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(回答先: 国産ロケット「H2A」の打ち上げ失敗 信頼性は低下 [asahi.com]【何てこった!】 投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 11 月 29 日 15:03:54)
情報収集衛星(偵察衛星)2機を載せた国産ロケット「H2A」6号機は29日午後1時33分、鹿児島県・種子島から打ち上げられたが、第1段ロケットに取り付けられた大型固体補助ロケット(SRB)2本のうち1本を分離できなかったため、ロケット全体が約11分後に地上からの指令で爆破された。安全保障などを目的とした衛星の本格運用が遠のいた上、日本の宇宙技術への信頼を大きく揺るがす失敗となった。
国産主力ロケットの打ち上げ失敗は、99年11月の「H2」8号機以来3回目で、後継のH2Aでは初めて。
H2Aは宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げられた。三戸宰(つかさ)理事によると、第1段ロケットを分離し、第2段エンジンに点火したが、予定の速度に達せず「衛星を軌道投入できる見込みがなくなった」と判断。地上被害を防ぐため、高度422キロの太平洋上にあった時点で衛星ごと爆破する指令を出した。
ロケット本体のカメラからの画像を調べたところ、1つのSRBで第1段とつなぐ計6本の支持棒のうち、上部の2本が切断されず、SRBが第1段の分離まで一緒に飛行を続けていたことが分かった。このため、約10トンあるSRBの重さと空気抵抗で十分な推力が得られず、飛行コースがずれたとみられる。
SRBは信号で固定部を火薬で破壊する仕組みで、一部がうまく破壊されなかったらしい。
宇宙機構は事故対策本部(本部長・山之内秀一郎理事長)を設置。文部科学省も対策本部(本部長・稲葉大和副大臣)を設けた。
偵察衛星は光学衛星とレーダー衛星の2機1組で、今年3月に初めて打ち上げられた2機といずれも同型。製造費は公表されていないが、ロケットの打ち上げ費用約100億円と合わせ、損失額は少なくとも数百億円にのぼる。来年4月ごろに4機体制で本格運用が始まると、地球上のあらゆる地点が1日1回撮影可能になり、朝鮮半島の核施設など安全保障にかかわる情報収集や、大規模災害時の被害把握などに役立つとされていた。
当面は2機の運用にとどまり、能力が半分の現状が続く。国見昌宏・内閣衛星情報センター所長は05年と06年に予定される交代機の打ち上げ前倒しについて「原因究明を受け、可能かどうか検討したい」と述べた。
打ち上げには失敗時の調査費用になる約2億円の保険がかけられていたが、衛星は無保険だった。
今回の失敗により、衛星打ち上げの産業化は大きく遠のき、今年度中に予定されていた7号機による気象衛星「ひまわり」後継機の打ち上げにも影響する恐れがある。
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<H2Aロケット> 国産主力ロケットの前身「H2」が98、99年に連続失敗したのを教訓にエンジンなどを改良し、01年8月に初打ち上げ。コスト削減にも努め、打ち上げ費用は国際水準に近い94億〜106億円に。直径4メートルの2段式で液体燃料を使う。
積む衛星の重さなどにより、固体補助ロケットの組み合わせを変える。今回は、3月の情報収集衛星打ち上げの時と同様、補助ロケットを大型2本、小型4本使い、現段階での最大打ち上げ能力(静止衛星なら当初軌道に5トン級を打ち上げ可能)。重さは衛星を積まない状態で約350トン。全体の高さは57メートル。
(11/29 21:51)
http://www.asahi.com/science/update/1129/001.html