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http://www.asahi.com/international/update/0201/004.html
鳥インフルエンザ感染の疑い例が報告された中国上海では31日、感染の恐怖が市民生活を直撃し始めた。市場からは鶏やアヒルの姿が極端に減り、鶏肉専門店からは客足が遠のいた。
市中心部から東へ約25キロの南匯区康橋鎮は、金融開発区や工業開発区などの新たな開発が進む浦東地区にある。疑い例の出たカモ飼育場は、浦東国際空港からも約20キロ離れた、新築マンションや一戸建てが点在する畑が広がる農村だ。周辺は立ち入り禁止などの措置はとられず、経営する許生偉さん(34)も飼育場近くの自宅内で12日間の外出禁止が命じられている。血液検査を受けたが、発熱などの症状はない。
許さんの話では、飼育していたカモ8千羽のうち1月28日から翌日深夜までに計400羽が死んだ。恐怖と原因が分からない不安から死体を解剖してみたが、原因は分からなかった。当局に通報後、残り7600羽も押収された。カモは同飼育場産の生後80日程度で、当局から予防注射を勧められたが、措置を講じなかった。「これほど短期間に大量のカモが死ぬとは想像できなかった。原因が分からず、人への感染も怖い」
市新聞弁公室は31日、衛生当局が飼育場の半径3キロ以内の家禽(かきん)30万羽余りをすべて処分し、半径5キロ以内の家禽に予防接種を実施したと発表した。
インターネットサイト「山東禽業信息網」によると、02年の上海での家禽販売量は計約1.2億羽、計約17万トンにのぼり、上海市民は1人あたり年10キロ食べるほどの鳥肉好きだという。
市内最大の家禽卸市場「三官堂市場」では、約100店舗のうち31日開店したのは10店ほど。感染報告の出ていない山東省産のハトや江蘇省産の鶏などが細々と売られていたにすぎなかった。
市内23店舗のチェーン店を持つ鶏肉専門料理店「振鼎鶏」の愚園店では31日、客足は通常の半分にも及ばなかった。産地は疑い例の出たのと同じ南匯区内だが、専門の養鶏場から仕入れているため問題はないという。店員の一人は「大打撃を受けているが、明日以降も続けるしかない」。 (02/01 15:09)