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日経【米大統領「自由なイラク、世界民主革命の分岐点」】vsわが編著の民主主義論
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投稿者 木村愛二 日時 2003 年 11 月 07 日 19:19:54:CjMHiEP28ibKM

日経【米大統領「自由なイラク、世界民主革命の分岐点」】vsわが編著の民主主義論

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20031107AT2M0700P07112003.html
国際
米大統領「自由なイラク、世界民主革命の分岐点」

 【ワシントン=森安健】ブッシュ米大統領は6日、ワシントン市内で演説し「中東の心臓部に自由なイラクを確立すれば、世界民主化革命の分岐点になる」と語り、民主主義を世界に広げることへの強い意志を表明した。大統領は西欧諸国の過去60年の中東外交を失敗と断定。民主主義が「国家の成功と尊厳に向けた唯一の道」であると強調した。
 中東の民主化はブッシュ政権内の新保守主義(ネオコン)派が強く主張してきた論理。米国のユニラテラリズム(単独主義)の表れとの批判もあり、フランスやドイツとの溝を深める一因ともなった。イラク情勢が悪化するなか、米国内で見直しを求める意見が増えつつあるが、ブッシュ大統領は改めて民主化構想を推進する考えを打ち出した。大統領は民主化が必ずしも「西洋化」ではないと断った。「民主化した中東諸国はわれわれと同じような形にはならないし、なるべきではない」と指摘。「民主国家は立憲君主制でも、連邦制でも、議会制でもいい」と述べた。 (11:17)
 
 ああ、かくして、ついに、わが編著『9・11事件の真相と背景』(副題:「テロ」か? 自作自演の戦争挑発謀略か?アメリカ=イスラエル=世界支配構想の核心を突く)の周到な準備と喝破こそが、「核心を突く」ものであることが、上記の「切り返し」演説によって、逆に立証されたのである。
 
 以下は、関連部分のみの抜粋である。

●アメリカ帝国の「三種の神器」「自由、民主主義、文明」の正体
[中略]
 9・11事件後、まる1週間を経た9月18日、ブッシュが議会で大演説をした。これも全部、米軍放送に入ってきた。
 [中略]
 当然、下敷きの草稿作りの熟練者がいて、「国際問題音痴」とかで悪名高いブッシュ坊やは、一生懸命、テキサス訛りのせかせか口調を直しながら、何度も練習を重ねたのだろう。力んで喋ると、満場総立ちの拍手喝采、しばし鳴りやまずで、昔のヒトラーなどの演説風景とまるで変わりがない。ゲルマン型の習慣であるが、世界中の人間集団が、似たような儀式を続けている。

 この儀式を動物行動学的に観察すると、何のことはない。チンパンジーの群れには、猛獣に襲われる可能性が高い恐怖の夜を迎える前に、横向きの木の枝に並んで立って一斉に唸り声を発する習慣がある。こういう習慣は、遺伝子に仕組まれた本能的な行動から、集団的な学習による伝習、伝統へと発展する。だから、この数百万年前からの類人猿の習慣が、現在の米議会の儀式に連鎖しているのである。恐怖から怒りへ、攻撃へ、いわゆる出陣の雄叫びの典型的な儀式である。もちろん、少しは手の込んだ儀式になっている。

 面白かったのは、「アメリカ人は今、なぜ自分たちが憎まれるのかと考え始めている」という台詞だった。ここをブッシュ坊やは、非常に慎重に、重々しく、ゆっくりと喋った。あの不良坊やも、これが非常に重要な台詞だと認識しているのだ。議場は静まり返った。これは当然、当時の多くのアメリカ人自身による記事の論調に表れていたことを意識して、工夫に工夫を重ねた台詞なのである。
 [中略]
[中略]
●欧米流「デモクラシー」とは何か?

 私は、昨年の9・11事件よりかなり前から、この問題に興味を抱き、追究し続けていた。私は、常に実態から考え直すのである。
 英語のデモクラシーの起源は、ギリシャのデモスクラトスにあり、これはデモス(「部族」とか「区」と解釈されている)とクラトス(権力)の合成語である。

 ギリシャでは、現代のいわゆる「市民権」を持つのは人口の10分の1の征服民族の末裔のみであって、実態は少数の支配部族の内部の政治方式でしかない。「区」に配置された部隊の兵士の集団的な「権力」と理解した方が、歴史的実態に合っている。
 つまり、自らも奴隷主の一般兵士の合議制権力なのであって、発生的には「奴隷」状態を象形した「民」を主権者であると思わせるような訳語は、決定的な間違いなのである。すでに「軍事民主主義」と呼んでいる研究者もいる。

●アメリカ流「民主主義」とは何か?

