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奇妙な朝日の記事、そしてJI、ハンバリ、アルファルクについて。CIA、スハルト・・・
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/339.html
投稿者 FakeTerrorWatcher 日時 2003 年 12 月 24 日 21:06:53:ctKRGOvG/DIEQ
 

(回答先: 「イラク人殺せば報復」バアシル被告、自衛隊派遣を批判 (Asahi.Com) 投稿者 ああ、やっぱり 日時 2003 年 12 月 24 日 10:36:57)


 「ああ、やっぱり」さんに紹介頂いた朝日記事はタイトルで<「イラク人殺せば報復」バアシル被告>としていますが、そもそも読めばどこにもバアシル被告はそのようなことは言っていません。次の言葉をあたかもバアシル被告が報復をほのめかしたかのように表現したのでしょう。

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>米英などのイラク攻撃と占領統治について、同被告は「フセイン元大統領は直接米国に危害を加えたわけではない。米国の本当の目的はイスラムへの攻撃だ。日本が米国に協力するのなら、イスラ ムを敵に回すのと同じだ」と、イスラム過激派の論理を展開した。
 さらに「人道的援助で知られる日本は、それだけをすべきだ。ビンラディンは警告しただけだと思う が、もし自衛隊がイラク人を殺すような事態が起きた場合は、報復が起きるだろう」と続けた。
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 そして「フセイン元大統領は直接米国に危害を加えたわけではない。米国の本当の目的はイスラムへの攻撃だ。日本が米国に協力するのなら、イスラ ムを敵に回すのと同じだ」という言葉を「イスラム過激派の論理」だと。
 記者はバアシル被告について次のように記すことも忘れていません。

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>当初、自らが指導者とされた、アルカイダとつながりがある東南アジアのテロ組織「ジェマー・イスラミ ア(JI)」については、「エジプトにはあるが、インドネシアにはない。米治安機関の創作だ」と述べた。 だが、JIの創設者とされる故アブドラ・スンカール氏については「(ともに治安当局に逮捕された)70年代末以来の戦友だ」と言明。JIの作戦司令官とされ、タイで拘束されたハンバリ容疑者についても「マレーシアに逃亡していたときの隣人だ」と
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 しかしこれも奇妙です。アブドラ・スンカールは死亡、逮捕されたことになっているハンバリは実はどこにいるかわからない、そんな二人との関係をもってバアシルのJI存在否定を打ち消す証拠であるかのように指摘しているのです。バアシルが存在しないと主張しているJIの創設者と言われるすでに死亡した人物と、バアシルが戦友だと表明したことがどうしてJIの存在証明になるのでしょう。

 ねぼけているようなこの朝日の記者の努力のかいあってか、日本ではJIの存在がもはや「定説」となっていますが、実はアメリカがJIという組織を打ち出したのは、ごく最近のこと。
 次のサイトにおいて、地球の果てまでテロリストを追いかけると言っていたアメリカが、JIをとってつけたように唐突にバリ爆破後に持ち出したことを弁明しています。知ってはいたけど、インドネシア近辺の情勢に「アメリカが配慮」して出さなかっただけだ、と。

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Why hadn’t the United States designated Jemaah Islamiyah a foreign terrorist organization before the Bali bombing?
http://www.terrorismanswers.org/groups/jemaah.html
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 これは朝日もリンクする「権威ある」CFRのサイトです。朝日の記者が、JIの存在を奇妙な論理を気にせず主張しているのはこうしたことも関係するのかもしれません。
 
 それではもう少しJI、ハンバリについて触れてみましょう。

 まずは次のサイトから。ハンバリは1970年代、スハルト政権下、ムルトポが指揮した特殊工作部隊の工作員と。

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「As the noose tightens on Hambali, security authorities also expect to uncover a series of links back to covert operations conducted by former intelligence czar General Ali Murtopo in the 1970s in the interests of the Suharto regime.」
「The source says that in the 1970s Hambali was a Special Operations (Opsus) plant into Jemaah Islamiyah. He was given the codename G-8 and tasked with building the financial structure of Jemaah Islamiyah.」
http://www.laksamana.net/vnews.cfm?ncat=48&news_id=4423
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 実はハンバリは、東チモールの一件はおろか(キッシンジャーがらみのこの話も、キリスト教とイスラム教の単純な宗教対立と伝えられています・・・)国内抵抗勢力抹殺で活躍した特殊工作員であるというわけです。
 これはデマなのでしょうか。
 ちなみにハンバリは、同じくアルカイダリンクの証明に用いられているカリド・シェイク・モハメド同様、拘束されている場所はわかりません。逮捕に対してアメリカから懸賞金が支払われたことが報じられています。

