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米英がイラク攻撃を始める直前にフセイン大統領にインタビューしたことでも有名になった“社会主義者”トニー・ベン氏がBBCのディベート番組ハードトークに出演した。
(これから未明にかけて三度ほど繰り返し放送されるはず)
文字媒体を通じては知っていたが、映像媒体でまとまった主張を見聞きしたのは初めてだったが、その信念と論理にはひとまず敬服した。
● 貧乏人がどうして貧乏になるかではなく、金持ちがますます富を増やすわけを考えなければならない。世界の90%の人が富を生み出し、10%の人がその富を所有している。
これは、資本主義が民主主義には適合しないことを意味する。
● グローバリズムは、多国籍企業や銀行は世界から富を奪うための政策である。
そのため、後進国に対して、公共企業の民営化を強い、社会保険や教育というお金のかかる財政支出を減少させようとしている。
世界一の金持ち国家の米国で4400万人の医療保険未加入者がいてまともに医療を受けられないという状況のおかしさを考えるべきである。困窮していても医療保険や教育はきちんと行われているキューバのほうがまっとうだ。
● [フセインは政治的弾圧と虐殺を行ってきた]という問いに、そのようなフセイン政権に武器を供給していたのが米英である。そのような歴史的経緯に頬かむりをして、フセインを断罪するのは欧米の偽善である。
開戦前にアジズ副首相と会って話をしたが、83年にラムズフェルドがやってきて化学兵器の供給を申し出たといっていた。そして、クルド人に化学兵器を使ったときに議会でその問題を取り上げたとき(トニー・ベン氏は当時労働党議員)、政府(サッチャー政権)は、「イラクは同盟国だからそのような問題を取り上げるわけにはいかない」と言っていた。
また、米英はイラク攻撃で2万人ものイラク人を殺害しており、今なお毎日イラク人を殺害している。
● [何であれ、イラクに民主主義の可能性を創出した]という問いに、米英が石油を奪う可能性を創出し、イラクの資産を民営化し多国籍企業が利益を持ち出せるようにしただけだ。
イラクの民主主義はイラク国民自身の問題で、爆撃や恫喝で生み出されるものではない。
民主主義を持ち出すのなら、米英が重要同盟国とするサウジアラビアこそ爆撃されなければならないだろう。
● [ジンバブエのムガベ大統領について]の質問に対し、ジンバブエの問題は19世紀末にセシル・ローズが黒人から土地を奪い白人に分け与えたのが発端であり、自分も独立前のジンバブエに1年ほど居たが、イギリスの植民地時代には黒人のただ一人にでも選挙権は与えられていなかった。
ムガベ大統領を擁護するわけではないが、このような歴史を顧みないで、ムガベ政権に強圧的な対応をするのは偽善である。
1848年の「タイム」誌は、「奴隷制度をやめるわけにはいかない。米国のプランテーションには奴隷が必要だ。奴隷制度については、法的規制を行うようにすべきだ」と主張している。
● [共産主義国家が崩壊したのにまだ社会主義を主張するのか]という問いに、火あぶりが行われた魔女裁判がイエス・キリストの責任とはいえないように、ソ連など中央集権共産主義国家の失敗は社会主義を否定するものではない。
● ニュー労働党は、サッチャー自身が認めるようにサッチャー派政党である。