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http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031110k0000m010157002c.html
「国民の支持は高く、選挙に強い」――。そんな「小泉神話」に陰りが見えた9日の衆院選だった。与党3党で絶対安定多数を確保したことで、自民党内には、表向き安堵(あんど)感が広がっているが、党内の力学は微妙に変化し、小泉純一郎首相の改革推進力は低下するとの見方が出ている。また、自民党は、公明党・創価学会票の協力で何とかしのいだとの見方が強く、今後、「公明党依存体質」が、いっそう強まる可能性がある。
「与党3党が安定多数を確保できれば、我々が言っていることが理解、支持されたと受け止めていいんじゃないか」
東京・永田町の自民党本部で、小泉純一郎首相は、終始、強気の姿勢を崩さなかった。中川秀直国対委員長は「有権者は政権選択で与党を選んだ。有権者は政権交代を望んでいない」と胸を張ってみせた。
しかし、比例代表では民主党が「第1党」に。小選挙区でも、首相の盟友、山崎拓副総裁らが落選した。首相の思惑通りの日程で進めてきた衆院選だが、ふたを開けてみれば、大抜てきした安倍晋三幹事長の人気も、ブームを呼ぶには至らなかった形だ。
こうした中、青木幹雄参院幹事長青木氏は10日未明、記者団に「いい結果だ。安定した政権できちんとやっていける」と語った。だが、周辺には「衆院選が終わると、議員は解散に脅かされる心配がなくなる。小泉さんも2回も3回も解散は打てない。党所属議員の立場が小泉さんより強くなる」とも語り、今後の首相の党内運営を早くもけん制した。
森喜朗前首相も、同一歩調を取るように、「小泉さんが自分の政策や理想をかなえたいなら、挙党体制が必要だ。1人だけ強がっていても、ピエロやドン・キホーテと一緒だ」とくぎを刺した。
一方、政権内では公明党の発言力が強まるとの見方が出てきた。「苦戦した候補がきん差で民主党候補に競り勝つことができたのは、堅い公明・学会票のおかげ」との見方は党内で強く、自民党幹部の1人は「公明党への依存度が高まったのは間違いない。自民党の足腰は弱った」と語った。
9月の総裁選で3年の任期を得た首相だが、「長期政権の保証」は、今回の選挙では得られなかった。改革を推進することが支持を回復することになるという首相と、「独走」を止めようとする党側。これに有権者が機敏に反応し、支持率を左右する――。首相の相手は、大きく議席を伸ばした民主党だけではない。【中川佳昭】
[毎日新聞11月10日] ( 2003-11-10-03:03 )