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Re: 【横浜市立大学について書いてありました】「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ−グローバリゼーションと不満」
http://www.asyura2.com/0311/ishihara7/msg/156.html
投稿者 なるほど 日時 2003 年 11 月 18 日 17:39:25:dfhdU2/i2Qkk2

(回答先: Re: 【横浜市立大学について書いてありました】 投稿者 処方箋 日時 2003 年 11 月 13 日 23:42:10)

処方箋さん、ご教示有難う存じました。これに少し関係ありそうな『金で買えるアメリカ民主主義』の箇所を発見致しました。以下転載


第四章「レクサスを売れ、オリーブの木を燃やせ−グローバリゼーションと不満」の中に、
「四段階プログラム」今回は、2001年3月に起こったエクアドルの暴動に、IMFや世銀がどう関わっていたかという部分を載せます。

(引用開始)

・・・・世界銀行や国際通貨基金(IMF)の深部から出てきたファイル、欧州委員会や世界貿易機構(WTO)の職員デスクの引出しから出てきた資料だ。その中身は国別援助戦略、第一三三条に関する外交通信文書、事務局のメモなど・…新しい国際経済というものを考え出し、それを規定している期間の内部から流出したグローバリゼーションに関する生々しい文書ばかりだ。

・・・・・・・

二〇〇一年三月、エクアドル政府が家庭用ガス料金を値下げしたとき、飢えた先住民たちは首都に火を放った。私はその時、世界銀行がその何ヶ月も前に作成した極秘の計画書を読んでいた。その計画書の中で、世銀とIMFは、それが国全体に火をつけてしまう可能性を知りつつ、エクアドル国内の家庭用燃料価格の八〇パーセント引き上げを指示していた。まるで暴動も予定通りだったかのようだ。
 そしてそれは本当だった。私の情報源の中で唯一名前を挙げられる世銀の元チーフ・エコノミストのジョセフ・スティグリッツは、「われわれはそれをIMF暴動と呼んでいた」と語った。暴動のみならず、暴徒への対応もプログラミングされていたのだ。対応のことは彼らの書類のなかで婉曲に「解決策」と呼ばれていた。・…警察、戦車、弾圧である。

・・・・・IMFが示すタイムテーブルに従い、政府は二万六〇〇〇人を失業させ、残りの労働者についても四段階を踏んで50パーセントの実質賃金カットを行わなければならなかった。二〇〇〇年七月までに、エクアドルは国内最大の水道システムを外資系事業者に譲渡し、ブリティッシュ・ペトロリウム社が、アンデス山中に石油パイプラインを通しそれを所有することを認めなければならなかった。
 これはまだホンの序の口だ。IMFがエクアドルに課した一六七項目におよぶ細かい融資条件は、「援助戦略」というよりはむしろ金融クーデターの青写真のように思えた。
 IMFは、そうするよりほかなったと反論するだろう。何と言ってもエクアドルは、国内商業銀行の破綻によって崩壊していたのだから。しかし、石油湯種国機構(OPEC)のメンバーであり資源にも余裕のあったこの国が、なぜこんなク居言うに陥らなければならなかったのか。
 それにはまず、一九八三年にまでさかのぼる必要がある。この年IMFは、エクアドル政府に対して、同国のエリートが複数の外国銀行から借り入れ、焦げ付かせた個人的な借金の肩代わりをするよう強要した。エクアドル政府は自国とアメリカ国内の銀行を救済するため、IMFから十五億ドルの借り入れを行った。
 エクアドル政府がこの借金を返済できるように、IMFは電気料金とその他の生活必需品の値上げを要求した。それでも十分な資金が集まらないと、また別の「援助戦略」が登場し、エクアドルに対して十二万人の労働者を失業させることを求めた。
 さらに、IMFに対する債務の山を必死に返済しているそのさなかに、エクアドルは愚かにも自国の小規模な金融市場を「自由化」してしまった。政府の管轄下にあった銀行を切り離した結果、民間債務は膨大になり、金利は暴騰した。エクアドルに金融機関の自由市場化などという愚かしい遊びをやらせたのは誰か。
 ヒント。頭文字はI・M・F。・…IMFが金融機関の自由化を、これまたもっと凶暴な「援助戦略」の条件にしたのだ。このひどい経緯は私のほうに飛んできた先ほどの書類とは別の、IMFの内部リポートに書いてあった。この書類にもまた「引用を禁ず」の文字が見える。引用しなかったふりをしよう。(p.189-192)

・・・・・・・・

世界銀行に城IMFにしろ最初からこのように、人より価格設定を愛する組織だったわけではない。
・・・・世銀は戦後の復興と発展プロジェクトに資金を提供すること、IMFは一時的に国際収支赤字に陥った国家にハードカレンシーを貸し付けることが当初の使命だったのだ。
世銀とIMFが変わったのは、一九八〇年からだ。八〇年代初め、石油価格が五倍に跳ね上がったことと、ドル利払いの急増で大きな打撃をこうむった第三世界の国家は、IMFと世銀に対し支援の要請をした。しかし彼らに与えられた債務免除ではなく、資金の貸し出しと引き換えに各国平均一一四もの「融資条件」がつけられた構造支援プログラム(SAPS)というものだった。詳細は国によって異なるものの、債務借り換えをちらつかせながら、貿易障壁撤廃、国の資産を海外投資家に売却すること、社会的支出を削減し、労働市場をより「柔軟に(組合を潰せ、と読みかえられる)」することなどを指示しているという点ではみな共通していた。(p.195)

・・・・・・・・・

・・・・今、私の前にいるのは、冷戦時代のスパイなれの果てなんかよりずっと大きな獲物だ。ジョセフ・スティグリッツは、かつての世界銀行のチーフ・エコノミストだった。新世界の経済秩序はおおかたが、彼が命を吹き込んだ理論なのだ。
 私は数日間に渡ってスティグリッツから「事情聴取」した。・・・・・

 一九九九年に、世界銀行はスティグリッツをクビにした。静かに退職することは許されなかった。聞いたところによると、世銀スタイルのグローバリゼーションに対してはじめてやんわりと反対意見を述べたスティグリッツに対し、アメリカ財務省長官だったラリー・サマーズは、公職追放を強く要求したという。
 ここワシントンでわれわれは、IMFと世銀、そして世銀の五十一パーセントを所有しているアメリカ財務省の、多くの場合隠されている本当の役割について語り合った。(p.197-8)

(引用終わり)

http://soejima.to/

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