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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031204ig90.htm
イラクで復興支援の活動中に殉職した二人の外交官が、無言の帰国をした。
二人の死を無駄にしないためにも、日本は、国際社会の一員として、イラクの復興支援に一層の責任を果たさなければならない。
政府は自衛隊派遣の基本計画を近く閣議決定する。決定後、小泉首相は、記者会見や国会の関係委員会で、政府の考えを説明するとしている。
治安の悪化などを理由に、自衛隊派遣に強い反対論もある。だが、テロに屈することなく、自衛隊を派遣することは、国際責務であり、日本の国益である。
首相の最近の講演や先の国会予算委審議などからは、国民の理解を得るため、丁寧な説明を心掛けていることがうかがえる。いよいよ、派遣計画の決定となれば、首相は、より一層、誠心誠意、説明することが必要になるだろう。
自衛隊派遣に当たって、足元の与党内に不協和音があってはならない。
公明党の冬柴幹事長は、党の機関紙で派遣計画を認める姿勢を明確にした。冬柴氏は「平和は、口ではなく壮絶な戦いの中で初めて創出できる」と言う。派遣された隊員に万一のことがあれば、「与党(としての公明党)の政治責任は出てくる」とも語っている。
政権与党として、当然持つべき、重い責任の自覚が伝わってくる。
首相は「しかるべき時には、自衛隊を派遣しなければならない」と明言している。冬柴氏は、実際の派遣は「慎重に」と言うが、「しかるべき時」には当然、派遣を決断しなくてはならない。
疑問なのは、民主党の姿勢だ。
民主党の外務・安全保障部門会議がまとめたイラク問題に関する見解案は、先の衆院選での政権公約に沿って、「国連主導による復興支援」など、国連の枠組みによる対応を強調している。
自衛隊の派遣については、「国連主導の統治形態なしに、自衛隊派遣の正当性はない」としている。
現在、国際社会は、来年六月の暫定政府発足、主権移譲を目指して努力している。テロで治安が悪化し、国連も動けない現状で、「国連主導の復興支援」の枠組みが直ちに出来る状況にはない。
結局、民主党の見解では、当面、何もしない、ということになる。
今、必要なのは、イラク人による民主政府樹立のために、米軍などに治安の確保をゆだねる一方、復興支援を通じてイラク国民の生活の安定を図ることだ。そこに自衛隊の役割がある。
お膳(ぜん)立てが整ってから出て行く、というのでは、国際社会から笑われる。
(2003/12/5/01:38 読売新聞 無断転載禁止)