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(回答先: [日本人殺害]「イラク支援の戦列から退くな」(読売新聞・社説) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 12 月 01 日 05:31:14)
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/syasetu.html
恐れていたことが現実になった。
イラク北部のティクリットで二十九日、日本大使館の乗用車が襲撃され、外交官二人とイラク人運転手が殺害された。三月のイラク戦争開戦後、日本人が死亡したのは初めてである。
襲撃時の状況の把握や、複数なのかも含めた犯人像の絞り込みもできていないのが現状で、政治的な背景などの解明はこれからである。
ただ、事件が起きたのは、首都バグダッドの北約百五十キロにあるフセイン元大統領の出身地。反米感情が強く、「スンニ・トライアングル」と呼ばれる治安の悪い地域内である。
十八日には日本大使館が何者かによって銃撃され、その後、国際テロ組織のメンバーを名乗る人物が、対米協力を続ける日本やイタリアなどを名指しし、報復攻撃の標的にすると「警告」していた。
このため、政府内には、強盗などではなく、日本人を標的にしたテロ事件の疑いが強いとの見方が浮上している。
二人は日本が国際社会の一員として、人道支援をどう進めるべきか、精力的に現地を走り回ってきた外交官である。
二人が襲撃されたのは、非政府組織(NGO)も参加して行われる復興支援会議に向かう途中だった。復興に力を尽くしてきた二人の志は、暴力によって断ち切られた。彼らの無念さを思うと、憤りは募るばかりである。
テロ行為は、いかなる理由があったとしても断じて許されない。
イラク復興支援を進めていた国連や赤十字もテロ攻撃を受けて、多数の死傷者を出した。イラクに駐留する米英軍だけでなく、標的は無差別化を続け、文民が犠牲になり、無辜(むこ)の民衆も巻き添えにしているのだ。
事件を受けて、小泉純一郎首相は「テロに決して屈してはいけない」と決意を述べ、自衛隊の派遣を含め、イラク政策は変更しない考えを強調した。
政府は自衛隊の派遣を予定している南部サマワを事前調査した専門調査団の報告を受け、治安情勢は比較的安定しているとの認識を示している。
しかし、テロはいつどこで起きるのか予測がつかない。自衛隊が活動できる非戦闘地域と戦闘地域の区別は困難だ。
今回の事件をみると、大使館側は、武装した警護官を付けないまま二人を派遣している。安全対策に抜かりはなかったのだろうか。事件の底流には、政府内に、希望的な要素も絡み合った情勢判断の甘さがあったようにも思える。
それでも、なぜ自衛隊を派遣しなければならないのか。政府は米国の占領統治の在り方を含め、現実を冷静に見極める必要があろう。
さらに、現地で活動するNGOなどの邦人の安全確保のため徹底的に事件を調査して、安全対策を確立することが不可欠だ。悲劇を繰り返してはならない。