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「ティクリート日本外交官殺害事件」を読み解く 【二人のパスポートを米軍が“回収”:二人の遺体の扱いに激怒し米国に抗議しない日本政府はカス未満!】
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/814.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 12 月 01 日 03:30:54:Mo7ApAlflbQ6s


「ティクリート日本外交官&レバノン人運転手殺害事件」と呼ばなければならないのだが、簡略化した表記にさせていただく。

昨日起きた日本外交官殺害事件は、福田官房長官が「いろいろな状況から判断して、テロの可能性が強い」と語ったことから、反米勢力のテロとして処理されてしまいそうだが、そのような対応で済ませられる性質の事件ではない。

政府の説明やメディアの報道を見聞きしても、政治的反応や犠牲者の美化が先行し、事件そのものをまともに調査する意志や調査を求める姿勢があるようには思えない。

自国の外交官2名が惨殺されたにも関わらず、米軍発表をそのまま受け入れて処理しようという姿勢を見せている小泉政権に唖然としている。


この殺害事件は、

● 強盗殺人

● 反占領支配勢力の攻撃

● 米軍もしくは米軍“公認”の攻撃

のいずれかだと考えられる。


「強盗殺人」であれば、運が悪く警護体制にも問題があったということになる。
官房長官がテロであることを強く示唆していることから、二人の外交官が所持していた現金などがそのまま残されているなど、強盗殺人とは考えにくい情報が存在すると思われる。


「攻撃」であれば、日本外交官と知った上での計画的な攻撃か、突発的な攻撃なのかということが問題になる。

突発的な攻撃であることも否定しきれないが、その可能性は極端に低いと考えている。

駐イラク米軍は二人が売店で水や食糧を買い求めるために車から降りたときに攻撃されたと説明しているが、事件付近で売店そのものの所在が確認できていないし、事件発生地域の危険度を十分に認識しているはずの外交官がふたり揃って安全性が確認できないまま自動車を停止させる愚を犯すと考えるのは困難である。そして、現状のイラクを移動するときは、バグダッドを出発する時点で水や食糧を積み込んでいるはずである。
(これも外務省ならすぐに確認できることである)

たとえ彼らが愚を犯したとしても、攻撃者は、日本人だろうということはわかっても、日本の外交官かどうかという判断はつかないはずである。
外務省も、攻撃された車両は日の丸も掲げずナンバープレートもはずして目立たないようにしてあったと説明している。
米軍軍用車両でもなく車列を組んでいるわけでもないから、道路ですれ違ったときや通りりすがりに見て外国の外交官車両だとはわからないだろう。

突発的な攻撃であれば、日本の外交官だから攻撃されたわけではないと考えるべきである。
たまたま降りた場所に外国人を攻撃する勢力が待ち受けていて攻撃されたということであり、日本の外交官かどうかに無関係の攻撃で、強盗に遭遇したのとそれほど変わらない不幸な出来事ということになる。


攻撃が、日本外交官と知った上で行われたものだとしたら重大な疑念が提起できる。

「攻撃者はなぜ日本外交官の自動車だと知っていたのか?」、「外交官が乗っていた自動車はなぜ停車したのか?」という疑念である。

後者の疑念は、米軍発表で売店で水や食糧を買うためと説明されていることが事実なら消え去るものだが、30日午後の「CNNニュース」は、2人の日本人外交官が乗った四輪駆動車はティクリート近くで停止を命じられて止まった後に銃撃を受けたと報じている。
この問題は、どちらが本当なのかをきちんと調べる必要がある。売店の不在や水・食糧の積み込みが確認されれば、米軍の説明は嘘である可能性が高い。

CNNの報道が事実だとすれば、米国の同盟国である日本の外交官が、銃を持った民間勢力の停止命令をやすやすと受け入れるとが考えにくい。あやしいと思えば、四輪駆動車の能力を活かして逃げながら、米軍筋と連絡をとって援護を求める努力をするはずだ。(携帯電話は持っているはず)


ゲリラ組織が日本外交官の自動車がいつどこを通るという情報を入手し攻撃を完遂できるとしたら高度に組織化されている証であるが、今回の事例の場合は、運転手がゲリラ勢力とつるんでいればそこまでの必要はない。しかし、運転手も殺害されているから、その可能性はほとんどないと思われる。(レバノンから連れてきた運転手であることからもその可能性は低いはずだ)

運転手以外では、CPAが主催する会議に出席するためにティクリートに向かっていたのだから、CPAを含む米軍筋が日本外交官の動きを知っていたはずである。

ティクリートはフセインの故郷であり、米軍が繰り返し掃討作戦を実施しているところである。もっとも危険だといわれているスンニ派三角地帯のなかでもとりわけ危険な地域と言えるだろう。
日本大使館の単独行動ではなくそこで開催されるCPA主催の国際会議に出向くのだから、日本大使館もCPAにルートや時間を連絡していたと考えるのが自然である。
そして、米軍は、会議参加者の移動の安全性の確保するため、個別車両の警護はしないとしても、参加者が移動に使うルートの巡回は強化していたはずである。

