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(回答先: 銀行改革への外貨準備金使用 外匯管理局が解説 [人民網日本語版] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 1 月 07 日 22:05:26)
国務院はこのほど、中国銀行と中国建設銀行の2行を試験的に株式制へ移行させる決定をした。金融改革の加速を示す重要な措置と言える。
国有独資商業銀行とは、中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行の4行を指す。4行は中国の銀行界の中核で、資産総額は国内銀行総資産の56%を占める。しかし、コーポレートガバナンス(企業統治)や経営体制の不備、長期的に未解決の問題などから、経営管理の遅れが問題になっている。資産の質の面では、2003年9月末現在、資産の5段階評価の対象となった銀行の不良債権率は全国平均で18.74%だったが、国有独資商業銀行4行の平均は21.38%だった。株式制商業銀行の平均は8.4%、外資系銀行の平均は4.26%だった。こうした状況は4行の発展だけでなく、国民経済の持続的でバランスの取れた高度成長のサポートにも不利で、金融リスクも潜んでいる。
一方、世界貿易機関(WTO)との合意に基づき、3年後には中国の金融市場が外資系金融機関に全面開放される。国有銀行が従来の形に固執し、改革を検討しなければ、対外開放後には外資系銀行の参入による打撃を受け、中国の改革が遅れる可能性さえある。
こうした背景の下、速やかに改革を実施しなければ、国有銀行に活路はないと言える。
著名な金融専門家である黄金老氏は、中国銀行と中国建設銀行の株式制への移行による最大のメリットは以下の2点だと分析する。
1.データによると、世界の上位50行のうち、中国の国有4行以外はすべて株式制の銀行で、証券市場にも上場している。2行の株式制移行は、規範化されたコーポレートガバナンス体制や厳正な内部権責制度の導入に有利であるほか、財務上の制約システムや内部リスク防止システムの健全化、経営体制の転換に役立つ。国有銀行の真の商業銀行に変える施策となる。
2.中国の国有銀行の増資は、主に国家財政からの補助金に頼っているため、資本金が不足しがちだ。国有独資体制を維持した場合、資本金不足という難題は解決できない。条件を満たした国有銀行を、国が株式を保有する株式制商業銀行に移行させ、将来的に条件に合った銀行を市場原理により上場させれば、自己資本率の向上につながる。
専門家の中には、中国銀行と中国建設銀行について、国有銀行4行の中でも資産、人材、ネットワークなどが比較的小規模で、2行を株式制移行へのテスト行とした場合も社会への影響は小さいとの認識が少なくない。また、2行は財務指標の面でも、株式制企業の基準に近いとされる。
統計によると、2002年末現在の自己資本率は中国銀行が8.15%、中国建設銀行が6.91%で、ともに国有商業銀行4行の中では自己資本率が高い。また、2003年9月末現在の不良債権率(5段階評価を基準とする)も中国建設銀行が11.92%、中国銀行が18.07%で、国有4行の中では低い水準だ。
株式制に移行する2行は、国務院の決定により、追加資本金として国の外貨準備金などからそれぞれ225億ドル、計450億ドルの補填を受ける。北京師範大学金融研究センターの鐘偉教授は、450億ドルの補填により、2行の中核的な資本(Tier1)率は4ポイント余り上昇すると試算している。
外貨準備金の主な役割は国際間の支払いと金融全体の安定維持である。中国は現在、強い対外支払能力を持つが、その金融システムはやや脆弱である。外貨準備金による補填は、国の金融リスク防止や、金融体制の整備における重要な措置であり、外貨準備金運用の役割や目標にも合致している。
鐘教授は、国有銀行が「バーゼル合意」が定める自己資本率を達成し、不良債権率を12%程度に抑えるには、今後4〜5年の間、毎年2700から3000億元の補填を受ける必要があると指摘した。国有銀行の現在の資本注入のルートは、自己資金、劣後債の発行、政府予算からの補填、外資・民間資本の導入などが挙げられる。しかし、銀行の自己資金には限界がある。劣後債券の発行で解決できるのは補完的な資本(Tier2)にとどまり、中核的資本の補填はできない。財政補填は年間1500〜2000億元程度の補填にとどまるとみられる。大規模な外資の導入は、株式制移行を経て上場した後になるだろう。民間資本は、主な投資先は制度改革を進める株式制銀行、都市商業銀行、農村信用社になり、国有銀行に大量の資本が集まる可能性は低いとみられる。
一方、外貨準備による資本の補填は実効性に富むプランだ。中国は外貨準備高が4000億ドルを越える一方、対外債務は1800億ドルにとどまり、国際収支は経常項目・資本項目ともに黒字である。外貨準備金を国有銀行の補填に使用しても、中国の国際償還能力や対外貿易には影響しないだろう。
指摘しておくべきことは、外貨準備金を国有銀行補填に用いても、国際金融市場には影響しないことだ。国家外匯管理局のスポークスマンは、資産振り替えによる補填は2003年末までに一回で完了したと発表している。国際市場で債券を安価で売却したり、国際金融市場へマイナス影響を及ぼす事態には至っていない。(編集KF)
「人民網日本語版」2004年1月7日
http://j.peopledaily.com.cn/2004/01/07/jp20040107_35652.html