現在地 HOME > 掲示板 > 戦争43 > 853.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: [日本人殺害]「イラク支援の戦列から退くな」(読売新聞・社説) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 12 月 01 日 05:31:14)
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2003/12/20031201s01.htm
日本の外交官2人がイラク北部を大使館用の車で移動中、何者かに襲撃され、殺害された。何とも痛ましいことだ。人命がこうも簡単に奪われてしまうイラクの現実。その深刻さに言葉を失う。
日本人の犠牲者は3月20日のイラク戦争開戦以来初めてだが、11月18日にはバグダッドの日本大使館が武装グループに襲われた。国際テロ組織アルカイダによる東京襲撃の予告も報じられていた。
イラクへの自衛隊派遣の是非をめぐって国論を二分する議論が起きている最中である。政府は近く「基本計画」を閣議決定し、自衛隊派遣を強行する構えだ。しかし、日本人の安全対策とともに根底から問い直しが必要になった。
「日本はイラクの人道復興支援に責任を有する国だ。テロに屈しないという従来の方針に変わりはない」。外交官殺害の悲報を受けた後も小泉純一郎首相はこう強調した。
テロが卑劣な犯罪であり、許されない行為であることは言うまでもない。テロに屈せず、国際的な対応策を取らねばならないのも当然だ。だが、イラクの状況は単なるテロ集団による犯行の激化なのだろうか。
ブッシュ米大統領も小泉首相も対テロ戦争の遂行を叫ぶばかりで、状況認識や国連の結束を取り戻す見通しなどは一切説明しようとしない。
外交官殺害も犯行状況や実行者、背景など詳しいことは明らかではないが、イラクが開戦以来最も危険な「戦争状態」に陥っていることは間違いない。11月の米兵死者は激戦だった4月の73人を上回る最悪の記録となっている。
イラクの現況をどうとらえたらいいのだろうか。さまざまな見方がある。
米軍によってフセイン体制はけ散らされたが、残党がゲリラ戦を仕掛けている。そこへ各国のテロ集団が入り込んだ。失業者ら不満分子による略奪や強盗も治安を悪化させている…。
もはや単なるテロや治安問題などではない。イラクを占領する米軍への反発がイラク民衆とイスラム教徒の抵抗闘争になってしまった。中東全域へと闘争は広がり、混乱は続く…。
イラク戦争は大量破壊兵器をめぐる米英の情報操作や誤爆、犠牲者の続出、占領政策の誤算など数々の失策によって大義なき戦争と言われる。
日本は米政権の大義なき戦争とイラク占領政策にいつまで付き合うのか。占領を嫌うイラク人の心情にもっと配慮すべきだし、国連主導の復興支援へと転換を早めるためにも、自衛隊派遣はやめるべきだ。
それよりも国連主導の国際協調へと軌道修正を米国に促し、先制攻撃論や単独行動主義の誤りを正すことこそ、同盟国としての真の役目であり、テロ犠牲者の拡大を防ぐ道であろう。
2003年11月30日日曜日