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東証不安100円割れ60社…外国人、個人逃げ出す イラク、テロ、円高…
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_11/1t2003111821.html
8000円割れ、景気腰折れの悪夢再び−。18日は反発こそしたものの、平均株価は再び1万円を下回っている東京株式市場。外国人投資家が逃げ出し、混迷のイラク情勢と日本へのテロの恐怖、輸出関連企業の収益を圧迫する円高、投資信託不正で米株式相場の先行き不透明…。不安材料の続出で、100円割れは60社にも達し、4月以降の上昇相場も帳消しになりつつある。株安は一時的な現象なのか、金融不安や大型倒産、景気失速の危機再燃の予兆なのか。
【主役不在】
東京市場の急落を受け、17日のフランクフルト、ロンドン、ニューヨーク市場も急落し、世界同時株安状態となった。
「今年4月28日のバブル後最安値7607円は大底ではない」。株価が再び4ケタの世界に突入し、市場では弱気筋の声が大きさを増す。
今年7兆円も買い越し、上げ相場の牽引(けんいん)役だった外国人投資家が「11−12月が決算期で利益確定売りを出している」(外資系証券エコノミスト)という背景はあるが、「来年以降も日本株を買うかは不透明」(同)。
インターネット経由の個人投資家を見舞ったのが“ソフトバンク・ショック”である。
過去最大の赤字となり同社株が急落。「信用取引の投資家は手持ちの優良株まで換金売りしている」(準大手証券)というのである。
【地政学的リスク】
頼みの米国市場も伸び悩み、無差別テロが相次ぐイラク情勢もドロ沼化が懸念されている。
米中枢テロの首謀者ウサマ・ビンラーディン率いる国際テロ組織アル・カイーダを名乗る「我々の攻撃は東京の心臓部に達するだろう」との警告も、市場心理の後退に拍車がかかった。
証券アナリストの安部雪春氏は株安の背景について、「総選挙後、政局にやや不安定感が出たことや、来年以降の米国景気の減速も心配されている」と分析する。
「年明けからは再び上昇基調をたどる」としたうえで、「下値は9200円あたりが大きな節目となる。テロなど突発的なリスク要因が高まれば、一時的に8800円もありうる」とみる。
【再建に暗雲】
りそな銀行への公的資金注入以降、倒産リスクが薄れた経営再建企業の株価が上昇したが、ここにきて東証1部の株価100円割れ銘柄が再び急増する。10月には2ケタ目前まで減少したのが、18日現在で60社に。うち14社を建設業が占めた。
金融庁が大手銀行への特別検査を再点検した結果、経営不振の大口融資先161社のうち建設、不動産、流通、ノンバンクなど24社が「破綻懸念先」以下に引き下げられ、再建計画の遅れが明るみに出た。経済財政白書の「上場企業の132社の整理・再生が必要」との分析も思惑を呼ぶ。
前日約2カ月ぶりに200円割れしたダイエーが18日も売られるなど、経営再建中の企業に再び市場の厳しい視線が集まり始めた。
【金融不安】
こうした懸念が銀行株の下落に反映されている。25日に大手銀の中間決算発表では、保有株の上昇が含み益に転じて、りそな以外は黒字に転じる見通しだが、市場では「決算よりも再び不良債権を気にする動きが出ている」
(大手証券)。
「資本の水増し」と批判される繰り延べ税金資産に依存した財務体質の改善はなく、地銀の国有化問題もくすぶるなど、不安は払拭(ふっしょく)されない。
【デフレ継続】
7−9月のGDP(国内総生産)でも景気回復にはほど遠く、デフレはいっこうに止まらない。
日銀の政策についても「株式市場にとって、平和な社会に対するテロリストの脅威に等しい存在。警戒レベルに例えるなら、今は黄信号」(大手証券ストラテジスト)と金融引き締めへの転換を懸念する声も根強い。
企業の9月中間決算は総じて増益となったが、リストラや株価回復の要因が大きい。円高も「為替介入資金はすでに2兆円程度しか残っておらず、事実上の枯渇状態」(前出の外資系証券)。
「少なくとも来年の米大統領選までは上昇基調に変わりはない。今こそ絶好の買い場」という見方も根強いが、イラクや財政赤字などの問題でブッシュ政権の基盤が揺らぎかねない。
父親のブッシュ元大統領も湾岸戦争で勝利を収めながら、経済失政で再選に失敗した。
くしくも当時、日本経済はバブル崩壊から“失われた10年”の不況に突入した。悪夢は再び、繰り返されるのか。
ZAKZAK 2003/11/18