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(回答先: ガンディー非暴力主義の継承が強調されなければならない時期を強調する。 投稿者 木村愛二 日時 2003 年 10 月 30 日 20:30:42)
暴力を礼賛する立場とその姿を書き留める立場は違います。
フィスクの場合は後者です。
ジャーナリストにもいろいろなスタイルがあると思います。
さまざまな情報の断片を分析して「背後」の隠れた絵を再構成して描写する、
というスタイルももちろんあるでしょう。
一方であくまでも見たこと聞いたことをそのままを書く、というジャーナルという言葉本来のスタイルにフィスクはこだわっているように思えます。暴力礼賛の匂いがするならば、それはそのままイラクの状況を活写しているということではないでしょうか。
そして、フィスクが描かなかったら我々が現場にいなければ知りえないような暴力、公の機関は発表しないような暴力がそこにまかり通っている。批判は現実の精緻な観察、自分で見ること、聞くことから始まる、という信念を感じます(と書きながら、一方で官製ニュースをバーターしつつ記者クラブでうろうろしている日本の記者たちを思いだしましたが)。
このスタイルを貫こうとする稀有なジャーナリストに、それは間違っている、ガンジーの「非暴力主義を説け」、ないしは深遠な思想を開陳しろ、というのはひとまずは筋違いではないかと私は思います。
...とはいっても、原文は客観的ながらペシミズムを漂わせるかすかな皮肉をもって流麗としたためる文体なのですが、私の和訳は少し力が入ってしまって、誤解を生じているかもしれません。