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(回答先: [日本人殺害]「イラク支援の戦列から退くな」(読売新聞・社説) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 12 月 01 日 05:31:14)
何とも痛ましい衝撃的な事件だ。
イラクで日本人外交官二人が車で移動中に銃撃され殺害された。イラク戦争が始まってから日本人が犠牲になったのは初めてだ。
バグダッドでは十一月半ば、日本大使館に向けたとみられる銃撃事件があったばかり。その直前には国際テロ組織アルカイダを名乗る組織などが日本を名指し、自衛隊を出せば東京にテロ攻撃を加えると脅していた。
福田康夫官房長官は「テロの可能性が強い」とみている。日本標的が現実のものとなった公算が大きい。
小泉純一郎首相が自衛隊派遣の姿勢を崩していない。そうした中での大使館員銃撃は政府に対する強い警告と受けとめるべきだろう。自衛隊派遣にはあくまで慎重であってほしい。
それよりも現地にいる邦人の安全の確保を最優先すべきだ。
銃撃された二人は非政府組織(NGO)も交えティクリットで開かれる復興支援会議に向かう途中だった。
この町はフセイン元大統領の出身地だ。イスラム教スンニ派が多く駐留米軍に対する反感が根強い。
二人の外交官は、その危険地帯へ警護車両も伴わずに四輪駆動車で乗り込んでいった。車は窓ガラスに防弾仕様を施しただけだった。
食料と飲料水を買うため車を止めて道路脇の売店に立ち寄った際に銃撃されたという。現地事情に通じていたがゆえの心のスキがなかったのか。そこを突かれたとすれば残念だ。
首相は事件を聞いて「テロに屈しないという従来の方針は不変だ」として自衛隊派遣の方針を再確認した。
卑劣なテロは許せないが自衛隊派遣の前提が崩れたのでないか。イラクの反米勢力は自衛隊が人道復興支援に来るとは受けとめていない。米国の占領統治への肩入れとみなしている。
そこを見誤ってはならない。
政府は、週内にも自衛隊派遣の基本計画を閣議決定する構えだ。しかも陸上自衛隊より航空自衛隊を先に派遣しようとしている。空自先行は米軍支援色が強いとして見送ってきた経緯がある。それを無視し、空自が先に行けば反米勢力の思うつぼだろう。
この日、スペインの情報機関員七人が殺害されたのも、米国の同盟国に強い打撃を与える狙いがある。
ブッシュ大統領の大義のない占領政策にどこまで付き合うべきか。間合いの取り方が鋭く問われている。
政府がやるべきは自衛隊派遣を急ぐことでない。米軍の占領を早く終わらせイラク人による統治体制を早急につくるよう米国を説得することだ。国連中心の復興支援態勢を整え実行することがテロをなくすのにつながる。
それが犠牲になった二人の遺志を継ぐ道ではないだろうか。