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(回答先: 福岡人工島「トトロの街」構想 暗礁 宮崎監督が関与拒否(西日本新聞) 投稿者 nu 日時 2003 年 11 月 21 日 00:22:24)
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/syasetu.html
博多湾の人工島(アイランドシティ)に、「となりのトトロ」などの作品で知られるアニメ映画監督、宮崎駿さんがイメージした「夢の街」をつくるという構想が、発表から一週間でつまずいた。
「アドバイザー」とされていた宮崎さんが、「今後、住宅開発など人工島の事業にはいっさい関与しない」ことを明らかにしたからだ。
「照葉のまち」と名付けられたこの街は、宮崎さんの描いたイメージスケッチをもとに、クスノキやシイなど照葉樹林の「鎮守の森」を造り、建物の屋上や壁面を緑化するなど、みどりがあふれた「森の島」を目指している。
構想には、さまざまな夢が盛り込まれている。家の境界は生け垣などにして、庭も隣と共有する。保育園は街の一番いい場所につくり、子どもたちが土や木、生き物などに直接触れられるようにする。マイカーは住宅街の外の共同駐車場に入れ、街の中は通過車両を極力排除し、子どもや高齢者、障害者が安心して歩けるようにする、などだ。
福岡市は、こうしたまちづくりのデザインを描き、人工島の南東の一角に約十八ヘクタールの住宅地を開発して、大々的に売り出すことにしていた。
人工島はケヤキ・庭石の購入問題などで不祥事が相次ぎ、事業計画の先行きに不安が広がっていた。「照葉のまち」は、あせりを強める同市が宮崎さんの知名度にあやかって、失墜した事業のイメージ回復を図ろうとしたのだろう。
宮崎さんがこのプロジェクトから手を引いたことで、同市の戦略は出だしからつまずく形となったが、「子どもからお年寄りまでかかわり合える自然豊かな街づくり」という考え方は、これからのまちづくりの一つの方向性を示しているのは間違いない。
同市は「二十一世紀の新しいまちづくりのモデルにもなる」として、引き続きプロジェクトを推進するという。しかし、海を埋め立てた人工島の中に、そんな「夢の街」が本当に実現できるのか。
冬場に玄界灘から北西季節風が吹きつける人工島は、植物の生育には厳しい条件だ。高額購入が問題となったケヤキは、一部を試験植栽したところ、潮風に弱く、枯死してしまった。照葉樹林は元気に育つのか。都市プランナーが中心になってデザインを描くだけでなく、植物生態学などの専門家の意見を聞きながら、慎重に進めるべきだろう。
人工島の近くには、渡り鳥の中継・越冬地として二百種以上の野鳥が確認されている国の鳥獣保護区、和白干潟もある。住宅地開発が野鳥の生息にどのような影響を与えるかも、調査が必要だ。
人工島の新事業計画には、太陽光発電住宅や高齢者ビレッジなどユニークな構想も盛り込まれている。その中で「照葉のまち」をどう位置づけるのか。人工島の全体像も明らかにしてほしい。