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(回答先: 如往さんへ 投稿者 リーマン 日時 2003 年 12 月 20 日 00:18:37)
リーマンさん、こんにちは、レス有り難うございます。
果たしてすみちゃん(さん)ほどの鋭い煌きを発することができるのか心許なさを自覚しながら、現在の私の問題意識に響くものが多々あったことなどをよすがに、二、三の応答をしようと思い立った次第です。
>ところで、申し訳ないのですが、私は普段如往さんの書かれる文章は難解でほとんど理解できず、どのようなお人柄か存じ上げておりません。日頃難しくない文章ばかり読んでいる私にとって、如往さんの文章はちょっと荷が重過ぎるという印象なんです。
リーマンさんが難解と感じられるとしたら、それは私の失態であります。できれば洒脱にと心掛けてもなかなかそうはいかず、応用が利かない器量のためか、ついつい畏まった物言いになってしまいます。私にとってはリーマンさんの表現のほうが理想的で、羨ましくすら思っています。ただ、面白いことも掲示板の命ですので、適宜に読み飛ばしていただいて差し支えありません。
>「対象の動態把握に関する日本人の意識の低さは、マーケティング論的視座からもしばしば指摘されるところです。」って、例えば、日本のビジネス上のどのような部分を指していわれているのでしょうか?
これはある種トートロジーになってしまうのですが、「日本人はマーケティング論的視座に欠けるために、中でも変化する位相として物事を捉えられない傾向にある」と、変換できるかも知れません。さらに、これを基盤にした「仮説−検証」といったSolutionプロセスの蓄積の貧困も問題だと考えています。
今から30余年前、日本の新卒採用の慣行では特段珍しいことではなく、専攻とはかけ離れた実務のフィールドに職を得ることになるのですが、それでも当時はまだまだ馴染みの薄かったマーケティング理論は、履修外の講義で聴きかじって以来私の脳裡を離れることがありませんでした。やがて1回目のJob hoppingで、ドイツ系在日法人のPersonal divisionに配属されることになります。余談ですが、多分リーマンさんもご存知のように、日本企業には一般的であっても欧米系企業では統括的なAdministration divisionを設置する例の方が少なく、Administration(div)やPersonal(div)を置くのは在日法人に限られた特徴のようです。
そこでの上司は確かドイツ系米国人だったと記憶していますが、管理畑が長いのにも拘わらずマーケティング理論に相当に造詣が深かったことが驚きとして今でも印象に残っています。後に第二次大戦次時に米国が採り入れた英国製のランチェスター理論を知ることになり、マーケティング理論を戦略立案上の枢要な要件として置く見識に瞠目し、同時にこれではテクノロジーにおいて先の戦争の敗戦は必然であったと思い当たるに及びました。こうした戦略論が欧米で発達し、また演習・運用されていった成因を辿っていくと、この分野での日本との文明的差異の大きさや取り分け日本の文化的未熟さに直面し暗然とした思いになりました。
けれども、リーマンさんもお気付きのように、どんなテクノロジーを採用するのも、またテクノロジーを創出するのも、結局はマインド(信仰)の問題に帰趨するのではないかということです。もちろん、MBA留学や実践でテクノロジーを習得していく人材開発も一つの途ですが、私はfusibility studyやマーケティングもコストであると認識すべく企業経営に意識変革をもたらすことが喫緊の問題であり、並行して例えば契約関係及び交渉術等の初歩的な経営的手法を中学生頃から学び始めることが必要であると痛感しています。そのように現役組を鍛錬し同時に予備軍の底上げを図っていかないのならば、今でも日本は欧米にきちんと対峙してはない状況にあると認めざるを得ないと思っています。(極々教科書的で、すぐにでも手を着けられることなのですが。)
>こういう二次元の世界で生きているイモムシさん達は、三次元の世界から見下ろしているイギリス人がそのイモムシを割り箸でつまんで別の虫かごに入れられても気付かないようです。
欧米流のシニシズムを日本人が理解するのは難しいでしょう。もちろん、日本社会の中でもある層を形成する人種の間にもそれらしい風潮は存在します。私もその裾くらいに触れたことがありますが、日本流のシニシズムなどは、欧米(英国)のものと比べたら到底お墨付きが与えられるような代物ではないでしょう。
それはさておき、日本人がなぜこうもオメデタイ存在になってしまったのか、すみちゃん(さん)も原因を探ろうとしているようですが、私も同じようなことを目論んでおります。
体験を散りばめたレトリックも明快なリーマンさんのルポは、その場の薫りが伝わって来て大いに興味をそそられます。英国事情に関するもの等これからも期待していますので、よろしくお願いします。
また、会いましょう。