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政府の経済財政運営の中期的な指針となる「構造改革と経済財政運営の中期展望(改革と展望)」の2003年度の改定作業で、2006年度に名目経済成長率で2%を達成するとの目標を事実上、下方修正することが14日、固まった。
政府筋が明らかにした。デフレの進行が止まらず、これまでの試算方式では2006年度の名目成長率2%の目標達成が困難となったことから、試算方式を変更して目標を維持する方針だ。この目標はデフレ克服に向けた政府・自民党の公約となっているため、目標を下ろせないとの判断があると見られる。
政府は16日の経済財政諮問会議(議長・小泉首相)で改定案を決定し、20日にも「改革と展望」の2003年度版を閣議決定する予定だ。
2002年度版(2003年1月閣議決定)の「改革と展望」では、「名目2・5%程度、あるいはそれ以上の成長経路に、2005年度ないし2006年度ごろには近づいていく」と明記。これに基づき、自民党は先の衆院選の政権公約で「2006年度に2%以上の名目成長率を達成する」と掲げていた。
政府は、「改革と展望」の2002年度改定の試算までは、物価変動率として、設備投資などを含めた経済全体の物価動向を示すGDP(国内総生産)デフレーターを用いていた。「改革と展望」2002年度版では、2004年度はGDPデフレーターがマイナス0・3%に縮小するとの見通しなどを前提に、2006年度に名目成長率が2・2%に達すると試算していた。
しかし、今回の改定作業では、デフレの進行が止まらず、GDPデフレーターの下落が予想を上回り、2004年度の見通しではマイナス1・3%とされた。このため、GDPデフレーターによる試算では、2006年度の名目2%目標の達成が困難となった。
政府は目標維持のため、店頭価格の動向を示す消費者物価指数が2004年度はマイナス0・2%となり、2005年度からはプラスに転じる見通しであることから、物価変動率として消費者物価指数などを重視することにしたという。政府筋によると、試算方式の変更について「あくまで総合的な判断と説明されることになる」としており、明確にはされない見通しだ。
ただ、竹中経済財政・金融相は経済財政諮問会議で、「GDPデフレーターには技術革新が進み、物価が下がる状態で、下落幅が他の物価指数に比べて大きめになる傾向があるので、種々の物価指数を判断しながら、物価経済情勢を判断していく必要があることに意見の一致が見られた」などとして、消費者物価指数などの他の指標を重視する意向を示していた。
新試算方式によると名目2%を達成できるという。これを踏まえ、「改革と展望」の2003年度改定の原案では「名目成長率は2006年度以降はおおむね2%程度の成長経路をたどる」と修正するとしている。
試算方式の変更による目標維持は、デフレ克服に向けた小泉政権の取り組みの不十分さを浮き彫りにした形で、批判を呼びそうだ。
◆GDPデフレーター◆ 国内総生産(GDP)統計の中で、物価変動を反映する名目GDPと、物価変動の影響を除く実質GDPが、どれだけ離れているかを表す数値。生活に身近な商品などの物価動向を示す消費者物価指数に含まれない企業の設備投資なども組み込んでおり、経済全体の物価動向が反映されている。
(2004/1/14/14:33 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20040114it06.htm