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(回答先: 紹介に感謝！ ← アメリカ人は反戦のために立ち上がるか？ 投稿者 荷電粒子 日時 2003 年 11 月 09 日 18:24:35)
荷電粒子さん、こんばんわ。コメントありがとうございます。
＞真に取り返しのつかない貴重な遺跡に対して、今回加えられた(そして今後も加えられるであろう)意図的な破壊の数々を見聞きするにつれ、古代から連綿と続く文明の上に軸足を持たない、アメリカ人の嫉妬のようなものを感じます。
バグダッドをはじめイラク各地の古代遺跡や博物館が略奪と破壊に遭ったというニュースは、大規模戦闘終結直後は多く見られたのですが、その後の詳しい調査に基づく続報が最近あまり見当たりませんね。一部発見されて返還されたものもあるようですが、それが実際どの程度のものなのか。とくに重要な遺物はどうなったのかなど、最新の情報を見つけられた場合は、どなたでもぜひ投稿をお願いしますｍ（＿＿）ｍ
ところで今年はＮＨＫスペシャルで「文明の道」という毎月１回のシリーズが放送されていますが、先月は「バグダッド」について取り上げていました。
第六集 バグダッド・大いなる知恵の都 総合テレビ 10月12日 日曜日 後9:00〜9:55
http://www.nhk.or.jp/bunmei/
http://www.nhk.or.jp/bunmei/preview/index.html
この番組の中でも今から約１１００年前、バグダッドが巨大な円形都市を築き、世界でも最も繁栄した時代、最先端の科学や医学などが発達し、古代ギリシャの文献なども多くがアラビア語で伝承され、のちにラテン語に訳されたのだということに触れ、中世頃のイスラム文明について、多くの面での先進性と豊かさを強調していました。まして紀元前まで遡り、バビロンやメソポタミア文明などに思いを巡らせれば、イラク周辺の土地と人々から人類が受けた恩恵はとても大きいと言えますね。
先のマハティール演説でも唱えられているように、これからのイスラム復興のためには、歴史的な視野を持ち、イスラム内の不和を作り出している、または発展を阻害している内外の要因（意図的なものも含めて）を冷静に分析し、現在と未来の時代に即した、実質的な発展を目指すべきでしょう。そうした中で、積みかさねてきた豊かな歴史と文化、または宗教がその支えとして生きてくるのだと思います。
古代からの知恵は何らかの形で今のイラク人などにも受け継がれているはずで、複雑で重層的な背景を土台とした思考や規範から生まれる感受性や行動（とその制限）に確かに現れているのではないかと感じます。逆に建国の歴史の浅いアメリカでは、「これが正義だ」と言うと、簡単に信じてしまうような、わりと単純な発想しか持てない人々が多い傾向があるのかも知れません。「民主主義や自由を与える」ために介入し、戦争するというのは、勘違いした優越感からくる同情や軽蔑が入り混じっているものです。もちろん権力者にとっては征服と支配による利益のためというのが本音でしょうが。
ＮＨＫスペシャルで「文明の道」の次回はエルサレムだそうです。直截的に現代の中東情勢を扱った内容ではありませんが、エルサレムの遺跡を巡り、特に十字軍時代に政治力の主導のもとで対話を行い、奇跡的に和平を実現させた双方の人物にスポットを当てるということなので、興味をお持ちでしたら見てみて下さい（少なくとも最近のＣＧ映像は良）。
第六集 エルサレム 和平・若き皇帝の決断
【総合テレビ】 11月16日 日曜日 後9:00〜9:55
＞シュワルツェネガーを知事にしたのは、勿論、来年の選挙を視野に入れての、共和党の戦術でしょう。
