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(回答先: 銃撃状況で複数説=事実解明に全力−逢沢外務副大臣 投稿者 rand 日時 2003 年 12 月 01 日 14:59:34)
犯行の実像、いまだ不透明…2外交官殺害
【バグダッド=久保健一】誰が何のために奥氏と井ノ上氏を殺害したのか――イラク中部ティクリート近郊で発生した日本人外交官殺害事件で、犯行の実像は、いまだにつかめていない。
外務省や駐留米軍の発表と、地元警察の証言は、大きく食い違うが、事件の謎をめぐって、現場付近の情報を総合すると、殺害を目的とするテロの様相が色濃く浮かび上がった。
◆殺害の状況◆
駐留米軍スポークスマンのマクドナルド准将は、車が襲われた時の状況について「水や食料を買うため沿道の売店前に車を止めた際、小火器で撃たれた」と述べた。
だが、地元ディジュラ署の警官によると、奥、井ノ上両氏が乗った四輪駆動車は、バグダッドからティクリートに向かう道路から右側に数十メートルも入った畑の中で停止していた。買い物のためにしては不自然だ。
30日、現地を取材した本紙のソブヒ・ハッダード通信員は、事件直前に旧型のトヨタ「クラウン」が、四輪駆動車を追走しているのを見た、という住民の証言を得た。同署は、奥氏らを乗せた車は、ティクリートに向け走行中、左側を並走する犯人の車両から銃の乱射を浴び、車は制御を失い、畑に突っ込んだ、と見ている。四輪駆動車の車体の左側には30発近い銃弾の跡が残されていた。
◆所持品◆
ハッダード通信員によると、地元ディジュラ署の警官は、奥氏らが所持していた現金、パスポートなどは一切盗まれていなかったと証言した。2人が病院に搬送された際、所持品はなかったが、その後、現金は警察官が回収していたことが判明、パスポートについては、付近の部族長宅で2人のものが発見された。
部族社会では、重大な問題が発生した場合、部族長にすべてを委ねる伝統がある。パスポートが部族長の手元にあっても不自然ではない。
◆発生時間◆
外務省は米軍情報をもとに、襲撃された車は29日午後5時(日本時間同日午後11時)ごろ発見されたと発表した。だが、ディジュラ署の警官が住民からの通報で現場に駆けつけたのは、同日午後1時(同日午後7時)ごろ。
奥氏らがバグダッドの日本大使館を午前10時ごろ出発したことは確認されており、約150キロ離れたティクリートまでは通常で2時間ほどの行程であることから、車は正午前後に襲撃されたと考える方が自然だ。
ティクリートの病院関係者も午後2時前には2人が搬送されたと認めている。
◆防備◆
地元警察は、襲撃に使用されたのは、カラシニコフ自動小銃との見方を示している。事実とすれば、車の上部だけに軽防弾が施されていたとされる2人の車は、現在イラク国内に大量に出回る「ごくありふれた武器」(地元記者)に無力だったことになる。
車1台の単独行動は、故障した場合に立ち往生する点で、リスクが大きい。警備員を同乗させていなかった点でも、2人の警戒の甘さは否めない、との声もある。フセイン元大統領の出身地で反米武装勢力の拠点であるティクリートでは、一層の注意が必要だった。
一方、警備の車列を組めば、逆に武装勢力の標的になりやすく、日本側にもジレンマがあるのは事実だ。
(2003/12/1/14:17 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031201id04.htm