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厚労省「2004年年金大改革案」の正体」
(1) 厚労省の人口推計は嘘八百
厚労省と公明党は、保険料を約1・5倍(保険料率20%)に引き上げ、受給額は「現役時代の年収の50%を確保する」という改正案をまとめた。受給額は2割ダウンする。
ところが、自民党や経済界は「企業の保険料負担が重くなる」と反対し、保険料率18〜18・5%をめぐって侃々諤々の大論争が起きている。はっきりしているのは、どちらにしても、国民は間違いなく、保険料大幅値上げと受給額の容赦ない引き下げを迫られることだ。
そればかりではない。与党も厚労省も、年金改革といいながら、目前に迫っている重大な≪年金の2007年問題≫について何の対応策も考えていないのだ。
2007年には、1947年(昭和22年)から始まった戦後のベビーブームで生まれた≪団塊の世代≫のサラリーマンたちが、一斉に定年(60歳)を迎え、09年までの3年間に年金の受給ラッシュが起きる。03年の“定年人口”は約75万人だったが、07年には94万人、08年=99万人、09年=101万人と急速に増え、当然、年金財政は逼迫する。
今回の改正案には、その≪2007年問題≫の視点がすっぽり抜け落ちているばかりか、厚労省は“団塊の世代は長生きしない”といわんばかりのとんでもない見通しに基づいて将来の保険料や受給額を見積もっていることがわかった。
年金受給者の寿命を縮めることは厚生労働省の悲願らしい。例えば、同省が4年前(99年)に行なった年金の『財政再計算』では01年の厚生年金受給者総数、つまり60歳以上の元サラリーマンの数を1890万人と予測していたが、実際は2056万人になった。わずか2年後の予測がここまで外れてしまうこと自体、信じ難いが、同省はその差166万人は“早死にするだろう”と期待していたことになる。
それだけ受給者数の見通しが狂えば、年金財政が一気に苦しくなるに決まっている。だから今回、大幅な改悪が必要になった。しかし、厚労省は来年の改正でまたもや“死亡率”の水増しをしようとしている。
今回の改正案の元になる99年財政再計算によると、団塊の世代の定年ラッシュが一段落する2010年の厚生年金受給者総数は2830万人となっている。それに対して、予測の正確さには定評のある日本大学人口研究所の65歳以上の人口推計をもとに、本誌が試算した10年の厚生年金受給者数は2887万人。厚労省の再計算より57万人も多い。その分、厚労省の支出も当然多くなる。今回改正されても、5年もすれば同省の見通しの破綻がはっきりして、また大幅な改正を迫られることは目に見えている。