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http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031114ig90.htm
日本が自衛隊派遣を検討しているイラク南部でイタリア軍警察に対する自爆テロが起き、派遣部隊の安全への不安が強まっている。
福田官房長官は十四日、自衛隊派遣の方針は変えないが、「年内」としてきた派遣時期については、慎重に判断する考えを示した。何よりも、隊員の安全を第一に考えるのは当然だ。現地の情勢を見極める必要もある。
だが、ひるんではならない。
テロの狙いは、イラクをフセイン残党やテロ勢力の支配下に置くことだ。
小泉首相はラムズフェルド米国防長官との会談で「テロリストに屈してはならない」との認識で一致した。日本が尻込みし、自衛隊を派遣しないとなれば、テロの脅迫に屈し、イラク復興支援の国際共同行動から離脱することを意味する。国際社会からの軽侮は免れまい。
自衛隊派遣は、日本が国際社会の平和と安定のために責任ある役割を果たすためだ。それが日本の国益でもある。
イラクの復興、再建を通じて、イラクをはじめ、中東地域の安定、ひいては国際社会の安定を図ることは、日本の平和と繁栄のためにも必要だ。日本が、輸入原油の九割近くを中東に依存していることを考えればなおさらだ。
治安維持は米国などにゆだねるとしても、復興・人道支援で、日本の自衛隊が側面から支援することは、日米の信頼関係を強め、同盟を強化する。日本自身の安全のためにも重要な意義がある。
首相は、先の衆院選で、与党が絶対安定多数を確保し、イラクへの自衛隊派遣に「国民の支援と支持を得ることができた」と述べた。その通りである。
だが、なぜ自衛隊派遣なのかについては、首相自身がさらに説得力ある説明をし、国民の理解を深める必要がある。
治安情勢が改善されても、自衛隊がテロの標的となる危険はある。何よりも、派遣される隊員の安全確保が肝要だ。
自爆テロを防ぐには、強力な火器も含め、万全の装備を携行していくことが必要だ。だが、どんな装備も、状況に応じて適切な使用が出来るのでなければ、宝の持ち腐れでしかない。
自衛隊派遣に当たっての武器使用基準は、「正当防衛・緊急避難」が原則だ。国際標準とは程遠い。警告、威嚇、警告射撃を経てはじめて、攻撃してきた相手への射撃となる。これで、一瞬のテロ攻撃に対応できるのだろうか。
自衛隊を派遣する以上は、政府・与党は無論、責任政党として、民主党も、隊員の安全確保へ、実態に即した建設的な論議をする必要がある。
(2003/11/15/02:01 読売新聞 無断転載禁止)