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(回答先: 仙台の筋弛緩剤事件、異例の「3日間論告」始まる [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 11 月 19 日 21:29:56)
19日午前9時半過ぎ、仙台地裁101号法廷。守大助被告は入廷すると、母親と、交際中の女性が見守る傍聴席に目をやった。
逮捕から2年10か月。接見は証拠隠滅の恐れがあるなどとして制限された。弁護士以外は家族に限られ、家族も10月までに3回、合わせて35分間だけだった。集中審理に伴い週2回、公判の開廷前に目と目を交わす「アイコンタクト」が、被告と家族に許された貴重な“会話”になった。
◆法廷では多弁◆
家族との対面を制限された憂さを晴らすかのように、法廷での守被告は多弁だった。
150回に及ぶ公判のうち、21回を割いた被告人質問。守被告は、検察側の主張をことごとく否定してきた。唯一の死亡者の下山雪子さんと、同じ日に容体が急変した45歳男性の事件では、「筋弛緩(しかん)剤など混入していないし、点滴ボトルをすり替えてもいない」。1歳女児の事件では、被告自身が筋弛緩剤の入っていたとされる注射器を点滴器具に接続したとの複数の目撃証言に対し、「血液凝固防止剤の入った注射器を看護主任に手渡しただけ」と強調した。逮捕直後の自白については、「刑事さんに言われるまま、犯行を認めてしまった」「きっちり調べれば分かってくれると思った」と繰り返した。
◆追及には一転、押し黙る◆
ただ、検察側の追及に対しては、一転して寡黙になる場面も少なくなかった。
無実を訴えた自らの著書や、弁護側が要求して行われた異例の「弁護側冒頭陳述」と異なる法廷での供述を指摘されると、「今の記憶が正しいとしか言えない」「弁護士の先生には詳しいことは話さなかったかもしれない」。検察側証人の発言との食い違いについて、「証人がみんな、うそをついているのか」と追及された時には、「私はうそを言っていないので、そうなると思う」とだけ語った。
下山さんには「お嫁さんを紹介したい」と言われるほどかわいがられ、4歳男児には「お兄ちゃん」と慕われたという守被告。一方、検察側は、この2人にも、医師に対する嫉妬(しっと)や虚栄心、給与面の不満などから犯行に及んだとしている。
守被告は、仲の良い患者さえ手に掛ける無差別殺人を意図したのか。弁護側の主張するように、事件は幻なのか。3日間にわたる異例の論告で検察側は全体像をどう描き出すか。法廷内外から視線がそそがれる。
(2003/11/19/14:25 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20031119i206.htm