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(回答先: 流氷を追って(4) アムールの恵み【ホーツク回廊を行く:Yomiuri Online 知床特派員】 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 2 月 01 日 04:28:04)
■ 温暖化進み消える前に
世界150か国を超える参加者が一斉に立ち上がり、大きな拍手が会場を包んだ。
「地球環境を守るために一歩でも前進せよ、との大統領のメッセージを持ってきた」 1997年12月、京都市の国立京都国際会館会議場で行われた地球温暖化防止条約京都会議に出席するため、当時の米国副大統領アル・ゴア氏が来日。もつれる会議を収拾し、温暖化防止の政策プログラム「京都議定書」をまとめた。
世界は、地球温暖化防止に向けて大きく動き出すかに見えた。ところが、ゴア氏は大統領選に落選し、米国は議定書から離脱。温暖化をもたらす二酸化炭素の排出量は、年々増加を続けている。
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「温暖化の影響を地球上で最も早く受けるのは、オホーツク海と流氷かもしれない」。北大低温科学研究所の若土正曉教授(59)は心配する。
流氷が着岸する場所として、知床半島は世界で最も低緯度にある。北極や南極と違い、太陽光線は強い。温暖化で少しでも流氷の勢力が弱まると、強い太陽光線はあっという間に流氷を解かしてしまう。
「もし、オホーツク海のシベリア北部沿岸にある“海氷製造工場”がなくなると、環境の変化はシベリアや北太平洋だけでなく、はるかアラスカ、カナダにまで及ぶ」(若土教授) 温暖化は、世界の海洋深層水の大循環の向きを逆転させてしまう、との指摘もある。そうなれば、生物の宝庫となっているオホーツク海も、栄養のない死の海へと変貌(へんぼう)してしまう。
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北半球では、すでに人間活動の温暖化への影響がでている。国連の温暖化研究機構「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の最新報告書は、北半球で積雪面積や海氷面積が減ったと報告。日本政府の知床世界自然遺産の推薦書も「流氷は気候変動の高感度センサー。北海道沿岸の気温が4度上昇すると、流氷が消滅する」と地球規模での対策を訴えた。
オホーツク海を支えるアムール川の流域では、森林伐採や大規模な森林火災など新たな問題も発生している。長年、シベリアの環境保全に取り組む国際的な環境保全NGO「FoEジャパン」の野口栄一郎さん(32)は「アムール川流域では、森林伐採が急激に進み、材木の多くが日本、中国に輸出されている。日本人の私たちは、この現状を見据える必要がある」と訴える。
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北半球では、すでに人間活動の温暖化への影響がでている。国連の温暖化研究機構「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の最新報告書は、北半球で積雪面積や海氷面積が減ったと報告。日本政府の知床世界自然遺産の推薦書も「流氷は気候変動の高感度センサー。北海道沿岸の気温が4度上昇すると、流氷が消滅する」と地球規模での対策を訴えた。
オホーツク海を支えるアムール川の流域では、森林伐採や大規模な森林火災など新たな問題も発生している。長年、シベリアの環境保全に取り組む国際的な環境保全NGO「FoEジャパン」の野口栄一郎さん(32)は「アムール川流域では、森林伐採が急激に進み、材木の多くが日本、中国に輸出されている。日本人の私たちは、この現状を見据える必要がある」と訴える。
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北大低温科学研究所はいま、文部科学省総合地球環境学研究所(京都市)の協力を得て、新たな取り組み「アムール・オホーツクプロジェクト」を計画している。
林学、経済学などの研究者も加え、学問の枠を超えてオホーツク海とアムール川流域とのつながりに人間活動がどのような影響を及ぼしているかを解明しよう、という壮大な研究だ。
すでに、2年がかりで調査対象地のロシアとの交渉を進めている。2005年には本格的な研究に踏み出し、5年以上の長期的な調査活動を始める予定だ。
北大低温研の本堂武夫所長(56)は「オホーツク海とアムールの未来のため、極東地域の研究機関である北大の役割は大きい」と意気込む。
流氷とオホーツク海、そして地球の未来に向けて、研究者たちの新たなドラマが続く。
流氷を追って(5) 未来