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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040119-00000172-kyodo-soci
山口大病院（山口県宇部市、沖田極院長）は１９日、重い肝硬変の男性患者（６９）に昨年１１月実施した、肝臓に本人の骨髄細胞を注入する新しい治療法で、肝細胞の再生をうかがわせる症状の改善がみられたと発表した。
沖田院長によると、合併症もなく経過は順調。男性は１２月中旬に退院し、通院治療を受けているという。
男性は治療前には肝臓でつくられる血清タンパク質「アルブミン」の低下や腹水、血小板の低下などの症状が出ていたが、治療後の血液検査などで、アルブミンの値も約１カ月後に正常値の６−８割にまで上昇。腹水はほとんどなくなり、血小板は最高値でほぼ正常にまで戻った。
骨髄細胞が肝組織の再生を促したとみられるが、骨髄細胞そのものが肝細胞に分化した可能性を示すデータもあり、今後詳しく経過を調べる。（共同通信）
[1月19日18時3分更新]
【参考記事】
骨髄細胞で肝臓再生 山口大が国内初実施（中国新聞2003年11月19日）
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn03111901.html
▽移植頼らぬ治療
山口大医学部付属病院（宇部市、沖田極病院長）は十八日、肝硬変の治療で、患者本人から採取した骨髄細胞を投与し、損傷した肝臓細胞を再生させる国内初の「肝臓再生療法」を実施したと発表した。有効性が確認されれば、臓器移植によらない肝臓の治療が可能となる。
治療を受けたのは山口県内の六十歳代男性で、重症の肝硬変患者。再生療法は本人が希望した。同病院は十四日、男性から骨髄四百ミリリットルを採取。点滴で約六時間をかけ、腕の静脈から肝臓に注入した。
男性に拒絶反応や合併症などはなく、経過は順調。有効性の確認には少なくとも一カ月間の経過観察が必要としている。
再生療法は、沖田病院長らのチームを中心に五年前から、基礎研究を開始。約三千匹を使ったマウス実験で、骨髄に含まれる幹細胞によって傷んだ肝細胞が回復すると突き止めた。細胞の２０％程度で幹細胞が正常でない肝細胞と入れ替わっていた。
骨髄細胞を投与しないマウスの生存率（四カ月後）が４０％だったのに対し、投与したマウスは７０％にアップしたという。
実験結果や、患者自身の骨髄を使うため拒絶反応を引き起こす心配がないため、同病院の倫理委員会で承認を受けて臨床治療に踏み切った。
▽患者負担減へ道も
臓器移植問題に詳しい折田薫三岡山大名誉教授の話 マウスでの実験効果が人の慢性的障害に応用できるかは不透明だが、効果が確認できれば骨髄採取以上のリスクはなく、開腹が必要な臓器移植に比べ、患者の大幅な負担減につながる。経過を見守りたい。
▽重症肝硬変治療に道 山口大の「再生療法」
重症の肝硬変患者の治療に一歩前進―。山口大医学部付属病院（宇部市）が十八日、発表した国内初実施の「肝臓再生療法」。研究チームのリーダーでもある沖田極（きわむ）病院長は学内での記者会見で「治療効果が確認できれば、身体・経済的に負担が大きい臓器移植に替わる新しい治療法になり得る」と胸を張った。
沖田病院長によると、肝硬変による死者は全国で年間約三千人。肝臓病につながる慢性肝疾患がある人は二百万人に上る。しかし、重症の肝硬変患者にとって有効な治療方法は現状では、臓器移植に限られる。
再生療法は、開腹の必要がないため身体的な負担軽減が見込め、数千万円が必要とされる臓器移植に比べて費用減も期待できるという。
沖田病院長は、臓器移植の実践の難しさを指摘し「治療法の少ない肝臓病患者の道を開くためにも、一歩踏み込む必要がある」と再生医療の必要性を指摘した。
同病院は既に、心筋梗塞（こうそく）を起こした心臓に骨髄細胞を注射し、血管を再生させる治療法も実践している。
ただ、肝硬変については初の実践で、投与した骨髄幹細胞がどれくらい定着すれば成功か、という指標はない。「患者の回復状況でしか判断できない。じっくり経過を見守る」と慎重な構えだ。
臓器移植を希望する患者たちの支援活動をしている特定非営利活動法人（ＮＰＯ法人）日本移植支援協会（東京）の永井孝代表は「移植が実現した患者でも、免疫抑制剤を使い続ける必要があるなど負担は大きい。効果が確認できれば、画期的だ」と期待を寄せる。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。