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(回答先: あなたに問いたい 投稿者 長壁満子 日時 2003 年 12 月 16 日 20:59:07)
長壁満子さん、はじめまして、こんにちは。
ここ(戦争板)が相応しいかどうか思いあぐねていましたが、どうやら長壁さんが好むフィールドであるらしいので、私にとってはあまり馴染みのない場所ですがやむを得ないと思いました。
さて、「長壁さんと日本共産党との経緯はどんなものだったのでしょうか。民青時代もあるのでしょうか。」と、そんな問いかけを前置しながら、民青そして日本共産党についての雑感を少し述べてみたいと考えます。
40年ほど前、私が通っていた高校の所謂社研(社会科学研究部)は地域にある大学の新左翼あるいは民青の影響を受けていました。そうした傾向は全国的にもみられたようです。私は社研の所属ではありませんでしたが、社研が主宰する月2回の読書会のメンバーでした。OBが民青に属しメンバーも民青シンパに偏っていたことから、彼ら推奨の大月書店や三一書房、労働旬報社等の書物(書名は失念しています)を中心に合評会を重ねていました。当時は民青を起点にして政治活動に踏み出していった人達も少なくなかったのです。しかし、活動の方向は個々別々でしたので、民青の諸君とは元々そりが合わず新左翼のシンパに近かった私などは早速街頭に出て行くことになったわけです。
大学に入ると左翼系でありながら全く立場を異にしていくのですが、大学時代に民青の活動家で過ごした高校の同窓生の中には今では大学で教鞭をとっている人間が何人かいます。彼らは変節もせずに相変わらず物静かな共産党員です。(余談ですが、当時は、東大・京大をはじめとする国公立の大学に民青の活動家が多かったのですが、特に首都圏では東大の次に都立大が目立っていたように記憶しています。その傾向は現在でも変化がないのでしょうか、共産党嫌いの石原慎太郎都知事による都立大の解体・再編成プロジェクトは民青の分断と壊滅を狙っているものと見ることもできましょう。)
当時の(新)左翼陣営による日本共産党批判の中心は専らその前衛論とスターリニズムにあったのですが、前者は前衛(中央)支配を革命における必要悪として容認すべきか、さらには日本共産党が革命の前衛たりうるかといった問題、後者は粛清に象徴されるソ連共産党独裁体制の暗部を突いたものです。民青との対決の場は主に自治会の覇権闘争で、とくに新左翼の学内活動が終息に向っていった70年以降彼らは大学側の手先と化して、よくロック・アウト解除などのスト破りを仕掛けてきました。その陰湿性を挙げれば枚挙にいとまがなく感情的な対立に発展していった状況を語れば限りがないのですが、この槁の趣旨にはそぐわないと想われるので詳述は避けたいと考えます。
それよりも、より根本的な批判点としては、確かに政体論のようなものはあるのだけれど、ソビエト方式を超克する共同体論ないしは共同体経営論を構築できなかったことが、その思想を国民に広く訴求していく上で致命的な欠陥になったと想っています。それはおそらくあっしらさんが指摘されているように、日本共産党がマルクス理論の剰余価値説を軸にした労働疎外論に固執するあまりに、共同体論の構想に不可欠な要件である経済状況の把握や将来を展望するための土台としての、資本主義経済原理、取り分け近代経済システムの論理を捉え損なったことに起因するとみています。(今の共産党がこの辺を押えるべく学習を重ねているのならば多少の済いがあるのですが、どうやら当事者能力をとり間違えては迷走している模様です。)
ところで、動員をかけられたときにだけ動くというように活動を長壁さんが自己規制できている場合はまだよいと思いますが、本格的なコミットメントを要請されるような状況になったときは、熟慮に熟慮を重ねて下さい。思考停止状態に陥ってオーバー・コミットメントにならぬためにも、能動的な判断停止と等閑視の分別は肝要でしょう。
阿修羅に集まり来たる諸氏の日本共産党批判に長壁さんがどのくらい適切に応じられるか判りません。また、多分まだ党籍を得て日が浅いと想われる長壁さんがそんなに無理しなくてもよいのではと思っています。誰かが語っていたように、より精緻な世界認識のためには常日頃より感性を研ぎ、論理を鍛錬していかねばならぬと。阿修羅はそれができる場であると捉えるならば、長壁さんにとっても多くの可能性が広がっていくと想います。
それから、中田久眞≠Yasuhiro Kikuchiで投稿は転載のようですから、中田久眞氏に回答を求めても徒労に終わるかも知れませんし、Yasuhiro Kikuchi氏にも返答を期待できないと推察します。私は、そのコラムについて論評はおろか反応するにも値しない代物であると一瞥するに止めました。
尚、首記の問いに関しては、長壁さんをプロファイリングする考えは如何ほどもありませんので、差し支えない範囲でご返信いただければ嬉しく思います。
また、会いましょう。