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蚊によって感染する熱帯病「マラリア」は現在でも、アフリカ大陸を中心に猛威を振るっているが、病気の原因となる原虫を媒介する蚊を「核の力」で殲滅するプロジェクトが国連のIAEA(国際原子力機関)で進められているそうだ。 マラリアの原虫を媒介する代表的な蚊、ハマダラカ(=AFP) 「核の力」と言っても、マラリアが発生している地域に核兵器をぶち込むわけでは、もちろんない(蚊だけじゃなく人間も殲滅されちゃうもんね)。オスの蚊に放射線を当て断種し、それを放してメスと交配させる。卵は不妊化されて孵化しない。それを繰り返して蚊を絶滅しようというわけだ。 この方法、SIT(Sterile Insect Technique=昆虫断種法)と呼ばれている。放射線を照射された蚊が放射能汚染を引き起こす可能性はない。 これまでに、1970年代にエルサドバドルでSITを使ってマラリア蚊を駆逐に成功している。沖縄でも1970年代に、蚊じゃないが、卵で野菜を腐らせるウリミバエというハエをSITで絶滅させている。(……へへ前に、NHKのプロジェクトX「8ミリの悪魔 VS 特命班」でやってました。燃えた!) 400万jの予算が組まれているこのプロジェクト、今後5年で。1日100万匹の断種されたオスの蚊を「生産」する体制を整える。 エチオピアのマラリア患者(=ロイター) マラリアはサハラ砂漠周辺を中心にアフリカ大陸で大流行して、ものすごい被害がている。IAEAの試算によると、子供を中心に1年に数百万人、20秒に1人の割合でマラリアで死んでいる。経済的損失はGDPで120億ドル(約1兆3000億円)に達するそうだ。 04/26/2004 12:53
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