日本政府は、CPAへの連絡内容や米軍の警備活動を確認する必要がある。
日本外交官が犠牲になったからそうするというのではなく、他の国々の外交官やNGO人員のためにも、この問題をきちんと確認しなければならない。


事件報道初期の阿修羅にも、殺害された外交官の名前がなぜ公表されないのかという書き込みがされているが、殺害された外交官が特定されたのは事件発生から8時間ほど経ってからである。

これ自体がおかしいと言えばおかしな話である。
ティクリートで開催される会議に日本人外交官が出席しようとしていたことはわかっているのだから、当然、出席者の氏名はCPA筋に伝わっているはずである。
日本大使館の官用車が被害にあっていれば、それを手掛かりに、それほど時間をかけずに断定はできないとしても高い可能性で被害者が誰かがわかるはずである。
(攻撃の連絡を日本大使館にすれば、間違いなく即わかるはず)

そして、おかしな話の最たるものが、「殺害された外交官に身元を示すものはなく、2人のパスポートは米軍が地元部族長と交渉し回収した。これで2人の身元が特定された」(昼前に放送されたテレビ朝日「ANNニュース」の報道内容)というものである。

これが事実であれば、日本政府は、「テロには屈しない」という空念仏の政治主義的叫びを上げるのではなく、米国政府と徹底的な外交交渉を行わなければならないことになる。

地元部族長が二人のパスポートを持っていたというのなら、その部族長が2人を殺害した者(たち)を知っているか、知らなくともその部族を徹底的に調査すれば犯行者がわかるはずである。
日本政府は、現在のイラクの治安に責任を持つCPAに捜査を要求し、犯人の逮捕と事件の経緯を明らかにするよう求めなければならない。
それと同時にその部族長の氏名と所在地を聞き出し、部族長に面会し事実を確認する必要もある。

部族長が二人のパスポートを持っていたという事実が判明していながら、犯行者は誰かわからないで済ましてしまうわけにはいかないのである。

川口外務大臣や岡本行夫首相補佐官は、犠牲になった二人を悼みその意志を完遂させるといったことを語っているが、事件の真相を明らかにする努力を怠るのならば、それは、口先だけの空虚な言葉であり、自衛隊派兵を正当化するための政治的発言でしかないことになる。


※ スペインの情報部員が乗った車両に対する攻撃も、日本外交官殺害事件と同質の疑念を持っている。

★ 殺害された3人の遺体の扱い

ひろさんとSさんが紹介してくれた3人の遺体の映像を見て、そのような映像を撮らせたことに憤りを感じると同時に遺体の扱いがあまりにもひどいのに驚いた。
http://reuters.feedroom.com/iframeset.jsp?ord=999460


奥参事官と見られる遺体は、パンツに手を突っ込んだ状態で片足だけ靴下を履いたままで、顔の側にはへしゃげたペットボトルが無造作に置かれている。そして、遺体は何もカバーされず全身が晒されている。

井ノ上書記官と見られる遺体は、鳩尾から下に青いビニールが被されているが、なぜが両腕が頭のほうに折り曲げられているという異様な状態になっている。

これでは、二人の日本人外交官は、フセインの息子とされる二人の男性がモスルで殺されて遺体を公表されたのと変わらない酷い扱いを受けたことになる。

ウダイやクサイの遺体が写真で公表されたとき、イラクでは死者に対する冒涜だとして激しい対米非難が沸き起こった。

遺体映像は、イラク侵略戦争中、米英兵士についても問題になった。
米国政権は、遺体どころか捕虜の映像を流すことさえ人権侵害だと声高に叫び、フセイン政権の悪逆非道を示す宣伝材料とした。
英国政府は、バスラで床に転がっている兵士の映像が流されたことでアルジャジーラなどを激しく非難した。

日本政府は、病院に収容された後すなわちCPAの管理下に置かれた後に、二人の遺体を撮影させたことに厳重な抗議を行う義務がある。
(事件現場で撮影されたものならやむをえない)

遺体に対する扱いとりわけ公表に“神経質”な米国CPAやイラク人医師が、無自覚的に、あのような姿の二人を撮影させたと考えることはできない。

この遺体の取り扱い問題だけでも米国政権に厳重な抗議をしなければ、小泉政権は、日本国政府として存在意義がないと断ずる。

そして、明確な謝罪がなければ、これまで表明してきた米国のイラク占領支配に対する協力はすべてキャンセルすべきである。

(自衛隊派兵の“国際公約”など吹っ飛んで当然の暴虐を受けたのである。愛国主義や民族の尊厳を口にしている政治勢力が本物かどうかもこの問題への対応で試される)

事件そのものから抱く疑念と遺体の酷い取り扱いを合わせて考えると、「ティクリート日本外交官殺害事件」は、米軍もしくは米軍“公認”の攻撃である可能性が高く、日本政府及び日本国民に対する挑発が目的だと思われる。

※ 参照書き込み

『イラクの現局面は大枠で米英政権のシナリオ通り [シジミさんへ]』
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/333.html


『「陰謀論」説やペンタゴン激突について』
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/447.html

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