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(回答先: インフルエンザ、ワクチン実用化に特許の壁 投稿者 たくげん 日時 2004 年 1 月 19 日 18:47:38)
【鳥インフルエンザ】 2004/01/19読売新聞朝刊スキャナー
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アジア各地で流行している「H5N1」型の鳥インフルエンザの動向を、世界中の公衆衛生専門家が息を呑んで見守っている。日本の養鶏場で見つかったケースも含めて、感染ルートはいまだ不明のまま。今後人から人へと感染する新型ウイルスに変身した場合、過去に例を見ない大流行につながる可能性も指摘されているからだ。
(科学部・原田信彦、社会部・鈴木俊昭)
ウイルス変異 脅威 人から人感染
まるで出血熱 流行すれば世界危機
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「もはや、インフルエンザとは言えない。まるで出血熱のような症状だ」。今月16日、厚生科学審議会感染症分科会を終えた田代真人・国立感染症研究所ウイルス第三部長は語った。
その直前、田代部長の手元には、ベトナムで鳥インフルエンザに感染し、死亡した患者の解剖結果が届いていた。ベトナム・ハノイ周辺では、昨秋以来、14人が重い肺炎を発症、12人が死亡し、うち4人は「H5N1」の感染が確認されている。その解剖結果には、肺や消化器官の障害以外に、多臓器不全を起こした例が含まれていた。最悪の感染症とされるエボラ出血熱などを思わせる全身状態だったのだ。
ベトナムの事例に加えて、昨年12月に韓国中部で「H5N1」による鶏の大量死が発生。日本でも今月、山口県の養鶏場で同型の発生が確認された。別の型だが台湾でも被害が出た。
今のところ、「H5N1」は鶏から人への感染はあっても、人間同士での報告はない。ベトナムの感染例について、世界保健機関(WHO)は「人間同士の感染の可能性を示すウイルス遺伝子変異は今のところない」との見解を発表したが、親子で発症した例もあり安心とは言えない。しかも、感染ルートはわかっていない。
実は、「H5N1」は、1997年にも、香港で、やはり鶏から人への感染により18人が発症し、6人が死亡する事態を招いている。通常のインフルエンザの死亡率は 0・01%とされるだけに、これだけでも恐るべき致死率と言える。
さらに現在、専門家がもっとも恐れるシナリオがある。豚の体内で鳥と人間のウイルスが混ざったり、従来の人型インンフルエンザと「H5N1」の同時感染でウイルス変異が起き、人の体内で別の型が生まれたりして、人から人へと感染する新型が出現する----というプロセスだ。4000万〜5000万人以上の死者を出したとされるスペイン風邪(H1N1型)など過去に大流行したインフルエンザも、こうした経過を辿って人間社会での「感染爆発」を引き起こしている。
厚生労働省研究班の推計には、スペイン風邪と同じ程度の感染力や病原性を持つインフルエンザが流行した場合、全世界で約30億人が罹患し、6000万人以上が死亡するというT悪夢のシナリオUさえある。
国は既に、感染症専門家による対策委員会を設置し、(1)抗ウイルス薬の備蓄、(2)予防ワクチンの開発と生産体制の整備、(3)ワクチン接種対象者の優先順位確定----など、新型発生に備えた対策に着手しているが、厚生労働省の幹部は「新型の発生は即、世界的危機の始まり。手遅れにならないよう、今の内から十分な準備が必要だ」と話している。
ワクチン実用化に壁 海外企業が特許権
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鳥インフルエンザが人から人へ感染する新型インフルエンザに変異した場合、海外企業が持つ特許などが壁になり、新型に効くワクチンの実用化までに時間がかかる可能性が強いことが分かった。現在確認されている鳥インフルエンザ「H5N1」型については人に感染するウイルスとタイプが一緒で毒性の弱いものを野生動物から探したり、ウイルスの毒性を弱めたりする手法を用いて、ワクチン開発のメドがたった。
ところが、毒性を弱めるために使われる特殊な遺伝子操作技術や製造工程のの多くの部分は、米国を中心とした複数のベンチャー企業により、ばらばらに特許権を押さえられていることがわかり、大きな問題となっている。
これらの技術をワクチン商品化に利用するには、企業との交渉や特許使用料の支払いが必要。世界保健機関(WHO)も事態を深刻に受け止め、調整に入っているが、協力が得られないのが現状という。
仮にワクチンが大量製造できるようになったとしても、現在、世界全体で一シーズンに製造可能なインンフルエンザワクチンは2億3000万回分で、地球人口の約4%しかない。
山口の発生ルート不明
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山口県内の発生した鳥インフルエンザの感染ルートも依然、ナゾに包まれている。
農水省の「家禽疾病小委員会」では、渡り鳥がウイルスを媒介した可能性は低く、人やトラック,飼料などにウイルスが付着し、国外から持ち込まれたという見方を示している。同委委員長の喜田宏・北大大学院教授は「流行地域を歩いた人の靴底に、ウイルスを含むフンなどが付着。その人が鶏舎に入ってウイルスが鶏舎内に持ち込まれ、鶏が吸い込む」などの可能性を指摘する。喜田教授によると、ウイルスの感染力は、フンの中だと、2-3週間は維持されるという。山口県では、「様々な情報が飛び交っているが、これという有力なものは現段階では考えられない」と話している。