 アメリカ「民主主義」なるものの歴史的実態は、本章の冒頭に紹介したアメリカ製漫画本、『戦争中毒』にも、的確に描き出されている。原住民を騙し、殺し、駆逐して、ではあるが、「自由に土地を入手できる」条件の上に、黒人奴隷制を経済の基本として、初めて成り立っていたのである。日本語の訳題が『アメリカの民主政治』などとなっている歴史的な名著の著者、1880年代のフランス人のトックヴィユは、その実態を、基本的には個人主義なのであると見抜いた。歴史的な事実経過を見れば、人口の10分の1の支配層の制度の一つであったギリシャ民主主義と共通する欺瞞に満ちた差別支配、軍事貴族支配の一種の継続でしかないことが明確になる。

 私は2000年秋、パレスチナ内戦勃発と同時に、東京は港区赤坂のアメリカ大使館前で英語の抗議演説をした。その時に、私は敗戦国の少年としてアメリカ民主主義を教え込まれたが、それが真っ赤な嘘だと知ったと言い、アメリカ民主主義については「デモクラシーよりも同じギリシャ語源ならデマゴギーの方がふさわしい」と、何度も繰り返してやった。これこそが「デモクラシー」の言葉の魔術を打ち破る最上の切り返しの秘伝である。
 [後略]

●欧米流「文明」とは何か?

 日本では「文明」と訳す英語のcivilizaionの語源は、ラテン語のcivitas(市民権)などの語群とともに、都市を意味する英語のcityと同じ語源から発している。やはり同じ語源のcitadelは、はっきりと城や砦を意味する。つまり、「文明」という言葉を使うにしても「都市文明」の方がまだ実態に近い。ラテン語の語幹のciviはcieoと同じ意味とされており、cieoには「召喚する」の意味がある。これもどうやら、兵役義務を負う「市民」に由来するのではないかと考えると、非常に分かりやすくなってくる。つまり、軍事的な征服集団の基地と財産こそが、英語の「文明」(civilization)なのである。

 以上の理由により、決まり文句の「民主主義と文明を守る戦い」を語源および実態に即して解釈し直すと、軍事都市、語源は城塞に盤踞する軍事集団による農村の制圧となる。
 私は、この連中の「クラトス」(権力)を、日本の小領主の侍の合議制と同じものと断定する。ギリシャでもローマでも、その合議によって、戦争が決定されたのである。むしろ、この方が、王制よりも、貴族=重装騎兵中心の貴族制よりも、さらに強固な結束を作り出せたので、ギリシャやローマの地中海周辺世界の制覇が可能になったのである。

 このような政治制度を築いたギリシャやローマの地中海周辺世界の制覇の時代を、欧米では、「パクス・ロマーナ」、「ローマの平和」と呼ぶ。かくして今の今、古代のギリシャ・ローマと同様の政治制度を持つ超大国による「パクス・アメリカーナ」、または「新世界秩序」への「アメリカン・ドリーム」ならぬ悪夢の予兆が、世界を覆っているのである。
 [後略]
 参照:意味論の戦争
http://www.jca.apc.org/~altmedka/turedure-03-1106.html
随時追加「編集長日記風」木村愛二の生活と意見 2003年11月分
2003年11月6日(木)78歳マハティール「ユダヤ人が世界支配」発言紛糾し激動の半月の間にアラブ語の歌も覚えたわがイスラム体験の躍動
[中略]
 二次会の懇親の場で、私は、エルマンドジュラの隣に座り、1枚のA3判の紙片を示した。上記の12月19日の講演の冒頭で歌う予定で鋭意練習中のアラブ語の歌のアラブ文字による歌詞である。彼は即座に頷いて、これは廃墟(Ruin)という有名な歌だ」と言い、私と一緒に最初の部分を歌った。
 
 これでもう、バッチリ、親友になれた。続いて私は、当日の集会の重要な鍵言葉、「意味論の戦争」(semantics War)を持ち出し、「意味論の戦争」なら、「ジェノサイド(Genocide、大量虐殺)、ホロコースト、ショアが、最も重要ではないか」と切り込んだ。彼は「わが意を得たり」とばかりに大きく頷いた。
 [後略]

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