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(回答先: イスタンブール自爆テロ、親米世俗主義標的に(読売新聞) −「世俗主義という国家体質そのものに挑みかかった可能性は排除できない」−根拠は? 投稿者 シジミ 日時 2003 年 11 月 21 日 05:32:30)
報告者:東京財団 シニアー・リサーチ・フェロー 佐々木 良昭
「イスタンブール・テロ」 2003年11月19日
イラクの現状認識にも通じることだが、最近あらゆるテロがアルカーイダとの関連で語られる傾向がある。アルカーイダはまさにアラビアの童話に出てきるジン(魔人)でもあるかのように、世界中のいたるところでテロを行っているということになる。
しかし、アルカーイダの実力を甘く見るつもりは無いがアルカーイダにそれだけの超人的な能力が本当にあるのだろうか。実はアルカーイダが起こしたということによって、解明できていないテロ事件に対する一応の説明が出来るという利便性がテロの消防車としてもアルカーイダの存在を実態よりも大きくしてしまっているのではないか。
もしそうであるとするならば、怖いのはその一応の決着説明によってその後の真犯人探しの努力が停止してしまうことだ。アメリカや日本にはその傾向が強いのではないか。アメリカは自国の都合から、日本は自国の情報収集能力と分析能力の欠如からと、それぞれに原因は異なるが結論は同じような気がする。
その点、当事国やヨーロッパ諸国は少し異なり、事例毎に真犯人が誰であるのかを検証している。トルコの第二の都市イスタンブールで起こったテロ事件について友人が送ってくれた現地の受け止め方は次のようなものだった。
「15日朝9時30分頃,シシリ地区とガラタ塔付近のシナゴークの2ヶ所で 同時爆破事件があり,現在までに確認されている死者数は20名(内,ユダヤ人5名),負傷者は軽症を含む303名(内,ユダヤ人80名)となった。
土曜日朝の祈祷時間中でシナゴーグ内が混雑を極めていた事と,現場のシシリとガラタ塔地区には,それぞれテキスタイル,機械部品を扱う商店が密集している事から,死傷者の数が多くなっているが,被害を受けたのは殆どが一般のトルコ人だ。
トルコの各テレビ局が放映しているニュースでは,過激派イスラム原理主義テロ組織アルカーイダによる犯行,又は大イスラエル主義に抵抗するパレスチナ・テロ組織による犯行を疑っている。
アルカーイダ犯行説を唱える専門家は,『譬えトルコがイラク派兵を見送ったとは云え,米国とイスラエル寄りの外交政策を打ち出している事は明確である。また,トルコには将来中東イスラム諸国のモデル国家となる可能性がある事から,原理主義国家の建設を目指すビン・ラーデンにとっては,邪魔な存在であるのだろう。』と見ている。
一方,以下の理由により,アルカーイダを装った外国諜報機関の犯行を疑う声も浮上している。
@ 現場検証の結果,爆薬を積んだ小型トラック(赤色のピックアップ)は,シナゴーグに平行する道路中央で爆発しており,トラックはシナゴーグの壁に向かって突入していない。また,現場付近の通行人が死亡,もしくは重症を追っている為,目撃者がおらず,自殺攻撃なのか遠隔操作による起爆なのかが未だ判明していないものの,遠隔操作の可能性が濃厚で,従来のアルカーイダがとる自殺攻撃の方法とは違っている。
A 祈祷の開始時刻と終了時刻の,ユダヤの一番出入りの多い時間帯を避けており,その結果,死者と負傷者にはトルコ人が圧倒的に多い。イスラエルのシャロンが発言した如く,寧ろトルコ人を狙ったテロのようにみえる。
B トルコ政府は2年前の連立政権時までは親イスラエル政策を採っていたが,現政権(AKP)はイスラム色が強く,米国政府(ネオコン,国防省ユダヤ系強硬派)とは一歩距離を置く政策を採っており,最近イラク派兵の見直しを決めたばかりだ。また,政権獲得時よりイスラエルとの距離を置く政策も採っている。(具体的には,イスラエルへの水の輸出契約の延期,イスラエルによるトルコ陸軍M60型戦車更新プロジェクトの棚上げ,シャロンへの訪土延期要請等。)しかし,今回のテロ事件発生により,テロ活動に対して強硬姿勢をとる米国に同調せざるを得なくなる事から,エルドアン首相とAKPは窮地に陥る一方,テロ事件はブッシュ政権にとって有利な材料になるであろう。
C トルコ国内には,アルカーイダに同調する組織があり,資金調達とマンパワーの面で重要なロジスティック・サポートの役割を果たしている為,今までアルカーイダはトルコでテロ活動を行っておらず,且つ攻撃の対象にしてこなかった。アルカーイダが,トルコ国内のイスラム教徒の反発を生むような,イスラム教徒を多く巻き添えにするテロ活動を行うとは,考え難い。今後,トルコ政府当局はアルカーイダとの関係が疑われている組織の摘発を行ない,資産凍結などの厳しい措置をとるだろう。
D パレスチナ・テロ組織は,テロの対象としてユダヤ人外交官に的を絞っており,且つ犯行後には必ず犯行声明を出しているが,今回の爆破事件では声明を発表していない。
尚,爆発した小型トラックの破片をトルコ警察が回収し,シャーシ番号から持ち主を割り出したところ,トルコ東南部"SIIRT"在住のトルコ人が挙がった。しかし,この人物は本年7月7日に盗難に遭い,紛失した身分証明書と運転免許証の紛失届けを警察に翌日提出している事から,犯行とは関係がないと見られている。紛失時期に遡ると,テロ攻撃は7月から計画されていた事になる。
日本ではイスタンブールのシナゴーグ爆破事件について、こうした捉え方がまったくなされていない。どちらが正しいかということよりも、こうした角度からも分析する必要があるということに気が付いてほしい。
http://www.tkfd.or.jp/news/today/1_20031119_2.shtml
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「Re: 傷害罪と銃刀法違反を犯しても佐々木良昭拓大元教授なら書類送検だけだって 」
http://www16.tok2.com/home/asyura/sora/nihon1/msg/401.html