反対勢力側はスキャンダルをぶち上げたりして抵抗しましたが、シュワ氏（名前が長いので短縮）の知名度からいってやはり当選は避けられなかったでしょうね。せいぜい訳のわからないゲリラ的立候補者が大勢出ていって、茶化すのが精一杯だったでしょう。「シュワちゃん」なんてこの程度だよ〜とね。でもアメリカ人のこういう風刺センスは今後、厭戦の世論と結びついて現政権にも向けられ、僅差だった前回の大統領選挙を考えると、共和党の敗北は十分考えられるでしょう。その前にブッシュ政権は支持率ＵＰのために必死になって何をしでかすか … 。
＞Patriot Act(愛国者法)に反対の決議をした、カリフォルニアの自治体への復讐の手口
カリフォニアは比較的リベラルな素地があるようですが、シュワ氏の当選とはまた別に、戦時体制の陰湿な締め付けで、市民レベルで暗い不安が拡がっているようですね。先日ドキュメンタリー番組で、アメリカの住宅地において戦争に対する意識調査のようなことを行なっていましたが、彼らは近隣との付き合いの中で、再三にわたり戦争についての意見対立があってから、もうその話題について避けるようになったそうです。また兵士を送り出している家庭に対しては非常に気を使うようです。しかし近ごろでは様々な嘘がばれ、兵士の家族たちから直訴や批判の声が上がるようになりましたね。
政権側は、兵士からのヤラセ手紙などに見られるように、出来る限りプロパガンダや脅しによって、地方単位で戦争を支持する世論の綻びを繕おうとしているようですが、ひとたびその堤防が決壊したなら、多くの人々が同調して一気に世論が政権非難に流れるかも知れません。最近のニュースを見ていると、かなりヒビが入ってきている気がします。情況が動き出すとすれば、「イラクに送り出している兵士とその家族のことを慮って、戦争を支持するべきだ」というのではなく、「イラクに送り出している兵士とその家族のために、一日も早く撤退するべきだ」と、世論が変化したときでしょう。まあ、その前にイラク人の死傷者に対してもっと心の痛みを感じろよと言いたいところですが。
＞今回の山火事では、地元民に目撃された複数の放火犯も逮捕されず、彼らの背景も分っていません。この夏の南欧の山火事で噂されたように、プラズマ兵器や気象兵器の可能性もあるのですが。
プラズマ兵器や気象兵器、マイクロ波兵器などについては私も阿修羅サイトの投稿などを中心にかなり興味をもってとらえています。そうした新しい原理の兵器は常に研究されているでしょうし、一部の国や勢力がそれを実用化した場合、世界の勢力バランスが大きく崩れ、少数で多数を支配することも可能になる。例えば国連などではますます歯止めの利かない暴走が起こってくると思います。そして何より暴力と破壊のスケールの拡大や効率化が恐ろしい。もはや核兵器禁止の次のレベルに、時代は進みつつあるようですね。そして今はやがて明らかになる重大な脅威の前兆現象が、チラチラとその角（つの）を覗かせている段階かも知れません。
★イラク情勢で私が一番心配しているのは、国連や赤十字がイラクから活動を縮小・撤退しつつあり、医薬品や水道設備などの復旧がますます遅れるということです。小泉首相は、そのためにこそ日本が進んで自衛隊を送るんだと言っています。「今アメリカがイラクから撤退したら、イラクはテロリストの巣になってしまう」などと世迷い言を繰り返しています。イラクから帰還したばかりの兵士が語ったように、この半年間にほとんど復旧活動に進捗がないという事実から見ても、アメリカとその同盟軍では無理があることは明らでかす。むしろアメリカとその同盟軍がいつまでも居座っていることが、国連や赤十字が入ることの障害そのものとなっています。よって「援助」や「貢献」のきれい事（大義）を並べて今イラクに自衛隊を送る（戦争に参加する）ということは、イラク人たちの苦しみを長引かせるだけの、全く通らない理屈に基づく行為だと言えるでしょう。
そんなことを思いながら、いまテレビで衆議院選挙の開票速報を眺めています。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。