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イラクへの自衛隊派遣を巡り、公明党が対応に苦慮している。
政権与党としては、テロにひるまずに日本のイラク復興支援を実行しなければならない責任を負っている。しかし、支持母体の創価学会は治安情勢の悪化で自衛隊派遣への慎重姿勢を強めているからだ。
6日に党全国代表者会議を控え党執行部は、自衛隊派遣に関する発言は避け、首相の方針決定をじっと見守っている。
冬柴幹事長、北側政調会長ら幹部は2日午後、国会内で臨時の常任役員会を開き、イラク問題への対応などを協議した。出席者によると、役員会では「外交官殺害事件の真相を解明する必要がある」「政府の国民に対する説明が足りない」などの意見が噴出したが、自衛隊派遣の方針を否定する意見は出なかったという。冬柴幹事長は記者団に対し、「今、大事な時だから勘弁してくれ」と協議内容については口をつぐんだ。
党幹部が発言を控えている理由の一つは、自衛隊派遣に積極的な発言をすれば、派遣に慎重な支持団体から批判を浴びるためだ。
イラクで国連事務所など外国人を狙った爆弾テロが頻発するようになって以降、創価学会内では婦人部を中心に、自衛隊派遣への慎重論が強まっている。創価学会の集票力を背景に衆院選で公明党が勢力を伸ばし、自民党候補の当選にも貢献したことで、学会員の中では「連立与党として公明党も自民党にはっきり注文をつけるべきだ」という意見が力を増している。
一方で、小泉首相や自民党との連携を重視する公明党執行部には、「公明党が表立って慎重論を繰り返すと、小泉首相が方針を決定しづらくなる」という配慮があるようだ。保守新党が自民党に合流したことで、公明党は連立を組む自民党と「一対一」で向き合うことになり、その動向はこれまで以上に注目されているからだ。
神崎代表は先月26日の記者会見で、「政府が方針を決める段階で与党に報告があると思う。そういう時期がくれば、私たちの意見も申し上げたい」と語っていた。だが、神崎代表は29日に外交官殺害事件が起きた後も地元の福岡にとどまっており、2日の役員会は欠席した。公明党に近い自民党幹部は2日、イラクへの自衛隊派遣について、「公明党は何も言わずに大人の対応をしている。米国との約束もある。あとは首相に最高司令官として決断してもらうしかない」と語った。
公明党内では、「自衛隊派遣の基本計画は閣議決定したうえで、実際の派遣は、来年の通常国会で派遣命令を承認した後に先送りする」などの案も取りざたされている。しかし、「自衛隊派遣が大幅に遅れれば、米国やイラクへ軍隊を派遣している国から日本が信用されなくなる」(党幹部)というジレンマがある。
党幹部の1人は2日、「イラクで殺害された外交官の遺体が日本に戻り、6日に合同葬が予定されている。『テロに屈するな』というムードが高まるかどうか、世論の動向をみたい」と語った。
(2003/12/3/00:06 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20031202ia29.htm