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US quiet on Hambali whereabouts
http://www.abc.net.au/news/newsitems/s925523.htm
US denies Indonesia access to Hambali
http://www.smh.com.au/articles/2003/09/21/1064082867811.html
ハンバリ逮捕に協力したタイにアメリカから褒賞金一千万ドル
http://www.ntt.ocn.ne.jp/news/data/20030917/y20030917id25.html
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 ジャカルタではスハルト元大統領の三男がらみの連続爆破テロが起きていましたが、JIの国際デビューとなるバリの一件以来、スハルト関係者には幸運にも、こうした話は雲散霧消。
 先日の夕方、たまたま車で移動中NHKラジオを聞いたら、解説の記者が、「かつてはJIの存在が広くは知られておらず、政府の関与も疑われたこともありました」と上の記事のような話を否定していました。その記者もやはりJIは絶対のような口ぶりでした。スハルト一家もJIに救われたのですね。

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『ワヒド大統領:爆破テロでスハルト元大統領3男の逮捕を指示』
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200009/15/0916m024-300.html
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 JIを語る際に欠かせないのは、JI「定説」の大元になった証言を行ったアルファルクという男。しかしその男とはどのような男かというと次のような感じ。

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Omar Al-Faruq Recruited by The CIA
http://www.tempo.co.id/news/2002/9/19/1,1,25,uk.html

http://fps01.plala.or.jp/~searevie/new_page_13.htm
「問題はこれら過激派グループがインドネシアの退役将軍などの軍関係者やスハルト体制を支えてきた政治家とかなり密接なつながりがあるということである。
 先に逮捕され服役中のスハルトの3男トミーが過激派指導者を刑務所に呼んで密談したことは、本項2においてお知らせしたとおりだが、スハルトの次女の婿であるプラボオ元中将(故スミトロ博士の子息)もKISIDIグループと深いつながりがあることで知られている。
 世上にはプラボオは妻と別居しており、スハルト一族とは関係が切れているなどという情報がながされていたが、スハルトの長男シギットの娘の結婚式にはちゃんと出席している。
 2000年12月24日に起こったジャカルタとバンドンの爆発事件はJIのマレーシア組織に属するHambali と言う人物が黒幕だったと、実行犯のTaufik bin Abdul Halim(別名Dani)は告白している。タウフィクはアンボン(Ambon)からスラバヤ経由でジャカルタに入り、アンボン人のグループと合流したと述べている。(Tempo9月24日号)」

「ということはアンボンでキリスト教徒と紛争を起こしてきたグループがジャカルタの爆発事件の実行犯一味であったことを意味している。アンボンのイスラム武闘派はインドネシア軍の特殊部隊(プラボオが元司令官)との関係が取りざたされていた。
 また、フィリピンで爆発物所持で逮捕され、10年の禁固刑を言い渡されているインドネシア人のAgus Dwikamaはバアシルの組織に属していた。アグスが5月にフィリピンで逮捕された後に、彼の携帯電話の通話記録からアル・ファルクが浮かび6月の逮捕につながった。
 アル・ファルクはバアシルが1999年のイスティクラル・モスク爆破も計画したとのべている。一方、バアシルはアル・ファルクとは面識がないと主張している。その他のJIの幹部もアル・ファルクについては知らないといっている。
 アル・ファルクの自供のなかでかってメガワティが大統領になる前に、2度にわたり暗殺を試みたが失敗したと述べている。このストーリーはおかしいといいうのがインドネシアのおおかたの識者の見解で、アブ・ファルクはCIAの手先だったのではないかという説もでている(元情報局幹部DR.A.C. Manullang, Tempo 10月2日号インタビュー)」
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 さてさて、JIとは一体何なのでしょう。バアシル被告とは何者なのでしょう。次ではJIが政府にリンクしていると。そしてバアシルはJI武闘派から疎外されていたと。もしこれが正しいとしたら先の朝日の言った「過激派」というのは一体何を指すのでしょう。

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http://fps01.plala.or.jp/~searevie/new_page_4.htm
「12月11日付けでICG(International Crisis Group http://www.crisisweb.org )が公表した「Indonesia Backgrounder: How The Jemaah Islamiyah Terrorist Network Operates=インドネシアの背景;ジェマー・イスラミアのテロリスト・ネットワークの活動状況」によれば、JI系のイスラム過激派爆弾屋集団 はインドネシア軍情報部と特殊部隊にホット・ラインを持っていたことが関係者の証言から明らかになった。
 このなかでICGは関係者へのインタビューと過去からのデータに基づきJIグループのなかの武闘派 (アブ・バカル・バアシルは彼らからは疎外されていたようだ)の活動について、2000年のクリスマス・ イブにインドネシア全土10数箇所でほぼ同時刻に起こった教会爆破事件にスポットを当てながら主に人の動きを中心に解説している。」
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 ともあれJIを軸にした東南アジア、アルカイダネットワークという誰でもわかるシンプルな定説には大きな疑問がつきまとい、日本の朝日を含むメインストリームメディアは疑惑については一切伝えておらず、アメリカ国務省発表の枠組みに乗った単純明快な定説を繰り返してなぞっているだけなのです。
 私にはハンバリの逮捕はそのような疑問を覆い隠す格好のイベントだったように思えてなりません。

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