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(回答先: トルコを甘く見ていました - ロシアへはグルジアを経て地続きの不快要因か 投稿者 ぷち熟女 日時 2003 年 12 月 12 日 21:48:04)
ロシアは、資源大国であるとともにロシア正教と共産主義がないまぜになった価値観を基底とし、その周辺にムスリムが多数派の地域を抱えています。
共産主義(ロシア革命)が曲がりなりにも受け入れられた要因として、ロシア正教とミール共同体的相互扶助意識を無視できないと思っています。
ピョートル大帝以降の「西欧化」に“彼ら”の策動があったかどうかはわかりませんが、それがロシア人の価値観にすんなり受け入れられるものではなかったことは確かです。
明治維新後の日本のように、国民にすんなり受け入れられなくとも新しい価値観の醸成をはかりながら海外権益拡大に成功すればなんとかなったんでしょうが、ロシアは、前近代の統治構造のまま「近代化」を進め、中央アジア方面では英国と衝突し極東アジアでは日本に敗れ、最後は隆盛著しいドイツと戦火を交え多大な犠牲を強いられました。
その結果を受けての“彼ら”の策動が、ロシア革命です。
その後も、ナチスドイツとの死闘をなんとか生き残ったかと思えば、そのまま続いて「冷戦構造」に置かれるという始末です。
地政学で世界のハートランドとされるユーラシア中心部を占めるロシアは、いい目に会うことがない「近代」を歩み続けたと言えます。
(中国も似たり寄ったりですが、ロシアに較べれば政治能力に長けているのでまだましでした)
“彼ら”は、いわゆる先進諸国の経済的行き詰まりと来る「対イスラム戦争」に向け
、ゴルバチョフを使ってソ連を共産主義から脱却させる選択をしました。
次には、エリツェンを使って、ソ連の解体をはかるとともに自由主義経済(党官僚による国有資産の奪取と資源権益への外資のアクセス)に移行させます。
しかし、ご存知のように、国民生活をずたずたにし「亡国」を予感させるエリツェンの手法は、民族派やネオ共産党の強い反発を招き、“逆行”の恐れがちらつくようになりました。
それでお役ご免になったエリツェンにとって代わったのがプーチンです。
プーチンは、資源収入を使いながらの“国家社会主義”的政策でロシアの統合と一体性をなんとか回復することに成功しています。
プーチン自身は“彼ら”の意に添う統治者ですから、ロシアが直接どうのということはありませんが、中央アジアのイスラム地域に“彼ら”の意を受けた米国が手を突っ込めば、そこを支配地域であり防波堤だとも思っている民族派やネオ共産党は不安と怒りを募らせることになります。
経済がうまくいっている間は問題化しないでしょうが、経済的困窮と米国の動きが同時的に進めば、民族派やネオ共産党と軍部が結びついてことを起こす可能性は高いと思っています。
このような難題をどうしのいでいくのが、現在の世界で有数の政治家だと見ているプーチン大統領の“腕の見せ所”でしょう。
プーチンは、“彼ら”のエージェントだとしても、ゴルバチョフやエリツェンのようにだれだれスッポンポンのエージェントではないようです。
プーチンが有能であれば、米国に中央アジア近代化を任せ、それが終わったあとに大国ロシアを打ち出すことに成功するでしょう。
(チェチェン問題もムスリム絡みですから、米国は、今は利用していても、最後は殲滅に動くはずです)
トルコは確かに厄介な国家ですね。
中央アジアと中東の両方ににらみをきかせられる地理的条件があり、統治者と国民多数派の価値観が大きく乖離しています。
エルドアンも“彼ら”のエージェントだ思っていますが、イスラム主義者のようなそぶりをし、米国もそうであると非難していました。
米英のイラク侵攻でも、はじめから予定にない侵攻部隊を受け入れない決定をして国民や国際社会から喝采を浴びました。
イラクへの派兵も、やる姿勢を見せながらイラク側の事情を楯にやめ、かっこうをつけました。
米英があそこまでトルコを立てているのですから、今後の何かに備えているのだろうという邪推はできます。
いちばんの狙いは、エルドアン体制でのトルコの「完全近代化」(法や制度からイスラム残滓の一掃)だとは思っています。
米国がクルド人をどう処遇していくかも注視しています。
中国人よりはロシア人に期待したいと思っています。
中国人のしたたかさとエグサに較べれば、ロシア人のたおやかさと芯の強さそして相互扶助意識に親近感を抱いています。
ロシアの若き乙女たちの魅力あふれる美しさは無関係で(笑)