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(回答先: 私の旧HN”ミミズ”はダーウィンの研究した「ミミズの知能」についての本を読み、採用しました。 投稿者 シジミ 日時 2004 年 1 月 16 日 20:16:54)
「あらためて人工知能を考える」云々の記事をこちらに紹介したのは、
「アフォーダンス」についての言及があり面白いと感じたことと、
それをIT機器や家電製品の操作性(マン/マシン・インターフェイス)の問題に
結びつけて論じている発想に共感を持ったからでした。
「アフォーダンス」についていえば、これまで「知能」といえば、ユダヤ・キリスト教
的な観念論、つまり“造物主に似せた泥人形”と見なされたヒトを、唯一の「知能の
持ち主」と信じる態度から脱皮できなかったという限界があったと思います。
(チョムスキーの言語観や人間観なんかも、そうしたユダヤ・キリスト教的観念論
の虜になっていて、それが種差別を生み出しかねない思想的な落とし穴を
生み出す危険性を孕んでいると思うのですが……。)
しかし生物個体の(個体内環境および体外環境に対する)生理学的で
ダイナミックな適応と、環境との相互作用を前提にした、「アフォーダンス」の
発想は、旧約聖書の固定的で狭隘な人間観や、そこから派生した「知能」観を
突破できるものではないかと思っています。
これは単なる思想的な問題ではなく、「脳死」問題との関わりにおいて、
人の殺生を認めるかどうか、という生々しい案件にも関わってきますし、
動物(や植物)の殺生をどう考えるか、という案件にも関わってきます。
脳、とくに大脳だけが「知能の座」「精神の座」であるという観念論というか
迷信が、これまでは「科学的」だと見なされて蔓延してきたわけですが、
人間個体の適応は、脳のみで調整されているわけではないですし、
「認識」活動が、「脳」だけではなく他の生体組織や臓器やシステムとしての
身体によって行なわれているなら、「脳の機能不全=ヒトの個体死」という
ドグマは成り立たなくなります。 (異種動物の神経組織を胚の時に移植され、
タマゴから孵[かえ]ったトリでは、免疫系が[本来は異種動物由来の]脳組織
を“異種”と認識して攻撃し、その結果、このトリは死んでしまう、という実験
結果がありましたが、これなども、脳のみが「知能の座」を独占しているという
迷信を打ち破る開明的なものだったと思います。)
ともあれ、直感的に操作できない家電製品やIT製品は、欠陥商品であると
私は思っています。 その意味では、あいかわらずマウスやタッチパッドに
頼ってポインターを動かしているパソコンは愚の骨頂だと思いますし、
親指をせせこましく動かしてケータイでメールを打ってる人をみると
「あほか!」と思います。 そういう基本的な部分で不便を不便のままに
している電器メーカーはろくでもないと思います。
IT業界が顧客を獲得したいなら、長期的には、優れたマン/マシン・
インターフェイスを開発していくことが決定的に重要になると思います。
だって、高齢者などが生理的にも知識やスキルの点でも使いこなせない
ガラクタを売り出しても先が見えていますから……。
……ところで、シジミさん。あなたのご投稿はとても興味深いトピックスばかりで
楽しませていただいておりますが、投稿の「件名」が長すぎると、同報メールでは
トラブルが起きて読めないことがあります。「件名」は最長でも全角40字程度に
おさえてもらえると助かります。 今後のご活躍を期待しております。
……ということで、それでは失礼いたします。