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[35855] 「イラク復興支援派遣航空輸送隊」編成完結式・隊旗授与式における訓示(全文)その1
投稿者:かすみ 投稿日: 12/26 Fri 23:54:01 [ID:1QucicR9m2o]削除
先の投稿に対し、公平を期すため全文を掲載します。大量のデータで済みません。引用元は防衛庁のホームページです。
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イラク復興支援派遣輸送航空隊等派遣行事における石破防衛庁長官訓示(聞き取り)
本日、イラク復興支援派遣輸送航空隊等の派遣行事を行うにあたり、隊員諸官に対し防衛庁長官として一言申し述べます。
今般、諸官に対しこの任務を託すにあたっては、我が国の国益の観点からも、歴史上の意味においても、極めて重要な意義があります。今回日本国として決断をするに至ったのには、以下申し述べる理由があると考えます。
第一に、イラクにおける主要な戦闘の終結後も大きな困難に直面しているイラクの弱い立場の人々の願いに応え、その幸せを実現するということであります。
第二に、自由・民主主義そして人権という、我々がこの上なく重要と考える価値観を守る、ということであります。
第三に、「国防の基本方針」にも記されているとおり、国連の主要な加盟国としてその要請に具体的に応える、ということであります。
第四に、国民生活を支える、という日本国にとって直接の国益を確保する、ということ、そして第五には、我が国にとって唯一の同盟国である米国との信頼関係をさらに密にし、我が国の独立と平和の確保に資する、ということであります。
まず、イラクの人々に対する支援についてであります。サダム・フセインの圧政から解放されたにもかかわらず、未だにイラクでは民生が安定せず人々は不安と困窮の中に暮らしています。食料がない、水がない、仕事がない、学校に行けない、不衛生で病気になっても病院がない、医者がいない。廃墟の中から立ち上がり世界主要国の一員となった我が国が、世界に誇る文明と潜在的な経済力を有するイラク国民に手をさしのべるのは、他の国にはなしえない意義を有しております。
第二に、自由と民主主義、そして人権をすべて否定するテロに対し、我が国として毅然たる姿勢を具体的に示す、ということであります。善意や良心などなんらの関係もなく、無差別に攻撃を加え、恐怖の連鎖を発生させることにより、その目的を達しようという、弁護の余地ないきわめて卑劣な憎む行為がテロであります。これは、自由と民主主義を至上の価値とする我が国に対する挑戦でもあります。犠牲になるのは無辜の民間人であり、恫喝によってその意思を強制しようとするものに対し、我々は国連決議に応え、自由と民主主義そして人権の尊重という共通の価値観を有する国々とともに立ち向かうのは、国連の主要な加盟国である我が国として果たすべき責務と考えます。
我が国の国益の確保という点について、申し上げます。我が国は、中東地域に石油の九割を依存し、その石油の安定供給こそが我が国国民の生活を支えております。九割という比率がいかに高いものであるかは、諸外国と比べたときに歴然としております。仮にイラクを含む中東地域がさらに不安定となり、石油の安定供給が行われず、石油が戦略物資と化したときに、我が国国民経済が極めて大きな打撃を受けることは明白であります。我が国の産業は工業のみにとどまらず農業においても、漁業においても、あるいは文化生活においても、すべて石油の安定供給があって初めて成り立つものであります。中東地域の安定こそがまさに我が国国民生活のためであり、現在米英を含め三十七カ国がイラクに部隊を派遣している中で、中東地域の安定は諸国の努力によって達成してもらいたい、安定した後の利益は日本が享受する、などという姿勢が国際社会において決して通用するものではないということを私は強く認識をしております。
最後に、米国とのさらなる連携であります。合衆国は、日本にとって唯一の同盟国であり、日本有事には必ず来援するとの条約を締結しているたった一つの国であります。このような米国に対し我々が出来うる範囲で協力することは、同盟のさらなる強化につながり、我が国の安全保障体制をより強固なものとすると考えます。
(つづく)