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刑事裁判をさらに歪めかねない仕組みを画期的だと評価する毎日新聞記者の理性を疑う
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 11 月 05 日 23:52:15:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: <福岡一家殺害>「被疑者調書」作成 犯罪国際化に画期的手法(毎日新聞) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 11 月 05 日 22:23:15)


福岡一家殺害事件の捜査の方向性に異を唱えているからというわけではなく、毎日新聞の山本修司氏の論調に危険性を感じる。

以前投稿したが、あの事件がこのようなかたちの裁判で進められることに強い危惧心を抱く。


>福岡市の一家4人殺害事件で、福岡地検が中国当局の協力を得て、事実上の「被疑者
>調書」を作成するという手法は、画期的と言えるだろう。


>だが、今回の手法は、日本の検事が立ち会うため、公判で被告側が反対尋問できる。
>黙秘権の告知などで任意性も担保し「嘱託尋問調書の欠陥を補うもの」(検察幹部)
>とみることができる。

日本側の検事が立ち会って調書を作成したからといって、公判で被告側が反対尋問できるわけではない。

まさか、検事が中国で勾留されている被疑者の代わりに弁明できると考えているわけではないだろう。
検事が言えることは、「確かに私は彼がそう語ったのを聞いた」というものである。

「今回の手法は、日本の検事が立ち会うため、公判で被告側が反対尋問できる」というのは錯誤である。


より重要な問題は、犯行グループとされる3人の内2人は中国に逃走し残り1人が日本に残留している状態で捜査当局に身柄を拘束されていることである。

中国に逃げ帰った2人は緊密な関係があり、日本に残った1人は2人とはそれほど親しくないという可能性を窺うことができる。

そうであるならば、逃げ帰った2人は、自分たちの罪を軽くするために、日本で逮捕された魏被告&被疑者に重要な役割を押し付け、自分たちは使い走りでしかないことにしようと共謀している可能性もある。

日本の検察や裁判所も、中国の2人の身柄引渡しがされないのであれば、子供二人を含むあれだけの殺人&遺体遺棄事件を犯した者に厳罰を下したいという思いを持ち、中国にいる二人の調書を重視し、魏被告側の言い分(抗弁)をそれほど尊重しない可能性がある。

毎日新聞の山本修司氏は、このようなことを考えた上で、「福岡地検が中国当局の協力を得て、事実上の「被疑者調書」を作成するという手法は、画期的と」考えたのであろうか。

中国の二人の身柄が引き渡されないのなら、担当弁護士は証拠採用に不同意とし、担当裁判官は、二人の調書を証拠として採用しない決定を下し、物証と魏被告の調書に依拠した審理を行うよう指揮すべきである。

自白偏重は日本の刑事裁判の悪弊であり、それに輪をかけるかたちで裁判を歪めかねない仕組みを画期的だと評価する毎日新聞記者の理性を疑う。


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