修復を目標とすることになると思う。その脅しの見せしめキャンペーンとして、まず日本のアザガデン油田開発が選ばれたわけなのだ。
最後に、ブレジンスキー元大統領補佐官が2003年11月に外交評議会でおこなわれたインタビューでの発言を、一部抜粋して引用してみたい。
「アフガン、イラクでの勝利を経て、世界規模での軍事展開能力を持つ唯一の国がアメリカであることが実証された。軍事力を信頼できる形でグローバルに展開できる国は他にはない。しかし、世論調査、諸外国政府の反応、アメリカ人ジャーナリストの外国からの反応、いかなる指標をもってしても、今日のアメリカは国際的な信頼を失っている。イラクが大量破壊兵器を保有していると詳細に説明したにも拘らずいまだに発見されないために、世界の他の諸国がアメリカに寄せていた信頼が失われてしまった。これはアメリカの世界での役割を大きく損なう深刻な事態である。
現在のアメリカの外交政策は共和党内の極端な見解、つまりは、キリスト教原理主義といわゆるネオコンの戦略観に支配されている。彼らの最近の政策路線、政策を説明する際に使用されるボキャブラリー、テロという特定の問題にばかりこだわる姿勢は、アメリカが本来世界で果たすべき役割を大きく損なってしまっていると考えている。これは危険な兆候である… 」( 引用記事 )
今世界は限りなくその臨界に近づいてきているような気がする。日本の真珠湾攻撃のときの「特攻隊」を真似てイスラム過激派はパレスチナ奪還のために「自爆テロ」を繰り返し、いまアメリカもネオコンに乗っ取られて、もしかしたら世界に向かって「自爆テロ」を繰り返しているのかもしれない。そのアメリカに小泉首相は嬉々として追従し、「テロに屈しない」のセリフのために、イラクの地に自衛隊派遣を強行して「自爆テロ」の標的にしようとしている。
あぁ、もう言葉が出てこない…